来年度の東京オリンピックは開催不能となるか。 アストラゼネカの試験中断、ワクチン開発の行方は [2020年09月10日(Thu)]
日本政府は英アストラゼネカより新型コロナウイルスに対抗するワクチンの供給を受けることになっていたが、これが間に合わないと来年度のオリンピックの開催に暗雲となる。
日本が購入予定であった数億本にのぼるワクチンは日本に来ないことになる。 日本の製薬会社もワクチンの開発に取り組んでいるが臨床実験の段階で副作用があることが判明すれば、来年度早々にも生産されるものが間に合わなくなる可能性がある。 データ 英国ロイター通信 2020/09/10 英アストラゼネカは9月9日、開発中の新型コロナウイルスワクチンの臨床試験を一時中断したことを明らかにした(ロイター) [ロンドン ロイター]英アストラゼネカが、有害事象の発生を受けて新型コロナウイルスワクチンの臨床試験を中断した。実用化の遅れが懸念される。 英オックスフォード大とワクチンを共同開発しているアストラゼネカは9月9日、独立委員会が安全性データをレビューするために臨床試験を一時的に中断したことを明らかにし、試験のタイムラインへの影響を最小限に抑えるよう取り組んでいるとの声明を発表した。 有害事象が確認された共同開発は、横断性脊髄炎と呼ばれる稀な炎症性疾患を発症したと報じられている。アストラゼネカは、詳細は検証中で、最終的な診断は確定していないとしている。 米国立衛生研究所(NIH)のフランシスコ・コリンズ所長は9日、米上院委員会の公聴会で、ほかにも同様の事例がないか確認を進めていると語った。 アストラゼネカはすでに、世界各国に30億本近くのワクチンを供給することで合意している。これは、ほかのどのワクチンプロジェクトよりも多い。 同社はまた、被験者が神経系の症状を呈し、7月に臨床試験を一時的に停止したことも確認した。この被験者は多発性硬化症と診断され、独立委員会はワクチンとの関連性はないと結論付けた。 英国のマット・ハンコック保健長官は、今回の試験中断が開発プロセスを後退させるかどうかについて「必ずしもそうではない。アストラゼネカによる検証を見極めたい」と語った。 |