トランプ氏の今回の決定は、中国が自由に中距離核戦力を開発、運用、実戦配備していることへの不満がその原因であろう。
中国の中距離核ミサイルにより、日本の米軍基地、沖縄のカテナ空軍基地、グアム島の軍事基地、ハワイの軍事基地がすべて中国のミサイル射程内に入っているといういらだちである。
ロシアからは、そのような決定は、戦争への路を開くことになると強い反発が出ている。
確かに、核軍縮からすれば大きな後退となり、緊張が高まることにはなるだろう。
おそらく近い将来、韓国からアメリカ軍の撤退もありうると想定すれば、韓国に配備されているアメリカ軍のミサイル部隊の撤退を意味することになる。
また、ロシアがヨーロッパ大陸の国境沿いに中距離ミサイルを配備していることへのけん制もあろう。NATO軍からアメリカにプレッシャーがあっただろうと思われる。
この決定は、緊張緩和ではなく、緊張状態の悪化と継続をもたらすことになる。
以下引用
ワシントン(CNN) トランプ米大統領は19日、米国が1987年にロシアと結んだ中距離核戦力(INF)全廃条約を破棄するとの意向を示した。
トランプ氏は遊説先のネバダ州から大統領専用機に乗り込む前、記者団に「ロシアが条約を破っている。
何年も前から違反してきた」「オバマ(前大統領)がどうして交渉あるいは破棄しなかったのか、私には分からない」と語った。
同氏は米国側だけが同条約を守ってきたと改めて主張し、「我々が条約を打ち切る。我々は離脱する」と明言した。
INF全廃条約は、米国のレーガン大統領と旧ソ連のゴルバチョフ書記長が調印した。
だがトランプ政権はこれまでも、ロシア側の違反を繰り返し主張。
中国がなんの制限もなく太平洋で中距離核ミサイルを開発できるのに、米国にそれが認められないのは不公平との立場を取ってきた。
ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は来週ロシアを訪問し、この件について協議する構えだ。
データ
アメリカ CNN2018・10・22