【北川正恭先生、最終講義】全国地方議会サミットへ [2025年11月09日(Sun)]
-thumbnail2.jpg) 【北川正恭氏の最終講義】 いつぶりだろうか、日曜の朝にネクタイを締めて電車に揺られ都内へ。全国から超党派の地方議員や市民、関係者が集まる「全国地方議会サミット(DAY2)」に参加しました。 今日は北川正恭教授(早稲田大学名誉教授)の最終講義です。三重県知事時代にマニフェストという言葉を世に普及させた人物としてご存知の方も多いと思います。
◆私と北川正恭 私は高校から大学まで合計8年間も早稲田に在学してお世話になりましたが、学生時代に直接彼から講義を受けた記憶はない一方、卒業してからこれまで北川先生の講義を受けた総時間はゼミでお世話になった田中愛治先生(現・早稲田大学総長)を凌いで長くなっています(汗) 松下政経塾での研修時代、ある縁で神奈川の自治体の会派マニフェストの作成会議に参加させて頂いたのをきっかけに実践的なマニフェストに触れ、27歳で議員に初当選した2006年に第1回マニフェスト大賞が開催されたタイミングだったこともあり、この所謂『マニフェスト運動』に自然と内外から関わってゆく事になりました。思えば私の18年間に及ぶ議員活動は、マニフェスト、つまり北川教授と共にありました。
◆マニフェストとは マニフェスト――2003年流行語大賞になった頃から急速に普及したこの言葉は、これまでの抽象的で曖昧な‘公約’ではなく、明確な約束を具体的数値と共に示し、財源・行程・手段を用いながら事後検証を可能にしたものです。「× 緑の多い街にします」→「○ 国の**補助金100万円を用いて市内に1年で樹木を20本植えます」といった風に。要は、約束した事は実行する、という至極当たり前の政治の幕開けの象徴だったのです。
◆議員活動に生かし続けたマニフェスト 有権者と政治家が実効性を確認・共有することができる(当時の日本では)画期的なこの取り組みは今や国政でも地方議会でも定着し、私は初当選から4年間の自身の「行動マニフェスト」とアレンジして、実績だけでなく自分の行動(全傍聴、100%一般質問等)も加えて振り返るという‘通信簿’を付けて2期目以降の選挙に掲げました。大組織のない政党無所属の私にはまさに一点突破、全面展開そのものでした。2012年頃から本格公開を始めた「個々の議員の賛否態度の公開」も透明性を高める取り組みとして併用し、10年以上経った今も続けています。政治家がしばしば弄する場当たり的な薄い詭弁よりも、市民に影響する賛否態度という‘決定打’は、政治家の足跡として決して嘘をつきません(※未だに松戸市議会では一部の議案の賛否しか公開していません)。私というささやかな1匹のゆらぎが次第に大きな影響となって市民に刺さり、市議会議員選挙に5期連続1位当選という結果にも繋がりました。また地域を超えて全国から優れた取り組みを表彰しようというマニフェスト大賞にこの賛否態度の公開の取り組みが評価され、第7回マニフェスト大賞で松戸市初選出の表彰者となり、新聞やメディアに取り上げられるようになりました。ぽつぽつ学校等の講義に呼ばれることも出てきました。受賞以降、自分だけではなく共鳴する人を増やそうと市内外の応募者を増やす活動に邁進し、声をかけた人や団体が受賞する事もザラになりました。現在、私のマニフェスト運動はもはや選挙のためではなく、政治不信が蔓延る世の中で、市民が満足する健全な民主主義社会を希求する活動へと大きく発展・変容しました。
◆松戸の公開討論会にきてくれた北川正恭 話を戻しますが、北川先生の人柄を語る上で印象的だったのが、公開討論会です。 2005年千葉県知事選挙の際、松戸市にコーディネーターとして北川先生(※当時はマニフェスト研究所所長)がきてくれました。『松戸になぜ北川さんが?』とビッグネームの来松に私が驚愕していると、公開討論会を開く会のメンバーがかつて北川先生より「(公開討論会を)やるなら(松戸に)行きますよ」とさりげなく言われた言葉を覚えていて、いざ本当に松戸で討論会が実現となった際「『あの時(やるなら松戸に)行くよと言われましたが、今度やるので来て下さい』と言ったら、まさか本当に来てくれたのよ!」と教えてくれました。何気ない一言でも多忙なスケジュールを調整して市民と約束を守るあたりの行動が‘既にマニフェスト’そのものでしたし、当日は彼の方言(と放言)交じりの温かいトークのもと、大盛況で終わりました。(翌2006年、松戸市長選の公開討論会で私がコーディネーターを務めて初めて北川先生の偉大さに再び気付かされたのもそう先の事ではありませんでした…)。 以来、私の判断基準ともいえる先生の講義内容とそれを受けて発展する議会や自治体の先進事例の数々を真に受けて、遠く及ばない足元の議会で活動に邁進してきました。
◆Pricelessな意見書 2018年9月、4期目の改選を控えた議会最終日に、議会で私の発言(※私のHPに今も全文公開中)が一部議員から問題視され、@問題とされた文言が(何度聞いても)特定されぬまま、A(弁明希望の有無をわざわざ私に問い、私が「ハイ」と答えたにもかかわらず)弁明も認められないという、全国でも類を見ない異例の懲罰(戒告)が科されました。その際に私が取消しを求めた裁判を起こすにあたり、北川先生が意見書を書いて下さり、添えて頂きました。判決では当時の司法の扱う範囲外ゆえに「却下」されましたが、全国的に有名な政治家・学者・コメンテーターという大きな影響力を持つ方からの支援は、陰湿なムラ社会で孤立を深めていた者にとって絶大な心の支えとならない訳がありません。※余談ですが、弁護士で慶応大学名誉教授の小林節先生からも力強い意見書を頂きました。急に新しい地平が目前に広がってゆく感覚を覚え、今でも私の大きな心の糧となっています。このお二方には感謝しきれません。※蛇足ですが、お二方とも意見書を無償で書いて下さった事は、後に私が‘政治家’と‘政治屋’の違いを語り行動する上で、明確な生きた証拠になりました。
