一般質問の事後談 [2021年09月01日(Wed)]
■一般質問を終えて
一般質問初日となる本会議2日目。早々に答弁バースト(※下記注)が続く波乱の幕開けとなった。 〇トップバッターは、徹底した事前調整と時間管理に定評のある共産党・山口正子議員。議員生活初の1番目を獲得したのだが、質問中、突然市長が全体的なコロナ対策を語り始め時間を浪費し、山口議員が予定していた二質の時間がなく、認められない事態に。幹事長が挙手して訴え、本人も動議を出そうとするも木村議長に認められず、後味の悪い終わり方となった・・・。 〇4人目の岡本議員に至っては、第一質問に対する答弁(=最初の答弁)途中で答弁バースト。一答も完全にもらえず、議長に「時間です」と遮られる形で後味の悪いフィニッシュ。用意したのに読み終えることもできなかった答弁原稿を片手に自席へ戻る部長の後ろ姿の、なんともいえないことといったら・・・。それにしても岡本議員は8分しか使っていない。25分は短すぎるが、せめてフェアに等分して使わせて欲しいものだ…。 ※答弁バースト:答弁に時間をとられ、持ち時間を超過してしまう(=バーストする)こと。またその状態。 ■一般質問、事後談 ○私は6人目に質問した。一質を7分で終えたが、(いつも通り)冗長な答弁が続き、一答が出揃った時には実に20分が経過していた・・・残り5分。私はとっさに二質を削って対応し、特に答えになっていなかった『市長の政策評価』の1問に絞って再質問した。 絞った、と書いたが厳密にはこうだ。市は私が見解を聞くために示した東葛4市比較データを一切スルー(無視)して、別データを引用しながら聞いていない勝手な見解を一方的に滔々と語ってきたのだ。 更に、一質で私が望まないと明言した‘臨時財政対策債’について堂々と持ち出し、あろうことかその説明をこれまた長々と始める始末…。 ○もはや噛み合っていないのであまり期待はできないが、市民がポカーンとさせられるような答弁を聞かされて論点が分からないままでは今後の判断材料がなくなってしまう。まともに時間を割いて訊いてくださった傍聴者にも申し訳がない。 「質問と答弁が噛み合っていません。結局、(これだけ東葛4市で最低LVの成績を突きつけられているのに)市長の自己評価では良くできたと思っているのですか?お答えください」と私は渾身の総括した問いを捻り出した。これなら聞いている市民にも論点が一言で明確になり、ハッキリしないのが誰か明白になると思った。 ○二質を終えた時点で23分・・・残り2分。しかし、なぜか答弁者がスムーズに出てこない。(またか!)とデジャヴを感じながら暫くの沈黙の後、議長に自席から「答弁を求めてください」と呼びかけた。ちょっと待ってと待たされる間にも持ち時間は流れる。寸刻して市長が重い腰を上げたが、ここでも関係ない話をして2分間を空費した。 議場の表示は26分を指していた。誰が見てもグダグダな答弁で質問時間は終了。他に聞くことがなかったので私としては出し切ったが、時間云々ではなく、はっきりと市長が答えないことに対して『一体、議会の一般質問をナンだと思っているのだろう』との疑念は深まるばかりだった。 質問者である議員は答弁者を選べない。嫌がらせだかなんだか知らないが、これ以上、こちら(議員)はこの事態をどう防ぐ手立てがあるというのか。 質問しても答えない。訊いていないことについて持論を展開する執行部。適当な事を言って時間さえ稼げばその場を‘凌げる’。昨日の公共施設の特別委員会でも如実になったが、答えたくないことは執行部は口が避けても答えないようだ。 …議会軽視もここまでくると、もはや信頼も何もあったものではない。 ○そう思っていた矢先、私の後席の宇津野議員が声を上げた。「こんなのおかしいですよ!」。 ちょうど休憩宣告された直後だったが、急な大声に席も立たず注視する議員たち。宇津野議員は続ける。「通告と事前ヒアリングしている質問に対して、一質にきちんと答えないで、二質で同じように聞き直しても答えない。これじゃ質問の意味がないじゃないか!」ごもっとも。 しばらく大声で続けたあと、そのまま大きな声で市長の元に詰め寄ってなにやら抗議しているようだった。 ○実は、これまでも議会に市がきちんと答えない状態がしばらく続いており、不満の声もたびたび上がっていたのだが、この日の彼はついに堪忍袋の緒が切れたようだった。この点に対する我々議員の不満を全力で代弁するかのような彼の気迫は、(普段彼が温和で理知的だけに)見ている者を凍りつかせた。 私も同意見だったので議長席に行き、議長と事務局長に「同じように感じている人は私だけではないので、この議会軽視の状態を何とかしてください」と訴えた。幹事長会議(議運?)で議題に出してくれと言われてその場は収めたが、まだ宇津野議員はひとり頑張って市長らに訴えていた。 ■民主主義の守り人 議場は休憩中にもかかわらず、ざわついていた。私の質問への答弁(=執行部)への抗議だったので責任を感じ、私は比較的いい答弁をくれた部長に挨拶に行くフリを装い、市長らに抗議を続ける宇津野議員に寄り「幹事長会議や議運で引き続きやりましょう」と言ってなだめた。 それにしても、思う。 今まで議員生活を通じて、同会派の議員が自分の会派の議員を守ろうとする政治的言動はしばしば見受けられるが、他の会派の(それも味方したら自分も一緒に厄介だと思われるかも知れない少数派の)議員に対する権利侵害とも言える不利益に対し、これほどまでに自分の身体を張って抗議の意を示せる議員が他にどれほどいるだろうか。 おそらく彼がしたことは、「看過できないレベルの議会軽視」に対してこれまでにない強い危機感を抱いたことからの行為だったと思う。 彼の正義はたぶん、単純に私を救おうという種類のものではない。きっと、誰がこの‘被害’に遭ったとしても、同じことをしていたと思う。 ・・・だから、ありがたい。 会派や政党がどうこうといった‘ムラ社会’のメンツなど最早どうでもいいという事に気づかせてくれるくらい大きな議会制民主主義に対する「正義」の態度表明だった。 このある意味特別な感謝の気持ちは、一生忘れることはないだろう。 |