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『有害危険物質防除用資機材 その4』 [2007年09月27日(Thu)]

 前々回の『有害危険物質防除用資機材 その3』(泡消火剤、ポリマー、放水銃)に引き続き、
今回は、19年度の日本財団からの助成により整備された有害危険物質(HNS)用の防除資機
材のうち、HNS流出事故現場に急行したセンター職員等が実施する防除措置に使用する資機
材のうち、回収装置等について特徴等を紹介します。

1.回収作業等の概要
  前回のブログにも記載しましたが、HNS流出事故現場が港内あるいは沿岸付近であり、流出
 し海面上を浮遊しているHNS物質から有害な蒸気ガスが大量に発生しており、付近に人家、
 マリーナ、工場等があるなど周辺環境を及ぼすおそれがある場合は、泡消火剤(ゲル泡)を放
 射し、蒸気ガスの発生を抑制し、そのうえ安全が確認された状況下において、オイルフェンスに
 よる包囲・揚収が可能な場合には、黒もの油の場合と同様、流出したHNSをオイルフェンスで集
 め、ポリマーあるいはゲル化剤などで吸収・固形化し蒸気ガスの発生を抑制したうえで回収し
 ます。

回収作業の様子(写真は訓練風景)


2.回収装置等の種類
  今回、センターが調達する回収装置等の概要は、次のとおりです。
 (1) 集油用オイルフェンス及び同用アウトリガー
   この装置は、HNS事故現場で海面上に広がったHNSを集めるための装置であり、このオイ
  ルフェンスはポリエステル補強塩ビ引布製、長さ20m(3分割タイプ)、水面下スカート部約
  40cm、現場で空気を充填して使用する方式であり、アウトリガーは長さ7mの突き出し棒で
  す。これらが一体となって作業船舷側に取り付けられ、作業船がゆっくりとした速度(約1
  km/h)で走り回りながら、海面で固形化したHNSを集めます。

日本財団助成により調達したアウトリガータイプ充気式オイルフェンス(ブリヂストン社製)



 (2) 小型回収装置(FOILEX MINI SKIMMER)
   この回収装置は、洋上部分(スキマーヘッド)と船上部分(バキュームポンプ)から構成され
  ていて、(1)のオイルフェンスにより集められるHNSを海水とともに洋上のスキマーヘッド部で
  吸い取り、船上にある回収用ドラム缶に回収します。

 スキマーヘッド              バキュームポンプ
Posted by m100055 at 18:53 | 関連する成果物 | この記事のURL
海上防災の充実のための巡回研修会! [2007年09月20日(Thu)]

平成19年度第3、4回目を釧路と境港で相次いで実施

 船舶の海難事故等により海上に油や有害危険物質が排出された場合、これらの防除
活動を的確に行うため、その地域に即した防除措置を指導する必要があることから、当セ
ンターでは、日本財団からの助成を受け、講師を全国各地に派遣して防除技術等に関す
る巡回研修会を毎年、開催しています。
 19年度の巡回研修会は、第1回目を秋田県船川港で、第2回目を金沢港で実施し、
8月末になり28日に第3回目を北海道の釧路港で、30日に第4回目を鳥取県の境港港
で相次いで開催しました。


巡回研修会での受付状況(釧路)

 北海道釧路港での巡回研修会は、「くしろ水産センターマリン・トポスくしろ」の会議室に
北海道東部地区排出油等防除協議会会員を中心に約70名の参加を集め実施しました。
同港湾は北海道東部の最重要港湾であり、燃料油、暖房油のほか有害危険物質(以下
「HNS」という。)も荷揚げされていることから、研修会では、これらの油やHNSが流出し
た場合の防除措置について萩原防災部長代理から講演を実施しました。
 講演の内容は、流出油事故対応の基礎知識である「油の性状と経時変化、油処理剤の
メカニズム・使用方法、オイルフェンスの使用方法等」のほか、「今年4月から規制されるこ
とになった有害危険物質(ケミカル類等、以下「HNS」という。)の防除手法」についての説
明も事故事例を交え分かりやすく説明しました。

  

真剣に講義を聞き入る参加者(釧路)     萩原部長代理による説明(釧路)  

