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採決システム、一部始まる [2021年08月30日(Mon)]
【議:其の壱】松戸市議会で公開されない、個々の賛否
私が松戸市議会で公開されない「個々の議員の賛否態度の公開」をするべきだと訴えた当時、全国の地方議会で公開しているのはまだ約3割程度でした(※早稲田大学マニフェスト研究所の調査等による)。
「議決(=個々の議案の賛否)は議員の命。なのになぜ50万都市松戸市の議会がこんなに公開に後ろ向きなんだろう?」と前々々期から問題意識を持った私は、幹事長会議、議会運営委員会、定数等協議会、広報委員会・・・そしてなにより本会議でと、あらゆる場で段階を踏んで個々の賛否公開を訴えてきました。
気付けば市民から賛否公開して欲しいという請願や陳情が毎年のように出されるようになり、こまれで私は一貫して賛成してきましたが、毎回多数決の壁に阻まれ「不採択」でした。
                     §
それでも泣き寝入りしてられないと、10年ほど前から、賛否を自ら独自の方法で記録し、44議員の市長提出議案(専決や人事、予算・決算等も一切合切全て)・議員提出議案(決議含む)・請願/陳情に対する個々の賛否態度を自らのHPで公開し始めました。
平成24年、第7回マニフェスト大賞(※全国から優れた取り組みを表彰する日本最大の政策コンテスト)から表彰され、私の‘議会哲学’と‘取り組み’が全国に流されました。それ以来、議会基本条例への‘たった1人での’反対や議員定数削減への考えも強く訴えていたせいか、各地から議会改革関連の講演や執筆の依頼が舞い込むようになりました。議会改革への機運も全国的に上がってきたのがこの頃でした。
※マニフェスト大賞:受賞時の考察・私見など
https://blog.canpan.info/matsudo/daily/201211/03
                   §
かくして現在では、全国でほとんどの議会が「議会だより」・「議会HP」等、なんらかの方法で個々の賛否態度を公開するようになりました。そういう意味では全国の地方議会を変える一翼を担うことができたと思っています。
しかし、肝心の松戸市議会においてだけはここまで強く訴えたにもかかわらず、一切、個々の賛否態度が公開されてきませんでした(一時期、会派単位で公開した事はありましたが、それも時代に逆行する形でほどなく取りやめになりました)。

今も松戸市議会では、議会だよりを見てもHPを見ても、個々の賛否は公開されていません。
気付けば私の一覧表による公開は最も’老舗’にして’唯一’の出し方になっていました。

【議:其の弐】特殊な賛否公開が始まる松戸市議会
時は流れに流れ、明日から令和3年9月定例会。「採決システム(賛否ボタンが付いている機会)」導入までに時間がかかりました。(↓複数ボタンあるのをわざわざ潰して1つだけ使います)
sc1.png
↓傍聴者への見え方はこんなイメージ
sc2.png

これ以上ないほどに文字通り’紆余曲折’の議論を経て、いびつな賛否公開が始まります
なにがいびつか?それは・・・
ポイント@市長提出議案のみ(それも割れた議案のみ)が対象
ポイントA後付けで理由が載せられる仕組み

・・・この2点です。

ほんらい、市民の代弁者である議員は主である主権者市民にその仕事の成果(つまり賛否態度)を示すのが当然です。賛否が割れた市長提出議案のみでは、市民の政策提案である請願陳情や議会内部からの提出議案は含まれず、極めて不十分です。
また、採決前にはどの議員でも発言機会を得られる「討論」が確保されています。これは、自分と逆の意見の議員を翻意するために行う行為(議論)です。そこで「○○の理由で賛成/反対すべきである」と自己の賛否理由を明らかにすれば公的な議事録に載せる事になり、市民に賛否理由がと決定プロセスが明確になります。
しかし!
会議が終わった後で、公式でもない後付けの理由を載せる事は討論の意義が損なわれることになり、大きな問題があります。討論をしっかり行った議員や会派からすれば、全ての議決が終わった後で『言い訳』を許すことになり、全くフェアではありません。議会人としての見識が問われるレベルだと考えます(同じタイミングで意見を言わず後から反駁した方が条件的に有利な事は、ちょっとでもディベートを齧ったことがある人からすれば説明不要でしょう)。

・・・ちなみに、なぜ松戸市議会でこんな議会になるのかというと、これを話し合った議会活性化検討協議会が、全会派の一致でなければ前に進まないという縛りで進められたからです。つまり、割れた市長議案のみかつ後付け理由の掲載という2条件なくしては賛否公開を認められないとした会派があったからです。

議会の民主主義が、有権者に問われています。
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