過去の香り [2011年05月30日(Mon)]
▼震災から80日が過ぎた。昨夜は栗駒にある自宅に帰った。震災後4回目、我が家の布団で眠った。
今朝は強い雨が降っていた。息子を高校まで車で送った。普段から息子と会う時間が少ないので車の中での親子の時間は貴重だ。 高校2年になった息子は、元気な少年から、寡黙な青年と変容している。 朝が早いこととこの天気では会話は弾まない。 ▼昨夜は遅かったので、息子を送ったあと家に戻りシャワーを浴びた。久しぶりに洗い流した。ボランティア活動では入浴も十分にとることができない。 ▼今日から再び東京へ出かけることになっている。雨のなか「くりこま高原」駅へ向かった。途中のセブンイレブンでお茶と折りたたみ傘を買ったら、くじを引かされガリガリ君≠ェあたった。さすがに冷たい雨が降る今はアイスなど食べたくないが、この店でしか交換できないということなので頂いた。 くりこま高原駅の駐車場に車を停めて食べた。 ソーダ味のアイスだ。 懐かしい味・・・・40年以上も前の少年次代に食べた記憶が蘇った。 パッケージにはガリガリ君は30年アニバーサーリーとある。ガリガリ君の前からソーダ味のアイスはあったと思う。 目の前に広がる田植えを終えた田んぼを見ながらガリガリ君を食べた。 少年時代の私の過去の香りに満ちて久しぶりに過去を振り返った。 これまでの多くの時間は、未来を追いかけ続けてきた自分だったなと感じた。 ![]() ▼新幹線に乗って、ノートパソコンを開いた。 又未来へ向けて思考が動き始めている。 30年・40年前から見れば、東北も進化したと思う。 少年時代、私は東北よりも東京や西日本がすべてに優れていると感じ、東北は何でも遅れているというコンプレックスさえ持っていた。 今、高速道路もあり新幹線が走り、携帯電話、インターネットもある。 80年代に吉幾三が歌ったおら東京さ行だ≠フ時代とは違う。 ![]() ▼未曽有の大災害、この現在から東北≠ェどんな未来を創造するのか・・・・・・ 復興ビジネスが、これから始まる・・・・ グローバル経済が大きな力になるいことは間違いないが、えげつない・欲にまみれたお金で東北の未来を汚してほしくない。 3年前の岩手・宮城内陸地震の後のようにコンクリートだらけの復興はやめてほしい。 自然と共存した、地域資源が生き生きとし、地域民が自立できる復興を願っている。 ▼市民が出番なんだと思う、市民意識を持つ企業やNPO・NGO・・・ 意識が変わらない時代遅れの行政や行政に近い組織にだけ頼ることは明るい未来はない気がしている。 自分たちが上に立ているという勘違いを持って、既得権益、我が組織の利害だけにしか考えが及ばぬ愚かな、頭が悪い組織に未来を委ねたくない・・・ ・・・混乱した被災現場でつくづく感じている。 Toyoshi Sasaki 〓 |