 鳥取県境港港での巡回講習会は、境海上保安部2階会議室で実施されましたが、講習
会当日は、低気圧の接近で早朝から荒天となったことから、講習への参加者は予定より大
幅に少なく17名に対する講習会となりました。境港港は、山陰地方で最大漁港であり、燃
料油であるA重油、軽油等の取扱いが多いことから、一般的な油の流出事故への対応に
重点をおき、流出油事故対応の基礎知識、油の性状と経時変化、油処理剤のメカニズム
等について、萩原防災部長代理から流暢な関西弁で分かりやすく丁寧に説明が行われま
した。


講習会の状況(境港)

 これら2ヶ所での研修は、境港港での研修が荒天で研修参加者が大幅に少なくなったも
のの、研修に参加できた方には、自分のこととして捉え大変興味を持って参加していただき
ました。
 今回の研修会について、参加者に感想を聞いてみましたら、
@「興味深く、資料としてもとても分かりやすい話でした。今度は、境港の地域特性を踏まえ
て、想定される事故への対応についてポイントを教えてほしい。」、A「自治体等関係機関が
正しい知識を持ち、一体となって防除活動に取り組むことが必要と感じた。」、B「大変勉強
になりました。改めて知識として吸収できる事もありました。これまでの研修と違い参考にな
りました。」、C「映像と話術のお蔭で、とても楽しく災害防止の中身を勉強でき、災害対応を
再認識しました。」、D「対応事例等大変参考になり、有意義でした。」等々の回答があり、
参加者のほとんどの方に満足をいただき成功裏に終了しました。
Posted by m100055 at 13:23 | 関連する成果物 | この記事のURL
『有害危険物質防除用資機材 その3』 [2007年09月04日(Tue)]

 前回のブログ(検知・採水資機材)に引き続き、今回は、19年度の日本財団からの助成に
より整備された有害危険物質(HNS)用の防除資機材のうち、HNS流出事故現場に急行し
たセンター職員等が実施する防除措置に使用する資機材のうち、泡消火剤(ゲル泡)、吸収
性ポリマー及び放水銃について特徴等を紹介します。

1.蒸発抑制など作業の概要
  HNS流出事故現場が港内あるいは沿岸付近であり、流出し海面上を浮遊しているHNS
 物質から有害な蒸気ガスが大量に発生しており、付近に人家、マリーナ、工場等があるな
 ど周辺環境を及ぼすおそれがある場合は、泡消火剤(ゲル泡)を放射し、蒸気ガスの発生
 を抑制します。
  また、オイルフェンスによる包囲・揚収が可能な場合には、黒もの油の場合と同様、流出
 したHNSをオイルフェンスで集め、ポリマーあるいはゲル化剤などで吸収・固形化し蒸気ガ
 スの発生を抑制したうえで回収します。
  一方、沖合い海上にHNSが流出し、周辺に大きな影響がないなどの場合は、現場の状
 況から判断し、蒸発促進のための放水作業を行います。

  

   ゲル泡の放射             ポリマーによるキシレンの固形化


2.吸収性ポリマー及びゲル泡等散布装置(放水銃兼用)
  この装置は、HNSの流出事故が発生したとき、効果的に防除措置が実施できるようにす
 ることを目的に日本財団からの助成を受け、当センターと宮田工業鰍ェ共同で開発した装
 置であり、流出したHNSのベーパー(蒸発ガス)を抑えるため、ゲル泡原液を放水銃側面吸
 引部から取り込み、放水する海水に載せてゲル泡を放射し、流出したHNS物質を覆います。
  また、HNS物質を吸収・固形化するための吸収性ポリマーを放水銃上部の投入用ホッ
 パーから吸引し、同様に放水する海水に載せて散布することができる装置です。
  なお、この装置は放水銃としても使用でき、その放水能力は、最大で毎分約400L/Hと
 なっております。


放水銃(ポリマー及びゲル泡薬剤放射及び放水が可能)


  

     ゲル泡(メガフォームAGF-3)      ポリマー(インバイバービーズ)


