新渡戸稲造が伝えた武士道 1
武士道が求めた女性の理想像 [2016年10月31日(Mon)]
新渡戸稲造が伝えた武士道
武士道が求めた女性の理想像 武士道は男性のために作られたものである。その武士道が求めた 女性の理想像は、家庭的であると同時に、男性よりも勇敢で決して 負けないという、英雄的なものであった。 そのため武家の若い娘は、感情を抑制し、神経を鍛え、 薙刀を操って自分を守るために武芸の鍛錬を積んだ。 この鍛錬の目的は戦場で戦うためではなく、個人の防衛と家の防衛の ためであった。 武家の娘 武家の少女達は成年に達すると「懐剣」と呼ばれる短刀 を与えられた。その短刀は、彼女達を襲う者に突き刺さるか、 あるいは彼女達自身の胸に突き刺さるものであった。 多くの場合、懐剣は後者のために用いられた。女性といえども、 自害の方法を知らないことは恥とされていたのである。 さらに、死の苦しみがどんなに耐え難く苦しいものであっても、 亡骸に乱れを見せないために両膝を帯紐でしっかりと結ぶこと を知らなければならなかった。 武家の女性は家を治める・男は戦場へ 武家の女性には、家を治めることが求められた。 彼女達には、音曲・歌舞・読書・文学などの教育が施されたのも、 その目的は、普段の生活に彩と優雅さを添えるためであった。 父や夫が家庭で憂さを晴らすことができればそれで十分だった。 娘としては父のため、妻としては夫のため、母としては息子のために 尽くすことが女性の役割であった。 |