◆最終講義 ・・・さて、このように北川先生については書けばまだまだエピソードが尽きませんが、忘れもしない早稲田大学の最終講義の時、議員だった私は公務が重なり出席が叶いませんでした。しかし、議員を辞した今でもこうして全国サミットでの最終講義に声を掛けてもらい、今回は対面で参加させて頂ける僥倖に感慨無量です。 県議、国会議員、知事時代の政治経験から、特に知事時代の決算不認定や審議拒否などの‘地殻変動’があったからこそ(議会→執行部の順に!)改革が起こったと振り返り、議会の力を強く信じている感は今も健在。議員はかつての執行部お任せから議論のできる議員へ、議会も少数派含めて議論できるチームへ、変革しなければならないという力強い講義でした。 引退表明から2年程、80歳を迎えて遂にこのたび引退されますが、またどこかで発信されることを心のどこかで密かに期待しています。
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山中 啓之
at 14:40 |
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【レガシーそのC】固定資産税及び都市計画税の適正な税の徴収業務について [2025年11月07日(Fri)]
 【一般質問レガシー(そのC)】 PV(パブリックビューイング)、ライトアップ、川の清流に続き議員時代のレガシーを今回は広報で発見。2020年6月10日の一般質問で私が取り上げた件です。当時の私の質問は「適正な税徴収について」とテーマ設定し、固定資産税及び都市計画税の適正な税の徴収業務について、土地上に住宅用建物が存在する場合の減額を適正に行っていますか?という内容でした。・・・結果、なんと1億円以上の誤徴収が発覚しました。 § この度の広報まつど最新号では、重要性を忘れず継続的に行動で表す行政の態度が垣間見えた事に一定の評価はします。しかし一方で、指摘(質問)から5年以上も経っているのに未だ解決していなかった事の残念さと、市民自らが申し出ないと解決できないほど根深いものだったという事の深刻さを思い知らされました。
土地も建物も所有した事のない私には無縁ですが、固定資産をお持ちの方は誤徴収されていないかどうか、一度確認する事をお勧めします。
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山中 啓之
at 12:13 |
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新松戸駅東側地区土地区画整理事業(第2回変更案)の縦覧期間です [2025年11月06日(Thu)]
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山中 啓之
at 21:57 |
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松戸市立博物館へ [2025年11月05日(Wed)]
 ■市立博物館の特別展示へ 週末。9月から11月にかけてやっていた市立博物館の館蔵資料展「誕生・結婚・死の儀礼‐人生の始まり方 終い方‐」に出かけました。気付けば最終日でしたが(^^; 人生の誕生(出産)から結婚、葬式まで、人生儀礼が実際松戸でどのように行われていたかという、郷土で先人が行っていた不変のものと変化したものをそれぞれ比較して知る上でとても興味深い展示でした。 § 人は誕生から始まりますが、妊娠した時点で既に命が宿っています。人や家屋(部屋)の配置など、色々な事に気を付けながら過ごした様子が写真や模型、文字で伝えられました。八ケ崎に子安講由来の寺社があったとは。思えば松戸神社で七五三参りをしたなあと思い出し、当時の白黒写真と比べて今も変わらぬ松戸神社の風景は懐かしい感じがしました。私はそれほど畏まった儀式に拘らない方ですが、気付けば戌の日の腹巻や100日のお食い初めに赤飯、初節句、七五三など、子どもが生まれてからというもの、どれも自然にやっていた事に気付きました。どれもこれも意味があり、昔は人の暮らしや意識が本当に神に近かったなあと感じます…数日前にもののけ姫(4Kデジタルリマスター版)をテラモで鑑賞したからかも知れませんが。 展示されていた婚姻届に出生届・・・流行でデザインは変わりますが、重みは不易です。成人式の案内には自分の名前も見つけました(笑) § こういう普遍的なテーマの展示は自分に関係があるようで市民に親しみやすい上に分かりやすく、(数年前の松戸の歴史の特別展と同じくらい)面白かったです。 館を後にしながら妻に感想に聞いたら「儀礼を行うのは人間だけ。大事なんだろうね」と。 科学技術の進歩と時短の時代、人の言葉や存在がどんどん軽くなる世の中で、歴史の積み重ねや生きてきた確かな証拠を残し、継承していくのは、我々人間の務めなのだろうと思いました。
とりあえず、始終退屈そうにしていた娘の写真を沢山撮って、後は森の広場で存分に遊ばせました。
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山中 啓之
at 22:06 |