3.粉末ゲル化剤散布装置
  この散布装置は、エゼクター効果(主ホースの途中に小枝状の
ホースがつながっていて、
 主ホース内を圧縮空気等が高速で通過しているとき、小枝ホースから
 粉末、液体等を主ホース内に吸い込む効果)を利用して、容器からゲル
 化剤を吸引して圧縮空気の力により粉末 ゲル化剤を散布する散布装
 置です。
  主に陸上での流出の際や、船上に流出し凹部に溜まった軽質油等に
 対してそれを固めて回収するために使用します。
  また、これらは放射時に静電気を発生する可能性もあり、ガス検知器
 や引火・爆発の危険を十分に考慮し対応する必要があります。
Posted by m100055 at 17:42 | 関連する成果物 | この記事のURL
『有害危険物質防除用資機材 その2』 [2007年08月20日(Mon)]

 前回に引き続き、今回は、19年度の日本財団からの助成により整備された有害危険物質
(HNS)用の防除資機材のうち、HNS流出現場に急行したセンター職員等が直ちに実施する
検知・採水作業に使用する資機材について特徴等を紹介します。

1.検知・採水作業の概要
  HNSが流出している現場は、人体に非常に有害なものや引火点が低く発火、爆発の危
 険性が高いガスが発生している可能性がありますので、HNSが気化している場合は、前
 回紹介した作業用防護具を装着した作業員がその濃度を検知器で測定しつつ事故現場
 に接近して、そのデータにより危険/安全区域を設定したり具体的な防除措置を遂行しま
 す。また、HNSが水溶性の場合は、現場付近の定点で海水を定期的に採水し、現場付近
 の海水汚染状況の推移を記録します。


(現場でのサンプリング状況)


2.検知・採水機器の種類
  今回、センターが調達する検知・採水資機材の概要は、次のとおりです。
 (1) ガス検知器(理研計器GX−2001)
    この検知器は、HNSが流出した現場において、炭化水素ガスなどの可燃性ガスや
   酸素の濃度を測定する検知器であり、可燃性ガスのLEL(爆発下限界:ガス濃度が
   低く、それ以下では引火、爆発しない限界濃度)等や空気中の酸素濃度を測定する
   ことが出来ます。

(遠隔採取管及び吸引ポンプ)           (GX-2001本体)   


 (2) 有害ガス検知器(北川式ガス測定キット)
    この検知器は、HNSが流出した現場において、極めて低い濃度で人体に被害を与
   える有毒ガスを測定するもので、化学反応を応用した検知管(特定のガスが検知でき
   る管(式の測定器となっており、ガスにより鋭敏に変色する薬品(検知剤)をガラス細
   管に詰めた検知管とガスを検知管に通気させるためのガス採取器(吸引ポンプ)とで
   構成されています。

(収納ケース及び付属品等一式)


(北川式測定器本体)
      

 (3) 海水サンプリング資機材
    この資機材は、海域において一定の深さでHNSを含む海水を適切に採水できる装
   置であり、HNSが流出した現場において、水溶性の物質が溶け込んだ海水を現場付
   近の特定の場所で定期的な採水を行い、海水汚染の推移を測定することに活用しま
   す。


3.(参考)北川式ガス検知器の歴史
  この検知器は、1946年(昭和21年)当時、食糧増産のための肥料(硫安)製造過程での品
 質管理のため、北川博士(商工省東京工業試験所)が硫化水素濃度を測定する方法として
 考案したもので、検知管を使用して現場測定に適した工程管理簡易分析法として確立、翌
 年には工業化され、現在に至るまでガスの検知に幅広く活用されています。
  基本的な構造は、固体粒状物質(シリカゲル等)の表面にガスと反応する薬剤を吸着させ
 てガス検知剤を作成し、これをガラス細管に充填したもので、この管にガスを通気すると通
 気方向に反応着色層が伸張することでガス検知する構造になっています。
  特異な検知管としては、「温泉法」による酸性泉浴室内中毒防止用硫化水素検知管、「道
 路交通法」に基づく飲酒運転防止を目的にした検知管などのほか、新築住宅のホルムア
 ルデヒドによるアレルギー予防のための低濃度測定検知管なども実用化されています。
                   参考文献「有害ガス測定ハンドブック」発行者光明理化学工業株式会社
Posted by m100055 at 17:57 | 関連する成果物 | この記事のURL
『有害危険物質防除用資機材』 [2007年08月06日(Mon)]

