世界経済回復の足かせに、途上国の債務危機が深刻化 [2020年05月31日(Sun)]
悲観的な観測だが途上国は金融体制が脆弱なだけに、途上国の金融破綻の危機を迎えている。
Reuters 2020・5・30 [26日 ロイター] - 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)は、途上国でデフォルト(債務不履行)を引き起こし、その後の経済復興の障害になるだろう。 多くの国は、公的な政府系金融機関、国際的な民間セクターの双方から巨額の借入を行っており、その大半はドル建てだ。 経済の不振が深刻化し資本逃避が生じるなか、これらの国は債務返済コストの上昇に直面している。私たちはただちにこの問題への対応を考える必要がある。 <IMFの役割> 新興市場国の債務危機を緩和するためには、どうするのが最善だろうか。 国際通貨基金(IMF)には過去最多の102カ国から緊急融資の要請が殺到しており、追加の資金調達が必要になっている。 今後数カ月間も、追加融資の要請が大量に押し寄せることになろう。IMFでは、現在、低所得国の40%が債務返済に苦しんでいるものと推定している。 IMFが融資に回せる資金を増やすには特別引出権(SDR)の増額が必要になるが、米国はこれに難色を示している。 そうなるとIMFとしても必要な規模での対応が不可能になりかねない。 IMFが、各国の納税者にとって極めて低いコストで必要不可欠な緊急対応を行っており、連鎖反応的な危機を放置する、あるいは二国間での対応に頼るよりもはるかに低コストで済むことをトランプ政権は忘れてしまっている。 |