1人で乗る美学 [2017年12月18日(Mon)]
タリス君の趣味の1つに「電車に1人で乗る」があります。 電車が昔から大好きで、中学になる時に「1人で地下鉄に乗って虹っ子(とプリズム)に来る」という目標を立てたことをきっかけに、1人で乗ることができるようになりました。 プリズムの日に、お母さんが車で来所しても、タリス君は1人で地下鉄に乗って来ますし、1人で帰っていきます。
人と一緒に乗るのが嫌なのかを聞いたところ
「嫌じゃないけど、1人で乗れるから」
ということで、自分1人でできることを誇らしく思っていることが伝わってきます。
さて、学校の校外学習。 みんなで地下鉄に乗ってお出かけをするそうで、
タリス「1人で乗りたいので、現地(の駅)集合がいいです。あと、帰りも泉中央に行くので現地解散でお願いします」
と学校の先生に訴えていました。 1人で地下鉄に乗れるといえども、解散後に泉中央に行くというのを学校がOKするのはなかなか難しい。 ただ、泉中央のお店に行きたいわけではなく、タリス君は「駅の雰囲気を味わいたい」だけです。 どうしたらいいものか・・・。
というお話をお母さんから聞いたので、タリス君と話しあってみることにしました。
まほろ「ねぇ、校外学習の帰りに泉中央に行きたいんだって?」 タリス「うん。駅を見るだけ、ちょっとだよ」 まほろ「うん。いいよねぇ。趣味を楽しんでる。誰にも迷惑かけてない!素晴らしい!しかし、1つ問題があります・・・それは、寄り道になってしまいます。寄り道は、補導対象者になります。私はタリス君が補導されたらいやだなぁ」 タリス「ちょっとだけだよ。大丈夫でしょ」 まほろ「寄り道をする人って、ちょっとだけって思っていると思うよ。中学校の制服のまま、目的もなくウロウロしていたら、補導員に声掛けられるかもしれないよね」 タリス「じゃ、校外学習行くのやめようかなぁ・・・」 まほろ「それも、1つの選択肢だよね。休むか、寄り道をしないか・・・でもね、趣味を大事にしてほしいので、提案があります。土・日に行くというのは、寄り道にならないからいいと思うよ」 タリス「じゃ、今から行ってもいいの?」 まほろ「お母さんがいいよ。って言えば、今日行ってもいいと思います」 タリス「ふーん」
しばし考えていたタリス君。 さて、どうするのかなぁ・・・・と思っていたら、後日、お母さんから連絡があり
「おかげさまで、寄り道する事なく、帰ってきて、学校にも帰宅の電話報告ができた様です」とのこと。
話しあった時に、気持ちが乱れず最後まで聞いてくれたことも嬉しかったのですが、タリスくんが提案を受け入れ、無事校外学習に参加できたということも嬉しく思いました。
ちなみに、タリス君は褒められるのも得意ではありません。 「やりたくない!これやったら、お母さんに褒められちゃうかもしれない・・・・」 というセリフも時々出てくるので・・・・来所したときに
まほろ「寄り道しないで帰ってくることができたって聞いたよ。良かった♪補導されなかった、安心した。提案聞いてくれてありがとう」 と伝えたところ、 タリス「今度のスポーツ大会はバスで行くよ。朝早いから。スーツの人とかと一緒にならぶかもしれない」 と教えてくれました。 すでに気持ちは次のお出かけに向いています。
そして、また後日談。 プリズムの同じグループのみんなと、新拠点の場所確認で地下鉄に乗ることになったときも 「旭ヶ丘駅集合でもいいですか?」と。 それは問題がないのですが、念の為に聞いてみました。 まほろ「新しい場所を見に行ったら、もう帰るだけだよ?地下鉄の中が楽しいと思うのですが、一緒に帰りませんか?」
と提案したところ
タリス「僕のことは気にしなくていいです。一人で大丈夫ですから」
はい。一人で乗るのが本当に好きなのですね。 ホームでもあえて離れたところに立っていて、なんでもみんなより一本遅い地下鉄に乗って帰るのだそうです。 自分の好きなことを余暇として大切にしてほしいので、それも承諾しました。
タリス君が一人になりたいのは、乗り物に乗る時だけです。 基本的に、みんなと一緒が好きですし、プリズムの振替もできるだけみんなと一緒がいいと言います。 「1人で乗る美学」を大切に、これからも趣味を謳歌してもらいたいと思います。
まほろ
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Posted by
サポートネット
at 19:26