告知はいつがいいと思いますか? [2022年02月24日(Thu)]
「告知はいつがいいと思いますか?」と質問されることがよくあります。
答えは 「その子によって異なります」です。 よく、 「いい状態の時」と言いますし、本当にその通りなのですが、 「いい状態」がなかなか見えないお子さんがいらっしゃるのも事実です。 そして、「いい状態」よりも、本人が質問をしてきたときは「良い時期」なのだと思います。
プリズムでも告知は行いますが、その多くは10歳前後です。 まずは、「その子にとって大事なこと」だけ伝えます。 なので、「その子によって」伝えることは違います。
必ず行うのは長所の確認です。 自分の長所を本人に書かせ、 プリズムの担当職員も長所をあげ、 保護者の方にもあらかじめ長所を書いてきてもらいます。
その長所の中には、ASDやADHDの特性から来るものもあり、特性を長所として伝えることで、特性を受け入れていく素地を作ります。 短所から伝えると、「特性=短所」のイメージになってしまうため、 ここでは短所について触れません。
告知をして、すぐに何かが変わることはありません。 ただ、本人が疑問に思った時に、自分のことの質問をしてきてくれるようになります。 本人が特性を受け入れるのにも段階があります。 「こんな自分が嫌だ!なんで俺は・・・」という拒否の時期もあれば 「どうせ、特性があるからできない」というあきらめの時期もあれば、 「なんとか特性と付き合っていこう」という前向きな時もあります。
だからこそ、思春期に入って、家族に相談するのが難しくなる前に、 自分についての会話が保護者やプリズムでできるようになるといいな。となるため、10歳前後にお伝えするケースが多くなります。
年齢が早すぎると、秘密の概念が安定せず、周りに言ってしまうことも考えられます。 ただ、ここもいろんなケースがあるんだな。と思うのが、 自分が発達障害であることを、思わず友達に伝えてしまったというケースをいくつか知っていますが、それで仲間外れにされたり、馬鹿にされたりしたケースを知りません。 (世の中にはあるのかもしれませんが・・・) それでも友達と普通に遊んでいます。むしろ、もっと仲良くなっていると思います。 それは、大好きな友達だからこそ、特性も受け入れてもらいたいという、告白に近い感覚なのかもしれません。
ASD(自閉症スペクトラム)とADHD(注意欠如/多動性障害)とLD(特異的学習障害)を全て持っている子には、 まずは、ASDの話だけをします。 一気に言うと、キャパオーバーになってしまうので、 後藤が告知をするときには、1つだけとしています。 (あくまでも基本的に。本人が「自分はADHDじゃないか?」と聞いてきたら、教えることもあります) その後、相談できるようになってから、ADHDやLDの攻略を一緒に考えます。
どのように生きていくのかを決めるのは自分ですもの。 自分を知る手がかりの一つにはなるかと思います。
利用終了した子たちも、数年後に相談に来てくれることがあります。 特性を踏まえた上でのアドバイスを聞きたいという彼らを見ていると、 「自分の特性について相談できる」というのは強みの一つだな。と思います。
「特性があっても自分らしく」と思えるよう、これからもサポートしていきたいと思います。
まほろ
|
Posted by
サポートネット
at 13:52