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平成22年度HNS等防除訓練を実施 [2010年05月28日(Fri)]

HNS等防除訓練を実施


 (独)海上災害防止センターでは、油や海洋環境に有害な液体が海上に流出した場合や、これらが原因となって火災が発生した場合に備え、全国の港湾で海上防災に取り組んでおられる事業者の方々と相互に協力するとともに、日本財団の助成によって整備した専用の資機材を要所に配備することで即応体制を維持していますが、これらの災害が発生した場合に適確に対応するためには、現場の対応者が専門の知識や技術を持ち、資機材の取扱いにも習熟しておく必要があるため、日本財団から更なる助成をいただいて、横須賀にある防災訓練所において毎年「HNS等防除訓練」を実施しており、日本国における海上防災体制の充実強化を図っています。


(訓練受講生28名)           (開講式の様子)


           実施日:2010年5月17日〜5月21日

 なお、HNSとは英語で言う ※“危険で有害な物質”の頭文字をとった略 称で、この訓練では油を含めて「HNS等」と呼んでいます。
 HNS等は、人体に非常に有害で爆発の危険性が高い物質が多いため、もし、タンカーや臨海部の工場で事故が発生した場合は、これらが海上に流出して海洋のみならず大気を汚染し、私たちの生活や環境に大きな被害を与えるおそれがあります。
 そのため、本訓練には全国の海上防災関連事業者から28名の研修生に参加していただき、現場の対応者にふさわしい人材を一人でも多く養成することを目的として、毎年実施しております。
※ Hazardous(危険な)Noxious(有害な)Substances(物質)


主な訓練内容としましては、

「消火作業」
・東京湾の第二海堡に建設された訓練施設を使用した油火災を実際に消火
「安全措置」
・化学防護服、呼吸具を装着しての可燃性及び有毒ガスの検知作業や海水サンプリング
「防除措置」
・泡消火薬剤や粉末ゲル化剤等による蒸発抑制及び流出物の固化・回収
 
など、現場で行う実戦的な防除作業を研修し、座学においては、具体的な防除戦略や防除戦術などの理論的な講義をして、想定事故に対する研修生のディスカッションも行っています。


 (油回収システムの操作訓練)   (想定事故に対するディスカッション)

    (泡による蒸発抑制)        (機関室火災の消火訓練)

 今回参加した研修生からは、「今まで防除作業に従事することがなかった為、各種資機材等の用途、使用方法を学ぶことが出来た。」「環境汚染や安全に対する意識が高まった。」「短期間でとても濃密な内容の勉強が出来た。」「実地訓練により、とても身についた。」等の感想が寄せられました。
当センターでは、今後もHNS等防除訓練の内容の充実を図り、これら研修生の所属する海上防災関連企業と連携した事故対応ネットワークにより、汚染事故に適確に対応し、全国的な海上防災体制の更なる充実強化に寄与したいと考えております。
Posted by m100055 at 15:39 | 関連する成果物 | この記事のURL
平成21年度HNS等防除訓練を実施 [2009年09月17日(Thu)]

HNS等防除訓練を実施


 (独)海上災害防止センターでは、重油などの特定油の防除活動に加え、ガソリンなどの特定油以外の油やベンゼンなどの有害液体物質(以下「HNS」という。)の流出、火災事故に対応できる防災措置技能を修得するため、平成20年度から訓練の主な対象物質を「HNS」とした「HNS等防除訓練」と称して海上防災訓練を実施しています。
 センターでは前年度に続き日本財団に助成をいただき、HNS等防除訓練を5月18日から5日間にわたり横須賀の防災訓練所で実施しました。


(訓練受講生27名)           (開講式の様子)

               
 この訓練は、全国各地の防災事業者から派遣された27名の研修生に対して、大規模なHNS等の海上への流出事故における防除措置等について訓練を行い、現場の対応要員の中核となる高度な技能を有する人材を養成することを目的としています。訓練内容としては、東京湾の第二海堡に建設された訓練施設で実際に油火災を消火したり、可燃性及び有毒ガスの検知作業、泡消火薬剤や粉末ゲル化剤等による蒸発抑制及び流出物の固化・回収、化学防護服や呼吸具を装着して煙の中での作業などがあります。また、横須賀の訓練所では座学はもちろんのこと、洋上での油回収装置の操作や海水サンプリングなど、現場で行う実践的な防除作業を研修し、具体的な防除戦略や防除戦術など論理的な講義を行い、HNS事故のケーススタディーも行いました。


