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R6年度松戸市病院会計補正(第62号)への山中けいじの賛成討論(全文) [2025年04月03日(Thu)]
magazine.jpg
■R6年度の病院補正予算第2回(議案第62号)には賛成しました

実は3月議会には先議議案として冒頭に、病院の補正予算(第2回)が出されていました。別棟建設延期という考えは一致していたのでこちらは「賛成」しつつ、延期以上の「凍結」を求めました!

こちらも同じく録画中継ページから、
「02月28日 本会議」をクリックし、「議案第54号〜第63号 一括議題、各常任委員長報告、質疑、討論、採決」を選択。
59:45〜山中啓之の登壇ですが、当該議案の病院問題に入るのは
1:04:46〜です。
どうぞご覧下さい。

★発言全文は、こちらにベタ打ちします。※なお【】内は読んでいません★

議案第62号、令和6年度病院事業会計補正予算(第2回)について討論を致します。本補正議案の目玉は市立総合医療センター別棟建設事業―緩和ケア病棟20床―の継続費(9億2494万8千円)の変更です。
【1.病院のこれまで】
これにはまず、市の病院経営がいかに周囲の環境変化に完全に対応できていないか、改めて確認しなければなりません。本会議初日に私から別棟建設の延期の影響を伺いました。そこで判明した一連の事実は、昨年5月、入札中止で計画が完全に狂い、その後も場当たり的に「サウンディング型市場調査」などを実施して時間を浪費。結果、建設業界の物価高騰に巻き込まれ工期は2年半も遅れ、事業費は25.3億円から41.1億円へと膨張したという事でした。この間、緩和ケア病棟で得られるはずだった約12億円の収益が消失。病院経営の黒字化は完全に遠のきました。要するに、市が何も決断せず、ただダラダラと時間を無駄にした結果、コストは跳ね上がる ➔ 収益は消える ➔ 経営は悪化の一途をたどる…こうした最悪の結果を招いているのです。
                     §
しかも、市はこの事態を物価高騰の影響だから仕方のない事のように、まるで他人事の如く説明しています。本当に仕方がないのでしょうか? この1年、市長も執行部も何か手を打ちましたか?私の半年前の一般質問からは何かしましたか?ただ‘様子を注視している’だけで、効果的な対策も講じず、ただただ状況悪化を拡大させました。これは、もはや無策というレベルですらなく、そもそも病院を経営する資格が問われるレベルだと危惧しています。

【2.市立病院を取り巻く環境】
真剣に今の松戸の病院がどれほど厳しい競争環境にあるかを考えましょう。
『週刊東洋経済(2025.2.8号)』の特集「病院 大淘汰」によれば、松戸市立総合医療センターは全国の自治体病院の累積欠損金ランキングでワースト45位。このデータは2022年度時点のものですが、現在の状態を考えれば、確実に更に悪化しているものと思われます。
一方、松戸市内には全国屈指の医療法人がそろっています。本特集の日本の約58,000の医療法人の売上ランキングでは、
全国売上ランキング1位は「徳洲会」――これは、本市では千葉西病院の経営にあたっています。
全国2位は、明理会――これは、新松戸中央総合病院のグループです。
全国第5位は、誠馨会(せいけいかい)――新東京病院でございます。
これらの法人は、全国屈指の売上を誇り、最先端の設備と高度な医療技術を備え、日本全国から患者が押し寄せる一流の医療機関です。

このような強豪がひしめく松戸において、市立病院がこのまま注視を続けてーつまり判断を先延ばしするという悠長な姿勢はあまりにも現実離れしています。市場原理が働く中で競争を甘く見た組織がどうなるかは、経済の常識として明らかです。市立総合医療センターは圧倒的な競争力を持つ民間大病院の前に今や完全に圧倒され、存在意義すら問われる状況に陥っています。にもかかわらず、市は相変わらず、「検討」「注視」「様子を見る」といった場当たり的な言葉を並べるばかりで、具体的な対策は皆無。このままでは病院経営の破綻は時間の問題です。市内の強豪の民間法人と競合しない分野へ特化した経営形態への大方針転換が求められています。
                      §
そんな中、市は「建設を早く進めたほうが収益につながる」ことを答弁では述べつつ、一方で「建築費の高騰を考慮し、経営計画の見直しも含めて検討する」と施政方針で矛盾する演説をされています。つまり早く建てたほうが有利だと言いながら「計画変更も検討する」と相反する発言をしているのです。なんとも煮え切らない態度です。要するに、市長は決断する覚悟がないのではないでしょうか。トップの優柔不断な態度が、市立病院をどれほど深刻な状況へ追い込んでいるのか、市長はじめ幹部の皆様は理解されていらっしゃるのでしょうか。

