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私の世界とみんなの世界 [2023年03月31日(Fri)]
今年度の最終日。虹っ子から16名のお子さんが巣立っていきました。
みんなの未来が明るいものでありますようにと願うばかりです。
今回は、その卒園児さんの中から、ピーチさんとの出会いから別れまでについて書きたいと思います。

ピーチさん(4歳)に出会ったのは、1年半前のこと。
事前に情報を得ていたものの、彼女の不安の強さ、他者を寄せつけない雰囲気は、これまで出会った子たちとは一線を画していました。

ピーチさんは、母にしがみつくように抱っこし、泣きながら苦しさを訴える。その泣き声は、周囲の空気をも重くしてしまうほどで、彼女のこの世界での生きづらさをあらわしているようでした。

少数派の中のさらに少数派。
ピーチさんにとってみんなの当たり前は、苦痛を伴うこと。まだ幼くて必要な支援を得られずに、混とんとした世界にいるピーチさんが気の毒でなりませんでした。

支援者の私に何ができるか。
初めのうちは、睡眠の乱れから虹っ子に来ることもままならなかったので、お母さんとメールでやりとりし、ピーチさんの生活でうまくいっていないところに手を加えていきました。

「まだ理解できない」という推測から、取り入れられていなかったスケジュールづくりに着手。ここですぐに変化が生まれました。母からボードに写真でその日の予定を示してもらったピーチさんは、知りたいときにそのボードを自ら持ってきて、母に渡すようになりました。
それを聞いた私には、
「今日は何するの?教えて」
というピーチさんの声が、頭の中で聞こえたように感じました。

少しずつ調子を取り戻していく中で、虹っ子を再開。
母に抱っこすることは変わりなかったですが、下りて遊ぶ姿も見られるように。
とはいえ、ふとした瞬間に泣きだす。なかなか泣き止まない。その繰り返し。

ピーチさんをよく見て、どのようなときに泣くのか、うまくいかないのか、お母さんと他機関での様子も聞きとりながら、やるべきことを考えていく。次第に、課題にも取り組めるようになり、ピーチさんと私の関係ができました。「牛歩」という表現がぴったりであるほど、ピーチさんの世界に私が近づくには、時間がかかってしまいました。

ピーチさんの笑顔を間近で見せてもらえるようになったころ、今年度いっぱいで卒園していくピーチさんに私ができることは、「母との分離」であると判断しました。

先の見通しがあれば、ピーチさんはできる。
タイムタイマーで母が戻る時間を示し、分離をはじめました。もちろん泣きます。
でも、それも回を経るごとに短くなり、最後は、
「早くママ行っておいで」
と言わんばかりに、母から離れる姿まで見られるように変化しました。あんなに泣いていたのが、懐かしく思えるほどでした。

ピーチさんの世界はみんなと違う。
でも、2つの世界を近づけることはできる。
そのために、大人はできることを諦めてはいけない。それを改めてピーチさんに教えられました。

とびっきりの笑顔でお別れすることができたことは、私にとって宝物の一つ。
ピーチさん、これからもいっぱい遊んで、大きくなあれ!

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むらぬし
Posted by サポートネット at 18:30
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