(油回収装置の操作訓練)        (油火災消火訓練)


(ガス検知作業の様子)       (化学防護服の装着実習)


 今回、訓練に参加した研修生からは、「本格的な訓練で大変勉強になり現場で生かしたい」、「現場へ向かう時は、常に危機意識を持つことが必要だと再認識した」、「今まで経験したことがない訓練であった」、「HNS等の防除方法がよくわかった」、「今後もこの訓練を継続して欲しい」等の感想が寄せられました。

 当センターでは、今後もHNS等防除訓練の内容の充実を図り、全国的な海上防災体制の更なる充実強化に寄与するとともに、これらの研修生の所属する防災事業者に対し継続的に情報提供するなど、事故対応ネットワークをより強化しHNS等の事故に適切に対応して行きたいと考えております。
Posted by m100055 at 10:54 | 関連する成果物 | この記事のURL
ダブルハルタンカーのボイルオーバー [2009年09月16日(Wed)]

 (独)海上災害防止センターでは日本財団の助成事業として、ダブルハルタンカーのボイルオーバー(火災による油面の高温が油中を下に伝搬し、タンク底部の水に接して水蒸気爆発を起こし、噴出飛散した高温油に引火し火災が急激に激化する現象)の調査研究を行っています。
 平成18及び19年度の基礎実験によりダブルハルタンカーはボイルオーバーが発生する危険性が高いことを確認しました。3年目となる平成21年度は、全長約300mのダブルハルタンカーの120分の1模型を製作し、タンク内の原油を燃焼させボイルオーバーが発生するかどうかの実験を行いました。
 実験の結果、通常の火炎の高さは約2mでしたが、ボイルオーバー発生時の火炎高さは約6mまで達しました。ボイルオーバーは、それぞれサイドタンクで1回、センタータンクで1回発生し、センタータンクではボイルオーバー発生後も数回の爆発が生じました。
 この実験により実際にダブルハルタンカーが火災を起こした場合には、ボイルオーバーが発生する可能性が高いものと推定されます。

      定常燃焼

サイドタンクボイルオーバー

センタータンクボイルオーバー

ボイルオーバー後の再爆発
Posted by m100055 at 10:53 | 関連する成果物 | この記事のURL
HNS等防除訓練を実施 [2008年06月16日(Mon)]

HNS等防除訓練を実施


(独)海上災害防止センターでは、全国的な海上防災体制の充実強化のため、日本財団に助成をいただき、HNS等防除訓練を5月19日から5日間にわたり横須賀の防災訓練所で実施しました。
この訓練では、全国各地の防災事業者から派遣された28名の研修生に対して、大規模な油や有害危険物質(HNS等)の海洋への流出事故における防除措置等について訓練を行い、現場対応要員の中核となる、高度な技能を有する人材を養成することを目的としています。

(訓練受講生28名)            (開講式の様子)

このため、訓練では、実際に油火災を消火したり、防護服や呼吸具を装着して煙の中への突入、洋上での油回収装置の運用など実践的な防除作業を研修することはもちろん、現場における防除戦略や具体的な防除戦術など理論的な部分についても講義が行われました。
特に、一昨年6月の海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律の改正に伴い、有害危険物質を海洋に流出した場合の防除措置等が強化されたことから、有害危険物質の防除措置として、可燃性及び有毒ガスの検知、化学防護服の装着、泡や粉末ゲル化剤等による蒸発抑制及び流出物の固化・回収などの具体的な対応訓練や、有害危険物質事故のケーススタディーも行いました。

(HNS等防除講習)      (水霧を使用した汚染物の希釈攪拌)


(ケミカル火災消火訓練)      (グループディスカッションの状況)


このHNS等防除訓練は、日本財団に助成をいただき、東京湾のほぼ中央に位置する第二海堡に建設された大規模な火災消火や模擬船室作業などの訓練が実施できる本格的な防災演習場を使用して、平成8年から実際の油防除、火災消火などの現場に直結した訓練も実施しており、防災関係者には大変人気のある訓練であります。
今回、参加した研修生からは、「他の場所では訓練できない内容の訓練であり、いい勉強になった」、「経験したことがない訓練内容であり非常にためになった」、「実戦的な訓練であり、何度来ても為になる」、「新しいHNS等防除についての訓練は、人体に非常に有害で爆発の危険性が高い物質であるので現場で役に立つ」等の感想が寄せられました。
当センターでは、今後ともHNS等防除訓練の内容の充実を図り、全国的な海上防災体制の更なる充実強化に寄与するとともに、昨年10月には、日本財団の助成で整備した資機材を全国各地に配備し、これらの研修生の所属する防災事業者と連携した事故対応ネットワークにより、有害危険物質等事故に適切に対応して行きたいと考えております。
Posted by m100055 at 14:22 | 関連する成果物 | この記事のURL
海上防災の充実のための巡回研修会! [2007年11月02日(Fri)]