松戸市イベント |
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市役所新庁舎の建て替え場所の比較検討に関する 聞き取り調査が開始されました [2025年11月04日(Tue)]
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山中 啓之
at 18:15 |
行政情報 |
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松下政経塾、塾生募集中 [2025年10月31日(Fri)]
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山中 啓之
at 12:00 |
松下政経塾 |
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市庁舎建替問題、市が聞き取り調査を予定 [2025年10月31日(Fri)]
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山中 啓之
at 03:29 |
行政情報 |
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季節の変わり目 [2025年10月29日(Wed)]
■短い秋はいつまでか すっかり朝は冷えるようになりました。何年か前から続く夏の猛暑で春と秋が短く感じるとは言われますが、実際に三重大のある研究によると、春と秋が短くなっているらしいです。なんでも冬の期間はそのままで、夏に押される形でその隣り合う季節が短くなっているとの事。 この記事を読んだ時に「できれば(春秋ではなく)冬の極寒の日から奪ってくれよ」と一瞬思いますが、そうなった時は既に、春も秋も消滅している事でしょう。
それにしても季節の変わり目は身体がまだ慣れていないためか、周囲にもちょいちょい体調を崩す人が多いです。皆様もどうぞお気を付けを。 個人的には秋は夕暮れよりも1時間早めに起きて何か作業するのにちょうど良い季節のように感じています。清少納言からみれば、もう冬が近い証拠でしょうか。
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山中 啓之
at 19:28 |
よしなしごと |
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宗教2世の影響に思ふ [2025年10月28日(Tue)]
安倍晋三首相(当時)を襲撃して殺人罪で問われている山上徹也被告(45歳)の裁判員裁判の初公判が今日14時から奈良地裁で開かれます。 争点は、所謂「宗教2世」の影響がどこまで加味されるか。母親が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に多額の献金をしたことで、教団とつながりがあると思ったことが安倍氏を狙った動機とされていますが、この認識や生い立ちがどれほど情状酌量の余地があるのかが注目されています。 § 殺人は決して正当化はされないが、自分がどうしようもなかった事情は酌むべき要因ともいえるため、専門家でも判断がどうなるか難しいと思われます。 実際、当該教団の元信者39人が献金被害を訴えている集団調停では12億8900万円の解決金を教団が払うことで昨日調停が成立しました。当該教団には解散命令が出されています(現在も東京高裁にて審理中)。 また、派生して良し悪しにかかわらず宗教団体そのもののイメージが悪化したことは否めないと思います。例えばある宗教団体をバックに持つ政党が各種選挙において弱体化した事なども既に目に見える形の影響として因果関係があると言えそうです。
多様化時代。これからは明らかな被害者だけでなく加害者も一面では少し被害者だったのではないか、という複雑な割合の匙加減を、裁判員は判断する事件が多くなりそうです。
山上被告の公判はこれから全19回に上る予定と長丁場ですが、12月18日結審予定、来年21日に判決が見込まれています。
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山中 啓之
at 13:00 |
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トランプ大統領来日 [2025年10月27日(Mon)]
■トランプ米大統領が来日 トランプ大統領が来日。高市早苗総理大臣は僅か就任1週間ほどで彼と重要な対談を控える事になりました。 防衛費の増額や5500億ドル(約83兆円)に上る対米投資の案件など、日米関係における課題がどうなるかが焦点です。日本を強くしようとする高市氏と米国第一主義のトランプ氏、共に自国第一主義の会談がどう折り合うのか、私にも確信が持てません。
自民党が弱体化する中で、高市首相は初の大きな舵取りを任せられた格好になります。共通項は故・安倍晋三首相。彼と親交の深かったトランプ氏と、尊敬して大きな路線を継承する高市氏。故人の「レガシー」がどこまで会談に影響するのか分かりませんが、日本の負担がこれ以上増えない事を切実に願うばかりです。
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山中 啓之
at 20:39 |
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