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【初トレラン】第8回房総丘陵トレイルランレース [2016年02月14日(Sun)]
trailgoal.jpg
今日は「房総丘陵トレイルランレース」に出てきました。
■出発からトレイル気分
初のトレランなので早めに家を出発しましたが、降った雨が風に舞い、水溜まりからの跳ね上がりも手伝って前が殆ど見えず、高速の運転から気を遣います…どうなることやら(^^ヾ
大会本部に電話で問い合せても時間外で繋がらず「ホントに開催するの!?」と懸念しつつも現地へ向かいます。まあ、思えば初めてのフルも大雨だったので、「こうなりゃやるしかない!」と覚悟を決めて養老渓谷に向かいます。
駅付近の駐車場に停めて、会場へ向かうのバスの車中で隣りになった人は川崎方面から運転してこられたそうで、朝からアクアラインが通行止めになっていて焦ったとのこと。急遽湾岸線に変えて都内を跨いでドライブとは、いやはや、始まる前からお疲れ様です…。
■いざ、房総(暴走)!
会場に着くと雨は細かくなり、なんとか開催するんだろうなという状況になりました。
開会式の行われる体育館は既に『荒天?関係ねえよ』と言わんばかりの猛者たちの熱気で包まれています。
係の諸注意では安全性を確保するためにコースが一部変更になったことや、スタート時間が30分遅れになることが知らされました(既に開会式が30分遅れでした)。当然ながら、DNSの人も多かったようです。
去年のハセツネ優勝者の北島良子さんと、準優勝者の福田由香理さんが参戦。北島さん曰く、辛い時は『全部、気のせい』と思うと良いらしい。(因みに彼女たちが女子の1,2フィニッシュでした。北島さんはインフルエンザ気味を押しての優勝。なんなんだこの世界…)
28kmが10:30にスタートし、空いた会場で入念なストレッチの後、荷物を預け、トイレに行き、私がエントリーした14kmの11:00の号砲に備えます。この頃には雨もやみ、気温は暖かくなってきました。足元はぐっちゃぐちゃですが…。
■トレラン、開始
スタートしてすぐは舗装道路。七草じゃないけど、アップダウン(基本アップ)が激しい。早くも根を上げたくなるも、そんな暇も与えられずに山道に入ります。ぬかるんだ泥と根っこと石の上を、滑らないように選んで足を出さなければなりません。ところどころ、勾配がきつい時や人がやっと1人通れるくらいの崖沿いの所があり、そういう時は歩きます。一歩踏み外したら落ちますね、完全に。ここがマラソン(ロード)と大きく違う所です。全身でバランスを取りながら、慎重に進みます。登り坂が多く、いつもより身体が熱い。心臓のポンプがフル稼働している気がします。油断すると枝が目や顔を狙ってきます。
4〜5kmくらいで、沢渡りが連続します。流れる小川を渡るのですが、なるべく浸水を防ぎたいという人情が働き、みんな石の上に足を置こうとします…が、全く無駄な抵抗で、無慈悲な冬の冷水が、すぐに足首まで浸透してきます。濡れた靴底は滑りやすく、不快感に加えて更なる走りの緊張感を与えてくれます。靴を脚ごとザブザブ丸洗いしている状態といえば伝わるでしょうか。これが10回くらい続きました。
細い所は短い行列ができるのですが、私のすぐ前の人が慣れたランナーで「冷たくてキモチいー!」等と言って石を無視して脛まで水に浸かるのも恐れず川の中をぐんぐん進みます。この時、この競技はちょっとの狂気があった方が楽しめると思いました。
いつもは順調に来る1キロ1キロが、非常に遠い。まだ3分の1か、遠いな…と思ったところで、さっきの「全部、気のせい」を心の中で念じます。
後からこのコースは初心者向けで約半分がロード(舗装された道)と知りましたが、本当によかったと思います(汗)。
後半は特に辛かったです。
普通は登り坂で疲れた脚を平地で回復させる、というのがマラソンの定石でしょうが、なにせ坂ばかりで平地と呼べる平地がなく、足(脚)も肺もぜんぜん回復しない。みんなどうしてんだろ(笑)?
大福山方面、9km地点で唯一のエイド。バレンタインでスタッフがチョコブラウニーを用意してくれていました。やや複雑な気持ちで1個頂き、コーラで流し込み、レモンを噛んで出発。
残り5キロ。ここからが本当に長い。
基本的に不規則な登り坂が続き、忘れた頃になるとそれまでに蓄積された分の高度が下り坂となって怒涛のように押し寄せます。ピッチが乱れるのが自分でも面白い位分かります。この辺になるともはや脚がカクカクして力が入らず、着地時にちょっとでも気を抜くとガクッと崩れてしまいそうです。気力でなんとか踏ん張ります。