 当センターでは、19年度の日本財団からの助成による有害危険物質(HNS)の防除体制
の整備を進めており、防除資機材についても4月に入札作業を終えて、そろそろ各基地に配
備が開始されましたので、この機会にこれらの防除資機材のうち作業用防護具について特
徴等を紹介します。

1.作業用防護具の構成
  作業用防護具は、汚染現場で身体を保護するため装着して利用するもので、作業用防護
 服、その中で体温上昇を抑えるクーリングベスト、新鮮な空気を補給する自蔵式空気呼吸器
 と空気ボンベ、防毒マスク、化学防護長靴・手袋などで構成されています。

2.作業用防護具の種類(レベル)
  作業用保護具を取扱うにあたり重要なことは、作業環境の危険状態、有害物質の種類、
 濃度、身体に対する影響等を勘案して、適切な保護具を選択することです。また、日頃か
 らの保守点検に努め、取扱訓練を定期的に実施することも忘れてはなりません。
  現在、我が国には保護具を選択する明確な基準はありませんが、カナダ環境庁による選
 択基準によれば、危険度の高い方からレベルA、B、C、Dの4段階にわけ、次表のとおり
 選択基準を定めておりますが、これらレベル毎に必要な保護具等の概要は次のとおりです。

 (1) レベルA
    化学製品等の有する有害性に対して身体の保護に関して、最高レベルの性能を確保
   することを想定しており、作業用防護服(レベルA)は、全身を保護するため自蔵式空気
   呼吸器及び空気ボンベも完全に防護服の中に装着するようになっています。

 (2) レベルB
    化学製品の飛沫から身体を保護するよう想定しており、作業用防護服(レベルB)を装
   着し、発生物質の濃度が高く全面的に呼吸器保護が必要な場合に利用する自蔵式空
   気呼吸器及び空気ボンベを背負うこととなっています。

 (3) レベルC
    発生源の物質が分かっており、濃度も十分に低い場合を想定しており、身体の保護に
   は、使い捨ての液体飛沫保護衣(通称タイベックス、レベルC)を着用し、空気浄化式の
   呼吸装置(直結式防毒マスク・吸収缶)等を装着することとなります。

 (4) レベルD
    石油ガス等に対する特別の保護が必要でない場合を想定しており、海岸清掃等の作
   業などでの身体等の最低レベルの保護具です。

 
 

防護服(レベルA)   防護服(レベルB)   防護服(レベルC)



防護服(レベルD)

センター防災訓練所研修所にて実施する海岸清掃実習



3.参 考
  カナダ環境庁の規定する危険度レベル詳細
Posted by m100055 at 19:04 | 関連する成果物 | この記事のURL
海上防災の充実のための巡回研修会 [2007年07月06日(Fri)]

本年度第1回目を秋田・船川港で実施

 当センターでは、日本財団の助成により、例年、海上防災訓練の充実を図るため、全国5ヶ所で巡回講習会を実施しています。

 この巡回講習会は、船舶の海難事故等により海上に油や有害危険物質が排出された場合、その地域に即した防除措置を迅速に行う必要があることから、当センターの派遣講師により油防除技術等に関する研修を全国各地で開催し、各地域における海上防災能力の向上を図ることを目的地しております。



 19年度第1回目、巡回研修会は、秋田県船川港にある秋田火力発電所PR館において、秋田県沿岸流出油等災害対策協議会が主催する「平成19年度秋田県沿岸流出油災害対策協議会総会」に引き続いて行いました。研修参加者は、秋田県庁、秋田市、秋田地方気象台、秋田市消防本部等の関係機関からの参加者と、秋田海陸運送(株)、(株)男鹿テクノ等の契約防災措置実施者をはじめとする関係会社から予定受講者数30名を大幅に上回る計63名が「流出油事故への対応や有害危険物質の防除対応」についての盛りだくさんの研修を受講しました。





 研修の中では、当センターの萩原防災部長代理から「流出油事故対応の基礎知識、油の性状と経時変化、油処理剤のメカニズム・使用方法、オイルフェンスの使用方法等」について、事故事例を交えた分かりやすい説明が行われるとともに、「昨年6月公布された“海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律”の概要と有害危険物質(ケミカル類等、以下「HNS」という。)の防除手法」についての説明が行われました。
 その中で、当センターでは、日本財団の助成によりHNS防除用資機材を整備し、今年10月には全国的な防除体制を構築して、関係の陸上企業やHNSタンカーに対する防除支援等のサービスを事故時だけではなく、平時にも実施することも説明しましたところ、新たに防除措置義務が課せられたHNS関係事業所やHNSタンカー関係者以外の参加者も、HNSが人体への有害性が高く、引火・爆発のおそれもあり大変危険であるため、興味をもって聞き入っていました。





