
オルガン・オーバーホール便り VOL.2[2024年01月27日(Sat)]
パイプの修理作業
プラバホール専属オルガニストの米山麻美さんによる、オーバーホール作業のレポートブログ
VOL.2をお届けします
〜*〜*〜*〜*〜
現在ある2498本のパイプは1本1本音の高さや音色が違うため、パイプの長さや形状も異なります。
一番長いパイプは直径約28cm、重さ120s 長さ約6m。
一番細いパイプは、音が鳴る部分が6mm、紙パックジュースに付いているストローよりも細いものまであります。
パイプは音が鳴る「胴」とそれを支える「足」、音を造り出す「ケルン(核)」と「歌口」から出来ています。パイプの名称は人間の体と同じ名前を持っているのがおもしろいところです
今回のレポートでは正面のタワーに設置されている足鍵盤のパイプの修理をご紹介しましょう

足鍵盤のパイプで2番目に長いパイプは、「足」と呼ばれる部分が長年の自重でバナナのように曲がってしまっていました。このままでは送られた風が歌口に届きにくく発音や音量に影響してしまいます。

そこで先ずパイプの足と胴をのこぎりで注意深く切り離します。
足と胴の間には「ケルン」と呼ばれる金属の薄い板が入っていて、歌口と微妙な隙間があり、足元から送られて風がその隙間を通り歌口のこれまた微妙な角度の隙間を抜けて胴に流れ込み、音を鳴らします。

胴のゆがみ、へこみを直しているところ。足場の鉄骨に道具を組み合わせています。
さて、、、
曲がった「足」はどうやって直すのでしょう?
それには現地で材料を手に入れる必要が出てきました。

ホームセンターで購入した1本の角材。先ずは削って削って…円錐をめざします

左:かんながけで大汗
右:紙やすりでさらに磨いて、滑らかな円錐形になりました。
完成したら作業しやすいように足場に取り付けて足のゆがみを直していきます。


足のゆがみがどんどんまっすぐに
パイプの胴と足が直ったらハンダで接着していきます。

そして歌口を整えて「耳」もハンダ付けします。この耳は太いパイプにはよく付けられているもので、足元から送られてくる風が広い歌口を通る時に上手く胴へ導く役割をしています。

さぁ、出来上がったらタワーに収めます


4人がかりで元の位置へ。
※パイプに当たらないように、この作業の時にはヘルメットを外しています。

パイプを立てる穴も微調整して直していきます。
パイプ修理の大がかり&細かい作業の一コマでした。
このように一度作られたものも手仕事で直して使っていけるからこそ、オルガンは長い年月鳴り続けることができるのです
次回は現地のオルガニストと一緒に決めていく細やかな作業をご紹介します。
どうぞお楽しみに
to be continued
プラバホール専属オルガニスト
米山麻美
〜*〜*〜*〜*〜
プラバホールで働いている私たちも、こんなに近くでパイプを見ることはなく、、本当に貴重な機会ですね
年が明け、オーバーホール作業も次の段階に。
次回のレポートブログも是非チェックしてくださいね
(平江)
プラバホール専属オルガニストの米山麻美さんによる、オーバーホール作業のレポートブログ

VOL.2をお届けします

〜*〜*〜*〜*〜
現在ある2498本のパイプは1本1本音の高さや音色が違うため、パイプの長さや形状も異なります。
一番長いパイプは直径約28cm、重さ120s 長さ約6m。
一番細いパイプは、音が鳴る部分が6mm、紙パックジュースに付いているストローよりも細いものまであります。
パイプは音が鳴る「胴」とそれを支える「足」、音を造り出す「ケルン(核)」と「歌口」から出来ています。パイプの名称は人間の体と同じ名前を持っているのがおもしろいところです

今回のレポートでは正面のタワーに設置されている足鍵盤のパイプの修理をご紹介しましょう


足鍵盤のパイプで2番目に長いパイプは、「足」と呼ばれる部分が長年の自重でバナナのように曲がってしまっていました。このままでは送られた風が歌口に届きにくく発音や音量に影響してしまいます。

そこで先ずパイプの足と胴をのこぎりで注意深く切り離します。
足と胴の間には「ケルン」と呼ばれる金属の薄い板が入っていて、歌口と微妙な隙間があり、足元から送られて風がその隙間を通り歌口のこれまた微妙な角度の隙間を抜けて胴に流れ込み、音を鳴らします。

胴のゆがみ、へこみを直しているところ。足場の鉄骨に道具を組み合わせています。
さて、、、
曲がった「足」はどうやって直すのでしょう?
それには現地で材料を手に入れる必要が出てきました。

ホームセンターで購入した1本の角材。先ずは削って削って…円錐をめざします


左:かんながけで大汗

右:紙やすりでさらに磨いて、滑らかな円錐形になりました。
完成したら作業しやすいように足場に取り付けて足のゆがみを直していきます。


足のゆがみがどんどんまっすぐに

パイプの胴と足が直ったらハンダで接着していきます。

そして歌口を整えて「耳」もハンダ付けします。この耳は太いパイプにはよく付けられているもので、足元から送られてくる風が広い歌口を通る時に上手く胴へ導く役割をしています。

さぁ、出来上がったらタワーに収めます



4人がかりで元の位置へ。
※パイプに当たらないように、この作業の時にはヘルメットを外しています。

パイプを立てる穴も微調整して直していきます。
パイプ修理の大がかり&細かい作業の一コマでした。
このように一度作られたものも手仕事で直して使っていけるからこそ、オルガンは長い年月鳴り続けることができるのです

次回は現地のオルガニストと一緒に決めていく細やかな作業をご紹介します。
どうぞお楽しみに

to be continued
プラバホール専属オルガニスト
米山麻美
〜*〜*〜*〜*〜
プラバホールで働いている私たちも、こんなに近くでパイプを見ることはなく、、本当に貴重な機会ですね

年が明け、オーバーホール作業も次の段階に。
次回のレポートブログも是非チェックしてくださいね

(平江)