真珠湾について 史上最悪の愚策 孫崎 享 [2016年12月09日(Fri)]
真珠湾について 史上最悪の愚策
読書のすすめ 日米開戦の正体 孫崎 享 ハル回顧録 コーデル・ハル ハル回顧録(コーデル・ハル)という1941年の当時、日本とアメリカで和平交渉中に、 いわゆる“ハル・ノート”を突き付け、日本をして開戦に踏み切らせた男の自伝がある。 そのハル米国国務長官がその自伝で、真珠湾について、下記のように記載している。 以下引用 ペルー公使 日本の陰謀を米国に通報。 1941年1月27日、東京のグルー大使から次のような電報が届いた。 −日本駐在のペルー公使がグルー大使に対して、“各方面から聞いたのだが、日本の軍部は 日米間に事が起こった場合には真珠湾を奇襲する準備をしている。 この攻撃は日本の全軍事力をあげてやるということだ“―と語ったというのだ。 (注、グルー大使は駐日アメリカ大使) ペルー公使は、ばかばかしいような計画だとは思うが、あちこちから聞くし、 日本側からも入ってきている情報なので、あえて伝える気になったのだ。 とグルー大使は述べた。翌日、私はこの電報の内容を陸・海両省に報告した。P171 1941年12月8日 日本からの戦争通告は野村大使からハル国務長官に1時間20分遅れで通告 “私は手渡された通告に目を通すふりをした。 その内容は私にはもうわかっていたけれども、もちろんそれをおもてに 出してはならなかった。”p192 <データ> 回顧録 コーデル・ハル著 1949年4月 朝日新聞社刊 アメリカは、開戦約1年前から真珠湾が攻撃目標であるという情報を 得ていたのである。 なんのことはない、アメリカは、事前に知っていたということで、 日本の真珠湾攻撃を アメリカは予測していたということである。 しかも、外交無線、海軍無線の暗号は、 アメリカに全て解読され、日本のアメリカ駐在野村大使宛の暗号電文も 全て解読されていた。日本の動きは全て察知されていた。 ハル国務長官は日本の暗号電報を事前に解読し、その攻撃をすでに知っていた。 日本が到底のむことができない提案である“ハル・ノート”を出し、アメリカは 日本が攻撃してくることを想定していた。 但し、アメリカ軍ハワイ駐留太平洋軍の陸・海軍には事前に防衛体制を とるよう指示をしなかったという説がある。 米軍ウデマイヤー陸軍大将は後に”ルーズベルトは真珠湾で3500名の軍人を犠牲 にした”と批判している。 日本に全く勝ち目のない戦争に突入した、突入させられた、歴史上、最悪の愚策が 真珠湾攻撃であった。 後世の我々は歴史から学ばなければならない。 追記 アメリカの太平洋軍司令官キンメルは、大統領命にて解任され翌年予備役に編入された。ルーズベルトの死後、議会で名誉が回復されたと聞く。どういうことを意味するのだろうか。 |