 萩原防災部長代理からのいつもながらの楽しい流暢な関西弁での約1時間半の研修会も参加者が時間を忘れるなかで幕を閉じましたが、参加者に感想を聞いたところ、
@「分かりやすい説明で楽しい聞くことができた。」、A「秋田にも有害危険物質の防除資機材が配置されるとのこと、事故対応に活用でき一安心だ。」、B「油事故のことや有害危険物質のことが分かりやすく説明いただき、何を先ずやるべきかなど聞けて安心した。」、C「HNS関係を扱っているが、センターから支援を受けること考えねば!」等々の回答があり、参加者のほとんどから大変有意義であったとの回答でありました。
Posted by m100055 at 16:10 | 関連する成果物 | この記事のURL
海上防災事業者協会主催セミナーの開催 [2007年06月27日(Wed)]

「HNS(有害危険物質)の新たな規制に係る海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律の改正」及び「HNS防除手法」に関する講演会の開催

 さる6月18日、海上での流出油事故等に対応する事業者等で組織する海上防災事業者協会主催のセミナーがKKRホテル東京(東京都千代田区)において開催されました。今回のセミナーでは、昨年6月公布された「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律」の概要とHNS(有害危険物質:ケミカル類)の防除手法についての講演が行われました。
 改正海防法は今年4月から施行されており、有害危険物質が海上に流出した場合の防除措置義務が新たに規定されたことから、有害危険物質を輸送するタンカー(「HNSタンカー」という。)や同物質を製造、保管等を行う陸上企業(「HNS陸上企業」という。)の関係者の関心が高く、例年以上のセミナー参加者があり百数十名が講演会に参加しました。



 まず、海上保安庁警備救難部環境防災課宮本専門官から「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律の一部改正について」と題して、OPRC−HNS議定書の発効と最近のHNSタンカー事故の多発を受け、同法の改正が行われたこと、その中でHNSタンカーには、海上に流出した有害危険物質の防除措置を行う義務に加え、東京湾、伊勢湾及び瀬戸内海などの船舶交通のふくそうする海域では、HNS防除資機材や防除作業を行う要員を陸上の基地に確保しておくこと等の義務を新たに課すことにしたこと、HNS陸上企業には、新たにタンカー同様の防除措置義務と有害危険物質が海上に流出した場合の緊急措置手引書作成が義務付けられたことが具体的に説明されました。



 次に当センター木本調査研究室長から「HNS防除手法について」と題して、世界各地で発生したHNSタンカーや陸上事業所から有害危険物質が海上に流出した事故事例を挙げて、大きな被害の状況、防除措置の状況や対応上の困難性等の説明がありました。この中で、当センターが日本財団の助成により平成13年から実施してきた有害危険物質の防除手法の調査研究の成果、有害液体物質の防除と油防除の相違点、有害液体物質は人体への有害性が高いのみならず、引火・爆発のおそれもあるため防除に当たる者は消防能力を備えていなければならないことなどの説明がありました。



 当センターでは、既に約160種類の有害危険物質への対応手法等の調査研究を終了しており、これは日本周辺海域でのHNS輸送量の9割を占め、センターでは、今年度内に日本財団の助成を受けて資機材を整備し、全国的な防除体制を構築することについても説明がありました。

 今回、セミナーに参加した人に感想を求めたところ、
@「なぜ海防法が改正されたか、官からの説明で分かり、センター室長の説明で防除の受け皿もあり多少は安心した。」、A「海上における有害危険物質事故への対応が難しいことが油事故対応との比較を聞き分かった。大変だ。」、B「陸上企業だが、外国の港湾での事故対応の話があったが、参考になったというより、心配になった。センターに事前の準備等対応を相談したい。」、C「事故防止には気を付けているが、HNS事故が起きた場合の対応が心配だ。CSRの時代だし、的確な対応ができなければ企業はつぶれる」等々の声がありました。
Posted by m100055 at 18:51 | 関連する成果物 | この記事のURL
有害危険物質(HNS)の防除手法について講演 [2007年06月12日(Tue)]