19年度最終回を舞鶴港で実働訓練も交えて実施

 当センターでは、日本財団からの助成を受け、講師を全国各地に派遣して防除技術等に関する巡回研修会を毎年開催しています。平成19年度最終回の巡回研修会は、京都府の舞鶴港で開催いたしました。
 地球環境の保全、特に地球の7割を占める海洋における環境保全は非常に重要ですが、昨年の海洋汚染の現状(平成18年1月〜12月、海上保安庁調べ)によれば、海洋汚染の発生件数は、合計470件でその中の306件が油によるもので、8件が有害液体物質によるものでした。
 これらの海上に排出された油や有害危険物質の防除活動は大変厄介であり、防除を的確に行うには、その地域に即した防除措置を指導する必要があり、今年度は釧路、秋田、金沢、境港で巡回研修会を実施し舞鶴が最終回です。


(巡回研修会の様子)


 今回の舞鶴港での巡回研修会は、10月28日(月)午前に舞鶴港湾合同庁舎会議室において座学を、午後は舞鶴港大野辺物揚場岸壁において係留中の船舶から重油などの特定油が流出したとの想定で、オイルフェンスの展張訓練を行いました。

 午前中の座学においては、当センター防災部業務課清野から、昨年11月に発生した小豆島沖小型タンカー海難油流出事故での3週間に及ぶ現場での防除作業の話を交えて、具体的な防除活動の方法を紹介するとともに、漁業組合、市町村や海上保安庁などの調整について説明したほか、オイルフェンスの展張方法、油処理剤のメカニズムと使用方法、海岸清掃での留意点、HNS事故への対応などについても説明されました。
 座学には、当センターの契約防災措置実施者契防者である飯野港運(株)のほか、関西電力(株)、日本板硝子(株)など10事業者と関係官庁から約40名の参加がありました。

 午後からは、午前中に説明をしたオイルフェンスの展張方法について、実地に現場で訓練を行いましたが、第八管区海上保安本部職員及び当センター職員により現場で指導、助言を行いました。


 (スライドを使用して事故事例を紹介)     (実地訓練での現場指導)
      
 オイルフェンスは、流出した油を囲い込み、又は流れてくる油を回収が容易に実施できる箇所に集めるときや、養殖施設等優先的に守るべき場所を流出油から守ために使用されるもので、海上では風や波、潮の流れの影響を受けるため、展張するにはいろいろな工夫が必要であることを直接参加者に指導しました。


     (オイルフェンスの展張状況)      (回収を目的とした直線展張)

 今回の研修会について、参加者に感想を聞いてみましたら、
@「先を考えた事故対応が重要だと分かった」、A「油処理剤に対する認識違いを知った」、B「対応事例等大変参考になり、有意義でした」、C「オイルフェンス展張訓練では、状況に応じた展張方法・工夫が必要であることが分かった」等々の回答があり、参加者のほとんどの方に満足をいただき成功裏に巡回研修会を終了しました。

 この巡回研修は全国を一巡し、本年度をもって一旦終了することとなります。
 実際に大規模な油流出事故が発生した場合には、法的責任のある原因者や関係企業のCSRによるものだけでなく、国・自治体のほか、地域の関係者やボランティアが参加して対応するのが実態です。
 一つの地域にとって油や有害危険物の流出事故が発生する頻度はそんなに高いものではありませんが、事故は島国日本のどこでも起きる可能性があります。また、一旦事故がおきますと、その地域に甚大な被害と環境へ大きな影響を及ぼすことになります。この被害と環境への影響を極限化するためには、関係者が力を合わせて直接作業を実施するとともに、ボランティアに対する的確な指導をする等により組織的に迅速で効果的な作業を実施することが不可欠です。
 しかし、めったに事故が起きないため、どの地域でも防除作業の知識・経験を持っている人が少ないのが実態です。今年度まで日本財団の支援を得て、当センターの140件を越える防除作業で蓄積したノウハウ等をベースに地域関係者のために実戦的な巡回研修を実施してきました。
 10年前のナホトカ号のような油流出事故がおきないことを祈っていますが、万一の場合に備え、競艇の収益金の一部からの支援が全国各地域の防災体制充実に大変役立っていることを紹介させて頂きます。
Posted by m100055 at 19:19 | 関連する成果物 | この記事のURL
ダブルハルタンカーのボイルオーバー実験 [2007年10月23日(Tue)]