【3.建設を断念する重要性】
私は、やるなら早くやる・やらないならやらないと迅速に判断を下す事が首長の役目だと思っています。環境が好転する兆候が見えない中、内部での状況整理に時間を割き、グズグズしているうちに、状況は更に一刻の猶予もない事を申し上げます。
これまでの議論を踏まえ、私はここで明確に提案します。
• 別棟建設の凍結
• 病院経営の抜本的な見直し
• 民間病院と競争するのではなく、市立病院ならではの強みを活かした経営戦略の策定
危機はすでに目の前に迫っており、即座に抜本的な改革を決断しなければなりません。これ以上の先送りは、無責任以外の何物でもありません。このまま先延ばしを続ければ、市民の血税は底の抜けたバケツに注ぎ込まれ、際限なく浪費されるだけ。やがて市立病院は、赤字を垂れ流し続ける”負の遺産”となり、市政に重くのしかかるどころか、将来的には市全体の財政圧迫要因となることは避けられません。
当時、病院問題で誕生したと言われる本郷谷市長、今こそ、自らの在任中に病院の健全財政への道筋をつけてキレイな形にしてから、次の時代へ繋げて頂きたい。

私は、本補正予算には賛成します。差し当たって別棟を建設しないという結論は図らずも一致しているからです。但し、これだけでは「市立病院を延命するための対症療法」に過ぎず、根本的な解決策にはなり得ませんことを申し上げます。むしろ、この補正予算が現状維持の‘免罪符’となり、市が更に先送りを続ける口実となることを危惧しています。

今本当に必要なのは、病院経営そのものを根底から見直し、「松戸市にとって本当に必要な医療の形」をゼロベースで再構築することです。市政のリーダーとしての責務を果たせるのか、それともこのまま時間を浪費し続けるのか──その判断が、今まさに問われています。一刻も早く、別棟建設の凍結と共に、現計画の見直し、本市総合医療センターの抜本的改革へ踏み切って頂くよう切に願いまして、私の賛成討論といたします。
以上、皆様の満場のご賛同をお願いいたします。(おわり)
R7年度松戸市病院事業会計予算(第74号)への山中けいじの反対討論(全文) [2025年04月03日(Thu)]
R70403.jpg
■市立病院予算への反対討論(議案第74号) R7.3.25■

市民力(山中啓之、湯浅文)を代表して、議案第74号「令和7年度病院事業会計予算」に反対討論を行います。この予算案は、「非現実的な売上目標」・「人件費という大きなコストの意図的な無視」・「地域環境を無視した経営計画」が、最悪の形で示された無謀な内容です。
                       §
まず、市は令和2年度〜5年度にかけて毎年14億〜20億円も売上目標を下回り、一度も目標達成できていない事を昨年9月議会で指摘しました。にもかかわらず、令和6年度に約20億、令和7年度に約5億、計25億円もの増収を僅か2年で見込むという、過去の実績を無視した非現実的な予算です。
                       §
続く12月議会では、人勧に基づく人件費単価の上昇を予算に反映するよう求めました。インフレが続き、令和7年度も前年並みの上昇が確実視されます。しかも人件費は病院経営の損益を左右する最大の支出項目です。にもかかわらず、新年度予算では令和6年度とほぼ同額の140億円弱と、支出増が全く加味されていません
                       §
このように執行部は「不確定要素がある」として人件費増を見積もらない一方、20億円を超える売上増という、遥かに不確定な増収見込みは何の躊躇い(ためらい)もなく計上しています。このダブルスタンダードな態度は、極めて恣意的かつ不誠実であり、財政見通しそのものを歪めています。
                       §
加えて今議会で、市内には千葉西病院・新東京病院・新松戸中央総合病院といった全国屈指の民間病院がひしめき、市立病院は厳しい競争環境にあると指摘しました。そうした中、突如20億円以上の増収が実現できると確信できる材料が見当たりません。こうした空虚な数字の羅列の先に何が起こるのか。
                       §
予算では医業損失が約40億円とされていますが、収入の過大計上と支出の過小見積もりをふまえれば、実態は50億円規模に達する可能性が極めて高いと見ています。キャッシュフロー計算書からも、この規模の損失が出れば20億円以上の現金が流出し、数年以内に資金ショート―つまり経営破綻―が現実となるリスクが目前に迫っていることが読み取れます。