 千葉県の東京湾沿岸は、日本を代表する石油工場、化学工場が多数あり有害危険物質(ケミカル類等)が大量に生産される石油コンビナートとなっております。このため、これらの工場から過って油や化学物質が流出した場合、地域全体が連携して適切に防除を行っていくことが重要であることから、千葉県排出油防除協議会により海上災害の防止対策が推進されています。
 同協議会の平成19年度定例総会は、さる6月7日午後、千葉県庁会議室で実施されました。議題には、昨年6月に海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律の改正によって、流出した有害危険物質の防除措置義務が新たに課せられたことを受け、大変危険で有害な物質である有害危険物質を取り扱う関係者によるHNS部会を設置することなどが取り上げられ、承認後、HNS部会の勉強会が開催され活発な意見交換が行われるなど現場での有害危険物質の防除対策への関心の高さが見られました。

{
     
}


 この総会後の講演会では、有害危険物質の防除措置に関する権威である当センター防災部の萩原部長代理が「HNS防除手法について」講演を約70名の関係者等に対して1時間ほど行いました。
 講演の中で、萩原部長代理は、これまでの実戦経験と日本財団の助成による当センターの調査研究の成果を踏まえ、有害危険物質が流出した時の国や市町村と企業や船舶所有者等の役割分担、作業に従事する職員の安全確保が一番重要であることなど危機管理の優先順位、事案を把握し、初期活動から被害極限までの戦略、戦術を将棋になぞらえてのユモアあふれる説明、そして、有害で危険な物質を製造・運搬する企業の社会的責任にも話がおよび、事前の準備体制の確立や平素からの訓練の実施が重要であるという内容には真剣に聞き入っていました。
 特に、コンビナートのように石油・化学工場が林立するところでは、1つの工場の事故が海上では多数の工場に被害・影響が及ぶことになるので、周辺工場だけでなくその地区全体で連携した準備体制を構築することが大事であるとの話に関係者納得といったところでした。




 このように石油・化学企業が多い地区に対して、当センターでは「海上災害セーフティ・サービス(仮称)(有料)」を展開することとしており、その中で、平時には事故対応の事前準備、訓練支援を、事故発生時には日本財団の助成で整備した防除資機材等を駆使して的確な防除措置の実施を行うこととしていることも説明しました。

 今回、参加した聴講者に感想を求めたところ、
 @「実戦を踏まえた講演であり、これからの自社の防除体制だけではなく、地域全体として連携した対応が重要であることがよく理解できた。」、A「海上における有害危険物質の流出事故への対応が陸上より大変なことが分かった。事前に地域の状況をよく理解しておくことが重要ですねー。」、B「今回の海防法改正では、資機材等の内容が示されないので、どうすればいいのかと考えていたが、CSRを考えれば、先生の言われるとおり、自らも多少なりと資機材を準備したり、センターの支援も受ける必要であると思った。」、C「将棋の例えなどもあり、楽しくの講演でした。その中でいろいろ貴重な話を聞け、寝る暇がなかった。」等々多くの意見を得ました。

 当センターでは、日本財団の助成で整備した資機材等を活用して、陸上企業向けの「海上災害セーフティ・サービス」やケミカルタンカー向けの「HNS資機材・要員確保等サービス」を構築して、全国的な有害危険物質事故に係る海上防災体制の更なる充実強化に寄与するとともに、有害危険物質等事故に適切に対応して行きたいと考えております。
Posted by m100055 at 14:59 | 関連する成果物 | この記事のURL
有害危険物質(HNS)等の防除訓練を実施 [2007年05月30日(Wed)]

 (独)海上災害防止センターでは、全国的な海上防災体制の充実強化のため、日本財団の助成をいただき、全国的な海上防災体制の充実強化のため、排出油等防除訓練を5月21日から5日間にわたり横須賀の防災訓練所で実施しました。
 この訓練では、全国各地の防災事業者から派遣された28名の研修生に対して、大規模な油や有害危険物質(ケミカル類等)の海洋への流出事故における防除措置等について訓練を行い、現場対応要員の中核となる、高度な技能を有する人材を養成することを目的としています。