 当センターでは、日本財団の助成事業として、ダブルハルタンカーの火災時の消火作業の安全性及び対応策を確立するため、ボイルオーバー(火災による油面の高温が油中を伝搬し、タンク底部の水に接して水蒸気爆発を起こし、噴出飛散した高温油に引火し火炎が急激に激化する現象)の調査研究を行っています。今回行ったいくつかの実験の中での、特筆事項を紹介いたします。

【直径80cmの模擬タンク実験】
 昨年度のボイルオーバー実験で使用した直径30cmのタンクを直径80cmに大きくし、より実際のタンクに近くして実験を行いました。
 定常燃焼中の火炎高さは約2mでしたが、ボイルオーバー発生時の火炎高さは約10mまで達しました。また、キノコ雲状のファイアーボールが発生しました。

【消火後のボイルオーバー実験】
 燃焼させた後、一旦消火し、その後にボイルオーバーが発生するかどうかの実験を行いました。この実験では直径30cmのタンクを使用しました。
 1時間定常燃焼させ原油の油温が十分高くなったこと(約350℃)を確認してから、泡消火剤にて消火しました。
 火炎面付近の温度は消火により急速に低下しましたが、原油の高温部は消火後も下層への伝搬を続け、タンク底部の水分と接触した瞬間、ボイルオーバー(高温油の噴きこぼれ)が発生し、タンク外の漏油防止槽に高温原油が溢れ出しました。

 この結果から燃焼中はもとより、消火後といえども、ボイルオーバー(噴きこぼれ)が発生する可能性があることが判明しました。
Posted by m100055 at 11:56 | 関連する成果物 | この記事のURL
有害危険物質防除体制整備ほぼ完了、対応デモンステレーションを実施! [2007年10月04日(Thu)]

 当センターでは、有害危険物質(以下「HNS」という。)による海上災害に備えた全国規模の防除体制を日本財団からの助成をいただき、9月末には、流出したHNSの防除のための資機材を全国主要港湾25箇所の基地に配備するなど同体制の構築をほぼ完了しました。
 この体制を関係者の皆様に披露するため、10月2日(火)午後、神奈川県横須賀市新町の当センター横須賀防災訓練所において、監督官庁の海上保安庁の方々や大変なご支援をいただいた日本財団などの日本の関係者のほか、韓国海洋汚染防除組合など合計約100名を越える見学者と6社の報道機関に対して、流出したHNSの防除訓練(デモンストレーション)を公開しました。


 このデモンストレーションでは、「HNSタンカーが荷役中の岸壁からHNS(ベンゼン)を誤って流出した。」との想定で、展示訓練を発動
  (1) 流出現場付近にロボットスーツのような化学防護具を装着したセンター職員が到着、ガス検知器で蒸発したベーパー(蒸気ガス)検知を実施し危険区域を設定

 (2) 海上からは作業船が現場にガス検知を行いつつ接近、海水にベンゼンが溶けていないかサンプリングして、海水の汚染状況を確認

 (3) 引き続くベンゼンのベーパー(蒸気ガス)が付近に拡散することを抑えるため、消防船からゲル泡剤を放水

 (4) 時間が経ち、HNSが海面上でゲル化、固化し浮遊していることからこれらを作業船に取り付けた回収・集油オイルフェンスで集め、回収装置で船上に回収

などの防除作業が各作業の流れにそって、具体的な説明を交えながら進行されました。

 HNSは、ひとたび海上に流出すれば、人命はもちろん船舶交通や海洋環境に多大な影響を与えるものであり、見学者の関心も大きく、盛大なデモンステレーションとなりました。
 見学者からは、「HNSの防除方法を分かり易く紹介していただいた。」「各防除資機材の使用方法を理解出来た。」「HNSの防除作業は大変難しい作業であるのがよく分かった。」「センターがよくここまで体制を創り上げた。関心した。」など大変有難い感想をいただきました。

 今回のデモンストレーションで使用した資機材等は、日本財団から80%(約2億4千万円)の助成をいただき整備したものであり当センターでは、事故現場での対応や平時の指導・訓練を通じ、関係者の方々からの期待に応えることが出来るよう、今後とも努力していかなければならないと決意を新たにいたしました。
Posted by m100055 at 19:04 | 関連する成果物 | この記事のURL
『有害危険物質防除用資機材 その4』 [2007年09月27日(Thu)]