現在は市からの財政支援が例年並みにとどまっていますが、これはなんとか手持ちの現金で持ちこたえているに過ぎず、この損失が恒常化すれば、将来的に40億、50億の一般会計からの持ち出しは避けられません。私は繰り返し警告と提案を重ねてきましたが、執行部が効果的な策を講じぬまま、遂にこのリスクが現実味を帯びてきました。

このような崩壊寸前の予算案に対し、全委員が賛成したことに私は強い危機感を抱いています。もちろん、私も医療を支えるという想いには賛同します。むしろ支援する立場だからこそ、数字の信憑性・計画の現実性・財政リスクの妥当性を厳しく追及します。応援と言いつつ楽観的な予算を通すことは、むしろ破綻を加速させるという危機感を持っているからです。
                       §
最終的に、この張りぼてのような予算のツケを支払うのは、現場の職員と市民です。達成不可能なノルマをやれと命じられて疲弊するのが現場、健全な財政運営を!と装いながら破綻に向かう姿は、市民の信頼への裏切りです。

今必要なのは、現実的かつ客観的な数字を明らかにし、それに基づく経営見通しを正直に示すこと。そして「松戸市において市立総合医療センターは何を担うべきか」をゼロベースで問い直すことです。投資すべき分野と縮小すべき分野を明確に切り分け、持続可能な再建計画を一から構築することです。それこそが、今求められている責任ある判断です。
                       §
ここではっきり申し上げます。現在の市立病院の形態は、既に維持困難なフェーズに入っています。全国的に急性期医療の需要は伸び悩み、回復期・慢性期・在宅医療へのシフトが進んでいます。さらに、医師・看護師をはじめとした医療人材の確保難、診療報酬制度の見直しによる収益性の低下、病床稼働率の慢性的な低迷、そして市内に全国屈指の民間大病院が複数ひしめく中での熾烈な競争――これらの要素が複合的に絡み合う中で、今なお急性期600床体制を維持するという考え方自体が、すでに時代に合わなくなっています。もはやこの規模の急性期病院を市が単独で所有・運営し続けることは現実的ではありません。

このような実現性の極めて低い無謀な予算を、このタイミングで提出してくるとは、そもそも秋の決算を正面から見届ける覚悟が本郷谷市長には本当にあるのでしょうか。ドクターやナースをはじめ医療スタッフは全力で地域のために尽力されている事と思います。現場が支えて下さっている総合医療センターを日本中でワーストランキング入りするような自治体病院にしてしまった市長はじめ病院事業管理者と病院事業管理局長、あなたたちの責任は極めて重いと言わざるを得ません。

私は、これまでの発言と立場に一貫して基づき、本予算案に断固反対いたします。皆様のご賛同をよろしくお願いいたします。(以上)
市立病院関連の発言動画 [2025年04月03日(Thu)]
■市民力の討論、録画中継で観られます
先日の米上院で、コリー・ブッカー議員(民主党)が翌日の夜まで25時間5分も演説を続け、米上院史上最長記録となったとのこと。水2杯で丸1日以上演説をするとは恐ろしい体力です。今朝の雨の駅頭での2時間レポート配布ですらなかなか消耗しましたが…さすがは『スミス都へ行く』を世に出した民主主義の国ですね。
                  §
さて、先日閉会した3月議会。中でも大きな反響を頂いた私の病院会計への反対討論が動画でUPされています。どうぞご覧下さい。
【ご覧になる手順】
https://x.gd/nz3VZ を開く
    ↓
会議一覧の「令和7年3月定例会」をクリック
    ↓
一番下の「03月25日 本会議」をクリック
 ↓
一番上の「議案第64号から第75号までの12件を一括議題、予算審査特別委員長報告、質疑、討論、採決」をクリック(動画が流れはじめます)
    ↓
動画内のシークバーを移動すると、各議員の討論が見られます

市民力はまず
1:37:51〜 湯浅あや議員の一般会計への反対討論があります。
(その後、1:45:46〜 鴫原議員の討論を挟んで)
1:52:55〜 山中けいじの病院事業予算(74号)への反対討論が始まります。

どうぞご覧下さい。
冒頭のアメリカ議会と違い、制限時間「7分」の松戸市議会です。かなり早口ですが、それでもなんとかして議事録に刻みました。近い将来、歴史&世間の評価が頂けると信じて。
(次のエントリで全文掲載します。動画と併せてご覧下さい)
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