LD・ADHD等の心理的疑似体験プログラムA [2023年12月14日(Thu)]
先月に引き続き、宮城学院女子大学の梅田真理先生をお迎えしての職員研修がありました。 「LD・ADHD等の心理的疑似体験プログラム」 子ども達が困難さゆえに感じている苛立ちや不安等を心理的に疑似体験することがこの研修のねらいです。

今回は、C聞く D話す E不器用さ この3つの疑似体験をしました。
C聞く 〜教室でのひとコマ〜 日直の挨拶や先生が話している時、落ちている消しゴムや黒板横にある水槽の音が気になってしまい、情報を聞き逃してしまう太郎さん。 怒られていることだけは分かっても、どうして怒られているか分からない。こんなことが実際にあるんだと非常に衝撃を受け、太郎さんがとてもかわいそうでなりませんでした。
教室内は掲示物など、たくさんの物や音で溢れています。水槽を教室の後ろや廊下へ移動する、黒板横の掲示物や道具を厳選して置く等、刺激を減らして環境調整をすることが大切だと分かりました。
また、先生が太郎さんを日頃から叱っているからか、クラスメイトが太郎さんを見る目はとても冷ややかでした。 「着席」の指示を聞き逃し、一人だけ立っている太郎さんに対して、「太郎さん!!」と声を荒げるのではなく、「どうしたの?」と優しく聞いてあげたら、太郎さんは落ちている消しゴムのことを伝え、ありがとうと言われたかもしれません。
先生の態度や声がけの仕方が子どもに与える影響はとても大きいのですね。 クラス全体の雰囲気が変わり、太郎さんの自尊心が守られるためにも、先生への理解を図り周知してもらうことはとても大切なことなのだと感じました。
もう一つ、本筋と関係ない指示が多かったり、複雑な説明だと、何のことか理解できず、確信がもてないと不安で挙手できない体験もしました。
大人はたくさんのことを子どもに無意識に要求してしまいますが、 「何をさせたいのかをよく考えること」 それをさせるために省いてもいい要求があればなくしていくこと、 間違えても受入れられたという体験をさせることが大切だとのことでした。
D話す 複雑な図形を見せずに言葉だけで伝えること、外来語を一切使わずに説明をすることなどを行い、どう伝えたらいいのか迷い、言葉につまる体験をしました。 言いたいのに言えない、周りに分かってもらえない、言葉がうまく出てこない感覚、もどかしさ、これはかなりのストレスだと感じました。
頭の中で考えたことを思いつくままに話しても、相手には伝わりにくいとのことです。 言葉だけで伝えることが困難な時、ジェスチャーや図など、視覚的なアプローチも交えると相手に伝わりやすく、「分かってもらえた」という喜びにつながるのですね。
E不器用さ 鉛筆の端をつまんで板書を視写する体験や、利き手の逆で鉛筆を持って迷路に挑戦しました。 うまく書けないと書くことに集中しすぎるせいで、板書の文章を覚えられず、何度も何度も文章を見ざるを得ませんでした。 作業中に声をかけられたり先生が様子を見に来ることもとてもプレッシャーでした。
精神的努力を要する課題は人一倍エネルギーを使うので、雑にやったり課題自体を避けてしまいがちだとのこと。 できたできないと結果だけを見るのではなく、取り組んだこと、頑張ったことを褒めることが大切だとのことでした。
職員の感想は ・一人一人に合った環境調整をする必要性を改めて感じた ・こういう子にはどうしたらいいか考えるきっかけになった ・太郎さんのように静かに困っている子に気付く支援者がもっと増えてほしい ・みんな同じように、というやり方が変わっていくといい など
発達障害に限らず、「この苦しさ、辛さは経験した人でなければ決して分からない」という言葉をよく耳にしますが、 今回この2回のプログラムを体験しなければ、発達の特性による困難さがどれだけ大変なことか、分からなかったと思います。
「また怒られた」「またできなかった」という体験でなく、 「できた」「楽しかった」「褒められた」「自分が好き」という体験を子ども達が積み重ねていけるような支援が、多くの方々や場所へと浸透していくといいなと感じました

太田
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Posted by
サポートネット
at 13:08