 前々回の『有害危険物質防除用資機材 その3』(泡消火剤、ポリマー、放水銃)に引き続き、
今回は、19年度の日本財団からの助成により整備された有害危険物質(HNS)用の防除資機
材のうち、HNS流出事故現場に急行したセンター職員等が実施する防除措置に使用する資機
材のうち、回収装置等について特徴等を紹介します。

1.回収作業等の概要
  前回のブログにも記載しましたが、HNS流出事故現場が港内あるいは沿岸付近であり、流出
 し海面上を浮遊しているHNS物質から有害な蒸気ガスが大量に発生しており、付近に人家、
 マリーナ、工場等があるなど周辺環境を及ぼすおそれがある場合は、泡消火剤(ゲル泡)を放
 射し、蒸気ガスの発生を抑制し、そのうえ安全が確認された状況下において、オイルフェンスに
 よる包囲・揚収が可能な場合には、黒もの油の場合と同様、流出したHNSをオイルフェンスで集
 め、ポリマーあるいはゲル化剤などで吸収・固形化し蒸気ガスの発生を抑制したうえで回収し
 ます。

回収作業の様子(写真は訓練風景)


2.回収装置等の種類
  今回、センターが調達する回収装置等の概要は、次のとおりです。
 (1) 集油用オイルフェンス及び同用アウトリガー
   この装置は、HNS事故現場で海面上に広がったHNSを集めるための装置であり、このオイ
  ルフェンスはポリエステル補強塩ビ引布製、長さ20m(3分割タイプ)、水面下スカート部約
  40cm、現場で空気を充填して使用する方式であり、アウトリガーは長さ7mの突き出し棒で
  す。これらが一体となって作業船舷側に取り付けられ、作業船がゆっくりとした速度(約1
  km/h)で走り回りながら、海面で固形化したHNSを集めます。

日本財団助成により調達したアウトリガータイプ充気式オイルフェンス(ブリヂストン社製)



 (2) 小型回収装置(FOILEX MINI SKIMMER)
   この回収装置は、洋上部分(スキマーヘッド)と船上部分(バキュームポンプ)から構成され
  ていて、(1)のオイルフェンスにより集められるHNSを海水とともに洋上のスキマーヘッド部で
  吸い取り、船上にある回収用ドラム缶に回収します。

 スキマーヘッド              バキュームポンプ
Posted by m100055 at 18:53 | 関連する成果物 | この記事のURL
海上防災の充実のための巡回研修会! [2007年09月20日(Thu)]

平成19年度第3、4回目を釧路と境港で相次いで実施

 船舶の海難事故等により海上に油や有害危険物質が排出された場合、これらの防除
活動を的確に行うため、その地域に即した防除措置を指導する必要があることから、当セ
ンターでは、日本財団からの助成を受け、講師を全国各地に派遣して防除技術等に関す
る巡回研修会を毎年、開催しています。
 19年度の巡回研修会は、第1回目を秋田県船川港で、第2回目を金沢港で実施し、
8月末になり28日に第3回目を北海道の釧路港で、30日に第4回目を鳥取県の境港港
で相次いで開催しました。


巡回研修会での受付状況(釧路)

 北海道釧路港での巡回研修会は、「くしろ水産センターマリン・トポスくしろ」の会議室に
北海道東部地区排出油等防除協議会会員を中心に約70名の参加を集め実施しました。
同港湾は北海道東部の最重要港湾であり、燃料油、暖房油のほか有害危険物質(以下
「HNS」という。)も荷揚げされていることから、研修会では、これらの油やHNSが流出し
た場合の防除措置について萩原防災部長代理から講演を実施しました。
 講演の内容は、流出油事故対応の基礎知識である「油の性状と経時変化、油処理剤の
メカニズム・使用方法、オイルフェンスの使用方法等」のほか、「今年4月から規制されるこ
とになった有害危険物質(ケミカル類等、以下「HNS」という。)の防除手法」についての説
明も事故事例を交え分かりやすく説明しました。

  

真剣に講義を聞き入る参加者(釧路)     萩原部長代理による説明(釧路)  