11〜13キロ地点。雨が降ってきましたが、もはやどうでもいい感じです。たまにあるトンネルは暗くて地面が見えませんし、ある地点には松葉杖で応援の女の子がいます。どうやってここまで来たんだろう。こうやって回顧すると色々と思い出しますが、この時はもはやそれらもどうでもいい感じでした。
最後の1キロ付近は、ぬかるんだ急斜面を1歩1歩ジグザグに下るようなけもの道です。手も使わないと進めない。落ち葉で覆われて地面が見えないところもさることながら、先人の足跡が既にところどころで「鮮やかな滑り痕」を残しているのを見るにつけ、人間全員に生まれながらに備わっているであろう‘命の危険を知らせる警報’みたいなものが作動します。気を付けていても、予想通り滑る。多くの人があちこちで苦戦している様子が、周囲の気配から伝わってきます。慎重を期しているのに滑る時、人間は声が出ることが判明。私は右尻を摺りました。とっさに手を付いた時、友人のアドバイス通り軍手をしていたのが不幸中の幸いでした。次はその泥の手で顔の汗を拭くことになるのですが…。
全身運動に近い動きを終えてヘロヘロになった頃、やっとラスト1キロの鐘(ポイントにいるスタッフの手持ち)。スパートなどきれるわけもないのに、山を抜けて舗装道路になるとみんな頑張るから、つられて頑張ることにします。「あと100m、階段登ってゴールです!」というスタッフの激励に、必死のラストスパート(のつもり)。
■負傷、そして流血!
急な下り坂の終わりに階段があり、それを登るとゴールです。急旋回を必要とする最後のコーナー、そこでアクシデントは起きました。
私は半ば自然落下のようにスピードが出てしまい、坂の終わりで急カーブする時に踏ん張りきれずに、思い切り転倒!一瞬体が浮いてほぼ水平に肘と腰から着地。
階段の前で1人悶絶する私。今までだましだまし気にしないようにしていた体中の疲労が、この1発を機に、ここぞとばかりに痛みに姿を変えてドカンと押し寄せます。誘導スタッフさんが駆け寄ってきてくれて
「大変!流血してますけど、大丈夫ですか?」
(あっホントだ…言われなけりゃ気付かずに平気でしたが)
先日の左手の切り傷がパックリ開き、雨に濡れた腕を伝って鮮血が滴っていました。肘も打ち付けた際に擦りむき、ちょっとばかし派手に血が流れてしまっています。うずくまってもがいていたので、余計に広がったようです。
「ゴールしたら、すぐ救護所へ行って下さい」という声を尻目に
「大丈夫です。自業自得ですから」みたいな声なき声を振り絞り、小鹿になりながらも骨は大丈夫だと思ったので、よろよろと立ち上がり、ゴールへ続く階段を昇りはじめました。
■14kmの闘いを終えて
階段を上るとすぐゴールゲートがありました。まさかゴール数十メートル手前の麓でこんなクライマックスが待ち受けていたとは思いもよりませんでしたが・・・ともあれ、ゴール!
スタッフや先にゴールした人たちが拍手で迎えてくれるあたりがとても温かい大会です。この人たちは誰も今起きたばかりの私の大転倒(&ダメージ)を知りません(笑)
ゴール後の完走証も後回しにして、そのまま救護所へ。
トレランに軽傷は付きものなのでしょうか、既に先客がいました(そして後から私と同じように階段で怪我した人たちが続くのですが、その話はさておき)。軍手もタオルもTシャツも血がついており、患部からの流血も止まっていなかったので、トリアージで優先的に手当てに回されました。自分の中では元気なので恥ずかしい。ゴールの疲れもとれぬうちに、バイキンが入らぬようにとミネラルウォーターで患部と周辺の血を洗い流された時が、今日一番の痛さでした。ミネラルがもの凄くしみる!!(笑)救護の人に応急処置をされながら、さもそれが当然であるかのような表情で『絆創膏は持ってきていますよね?』と言われ、まだまだ修行が足りない自分を更に恥じました。
ゴール後は太陽が出てきて、暖かい陽気になりました。

【記録】
第8回房総丘陵トレイルランレース
(14kmの部)
1時間34分33秒
総合順位:59位
男女別: 51位
区分別: 17位

タイムはよく分かりませんが、予想以上に順位が良かったのは、きっとこの天気でDNSの人が多かったんだろうと思います…。
身体は痛いですが、このトレランでいつもと違う達成感を得ることができました。一言でいえば、トレイルはマラソン以上に「闘う」姿勢がより鮮明になることです。脚だけでなく、身体全体を使って野山を駆け抜ける事で、己の中の野生が目覚める感覚をおぼえました。
また機をみつけて挑戦したいと思います。
◆今回出たのはこの大会↓
http://www.fields-co.jp/boso/2016/

trailrun.jpg
bosotrail280214.jpg
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