 このため、訓練では、実際に油火災を消火したり、防護服や呼吸具を装着して煙の中への突入、洋上での油回収装置の運用など実践的な防除作業を研修することはもちろん、現場における防除戦略や具体的な防除戦術など理論的な部分についても講義が行われました。
 特に、昨年6月の海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律の改正に伴い、有害危険物質を海洋に流出した場合の防除措置等が強化されたことから、有害危険物質の防除措置として、有毒及び可燃性ガスの検知、化学防護服の装着、泡や粉末ゲル化剤等による蒸発抑制及び流出物の固化・回収などの具体的な対応訓練や、有害危険物質事故のケーススタディーも行いました。




 この排出油等防除訓練は、日本財団の助成をいただき東京湾のほぼ中央に位置する第二海堡に建設された大規模な火災消火や模擬船室作業などの訓練が実施できる本格的な防災演習場を使用して、平成8年から実際の油防除、火災消火などの現場に直結した訓練も実施しており、防災関係者には大変人気のある訓練であります。
 今回、参加した研修生に感想を求めたところ、「地方では訓練できない内容の訓練であり、いい勉強になった。」、「経験したことがない訓練内容であり非常にためになった。」、「実戦的訓練であり、2度目の横須賀での訓練であるが、何度来ても為になる。」、「新しい有害危険物質についての訓練は、人体に非常に有害で爆発の危険性が高い物質であるので現場で為になる。」等々多くの意見を得ました。
 当センターでは、今後とも排出油等防除訓練の内容の充実を図り、全国的な海上防災体制の更なる充実強化に寄与するとともに、今年10月からは、日本財団の助成で整備した資機材を全国各地に配備し、これらの研修生の所属する防災事業者と連携した事故対応支援ネットワークにより、有害危険物質等事故に適切に対応して行きたいと考えております。

            
Posted by m100055 at 13:30 | 関連する成果物 | この記事のURL
有害危険物質(HNS)の流出事故対応システムについて [2007年05月16日(Wed)]

 有害危険物質(HNS)は、人体に非常に有害で爆発の危険性が高い物質が多いため、もしも、HNSタンカーの衝突事故やHNSを取り扱う海に面した工場で事故があったときには、有害危険物が流出して海面上に広がり、大気や海水を汚染し、私達人間や魚等の生物に大きな被害を与える恐れがあります。
 このため、(独)海上災害防止センターでは、これまでに日本財団から助成をいただき実施してきた有害危険物の防除手法の研究や、民間の事業者とともに主に黒もの油の防除のために構築してきた全国的な防除システムをもとに、今回、更に日本財団から助成をいただき、HNS等事故対応支援ネットワークを構築し、センターと契約を結んだ防災措置を実施する事業者との間で日頃から迅速、正確な意思疎通を図り、HNS事故に的確に対応を行うことしております。(概要図参照)



 この図にもありますように、事故の情報(要請)がタンカー等からセンター本部に入った場合、直ちに、センター(図では、「MDPC])があらかじめ契約している事故現場付近の事業者(図では、「契防者」)に通報、その連絡を受けた事業者の船が現場に急行して、ガス検知を行うなど事故現場の状況を調査し、初期の防除作業を実施し、その後に排出された有害危険物の蒸発抑制、ゲル化・回収等の本格的な防除作業を行うことになります。
 具体的は防除作業の状況は、写真にあります「危険区域設定/ガス検知」、「泡・蒸発抑制/ゲル化・回収」、「放水による蒸発促進」、「消火活動」、「海水サンプリング」となり、非常に危険な物質への対応であるため、専門の知識・技能を有する要員によりこれらの作業が行われます。
 実際の防除作業では、HNS事故対応支援ネットワークによって、センターから現場にこれまで調査研究で蓄積してきた有害危険物質のデータ・ベース、対応手法等に基づいた対応手法を指示し直ちに応急措置が行われるとともに、センターから専門の職員を派遣しその後の防除作業が行われます。また、現場ではネットワーク中の有害危険物質の拡散シミュレーションが活用され危険範囲を確認しながら安全な作業が適切に実施されていくことになります。
Posted by m100055 at 10:58 | 関連する成果物 | この記事のURL