 鳥取県境港港での巡回講習会は、境海上保安部2階会議室で実施されましたが、講習
会当日は、低気圧の接近で早朝から荒天となったことから、講習への参加者は予定より大
幅に少なく17名に対する講習会となりました。境港港は、山陰地方で最大漁港であり、燃
料油であるA重油、軽油等の取扱いが多いことから、一般的な油の流出事故への対応に
重点をおき、流出油事故対応の基礎知識、油の性状と経時変化、油処理剤のメカニズム
等について、萩原防災部長代理から流暢な関西弁で分かりやすく丁寧に説明が行われま
した。


講習会の状況(境港)

 これら2ヶ所での研修は、境港港での研修が荒天で研修参加者が大幅に少なくなったも
のの、研修に参加できた方には、自分のこととして捉え大変興味を持って参加していただき
ました。
 今回の研修会について、参加者に感想を聞いてみましたら、
@「興味深く、資料としてもとても分かりやすい話でした。今度は、境港の地域特性を踏まえ
て、想定される事故への対応についてポイントを教えてほしい。」、A「自治体等関係機関が
正しい知識を持ち、一体となって防除活動に取り組むことが必要と感じた。」、B「大変勉強
になりました。改めて知識として吸収できる事もありました。これまでの研修と違い参考にな
りました。」、C「映像と話術のお蔭で、とても楽しく災害防止の中身を勉強でき、災害対応を
再認識しました。」、D「対応事例等大変参考になり、有意義でした。」等々の回答があり、
参加者のほとんどの方に満足をいただき成功裏に終了しました。
Posted by m100055 at 13:23 | 関連する成果物 | この記事のURL
『有害危険物質防除用資機材 その3』 [2007年09月04日(Tue)]

 前回のブログ(検知・採水資機材)に引き続き、今回は、19年度の日本財団からの助成に
より整備された有害危険物質(HNS)用の防除資機材のうち、HNS流出事故現場に急行し
たセンター職員等が実施する防除措置に使用する資機材のうち、泡消火剤(ゲル泡)、吸収
性ポリマー及び放水銃について特徴等を紹介します。

1.蒸発抑制など作業の概要
  HNS流出事故現場が港内あるいは沿岸付近であり、流出し海面上を浮遊しているHNS
 物質から有害な蒸気ガスが大量に発生しており、付近に人家、マリーナ、工場等があるな
 ど周辺環境を及ぼすおそれがある場合は、泡消火剤(ゲル泡)を放射し、蒸気ガスの発生
 を抑制します。
  また、オイルフェンスによる包囲・揚収が可能な場合には、黒もの油の場合と同様、流出
 したHNSをオイルフェンスで集め、ポリマーあるいはゲル化剤などで吸収・固形化し蒸気ガ
 スの発生を抑制したうえで回収します。
  一方、沖合い海上にHNSが流出し、周辺に大きな影響がないなどの場合は、現場の状
 況から判断し、蒸発促進のための放水作業を行います。

  

   ゲル泡の放射             ポリマーによるキシレンの固形化


2.吸収性ポリマー及びゲル泡等散布装置(放水銃兼用)
  この装置は、HNSの流出事故が発生したとき、効果的に防除措置が実施できるようにす
 ることを目的に日本財団からの助成を受け、当センターと宮田工業鰍ェ共同で開発した装
 置であり、流出したHNSのベーパー(蒸発ガス)を抑えるため、ゲル泡原液を放水銃側面吸
 引部から取り込み、放水する海水に載せてゲル泡を放射し、流出したHNS物質を覆います。
  また、HNS物質を吸収・固形化するための吸収性ポリマーを放水銃上部の投入用ホッ
 パーから吸引し、同様に放水する海水に載せて散布することができる装置です。
  なお、この装置は放水銃としても使用でき、その放水能力は、最大で毎分約400L/Hと
 なっております。


放水銃(ポリマー及びゲル泡薬剤放射及び放水が可能)


  

     ゲル泡(メガフォームAGF-3)      ポリマー(インバイバービーズ)


3.粉末ゲル化剤散布装置
  この散布装置は、エゼクター効果(主ホースの途中に小枝状の
ホースがつながっていて、
 主ホース内を圧縮空気等が高速で通過しているとき、小枝ホースから
 粉末、液体等を主ホース内に吸い込む効果)を利用して、容器からゲル
 化剤を吸引して圧縮空気の力により粉末 ゲル化剤を散布する散布装
 置です。
  主に陸上での流出の際や、船上に流出し凹部に溜まった軽質油等に
 対してそれを固めて回収するために使用します。
  また、これらは放射時に静電気を発生する可能性もあり、ガス検知器
 や引火・爆発の危険を十分に考慮し対応する必要があります。
Posted by m100055 at 17:42 | 関連する成果物 | この記事のURL