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批評家展 @Steps Gallery [2015年06月28日(Sun)]

「批評」や「評論」って言葉は、あんまり良い意味では使われていないようだ。
ちょこっと調べてみても、「批判ばかりして行動に移せていない人」みたいな
表現が例として挙げられていた。

誰かの所業に対して、あれやこれやとややネガティブに言うことが
「批評」「評論」の意味になっているのかもしらない。
とくにテレビのコメンテーターは、そのような傾向が強い気がするから
余計「評論」の意味がポジティブにならないのかもしらない。

今回の批評家展は、私の「批評」の意味を覆すような面白い展示だった。
作品を「見る」よりも「読む」ことで解釈が深まっていったからだ。

とくに面白かったのは、「モノマネ芸」を例に挙げながら解説していた
吉岡まさみさんの批評。

DSCF1071.JPG
槙野央

本物そっくりの「完成形」を目指す松村邦洋のような芸風と
本物の特徴を増幅させることで笑いを取るコロッケタイプの芸風。
これらの芸風に擬えて、作者の槙野さんの作品に迫る批評の展開が面白かった。

槙野央.JPG
槙野央


作品として好きだったのは、三輪田さんの絵。

三輪田めぐみghost.JPG
三輪田めぐみ「ghost」

シーツに描かれたのか、シーツに潜んでいるのか、
そこには「不思議の国のアリス」のような世界が広がっていて
描かれていないのに私の中に浮かび上がるキャラクターやモノが確かにある。
それは、見えないのに見える。幽霊みたいな存在なのかもしらない。

「批評」があるから補強されるイメージもある。
「評論」があるから解釈が深まることもある。
そんな気づきがあった展示だった。

※ギャラリーの許可を得て撮影をしています。
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Steps Gallery
東京都中央区銀座4-4-13 琉映ビル5F
Tel&Fax 03-6228-6195
エレベーターはありません。
2015年6月15日(月)〜6月27日(土)
12:00~19:00(最終日17:00)
日曜休廊
http://www.stepsgallery.org
根元高國展 @Gallery 58 [2015年06月25日(Thu)]

解釈を相手に委ねることは、
「書く」ことが仕事の一部になっている私にとって
なかなか難しいことだ。

なぜならば、言葉を扱う者にとっては
言葉に言葉を重ねて意味を強化し、
互いの解釈にズレがないようにと努めるからだ。

もちろん、思いや受け取り方は人によって様々だから、
取材した相手の思いを汲み取りきれないこともあるし
新しい境地を勝手に発見することだってある。

時色No.69 68.JPG
左から「時色No.69」「時色No. 68」

私は私の主張や思いを、言葉に乗せて伝え続けている。
だから「色」や「形」に敢えて境界線をつくらないことで
相手に解釈を委ねる根元さんの作品は、奥が深いと思った。

今回の作品は、根元さんがいままでにあまり使ったことのない
「色」への挑戦があったそうだ。
それは、ラベンダーのような淡い紫色。

時色No.62 64 65.JPG
左から「時色No.62」「時色No. 64」「時色No. 65」

私自身、過去に似たような色のカーディガンを衝動買いして
一度も着ることなくお蔵入りさせてしまったことがある。
普段使いするにも難しい色だと思う。

根元さんも苦労した、と言っていた。
だけど、この紫色がアクセントになって
素敵な世界観がグッと広がっているように思う。

時色No.63 61.JPG
左から「時色No.63」「時色No. 61」

ただ、残念なことに私のカメラには限界があり
ちっとも、作品の美しいグラデーションが再現されないのだ。
だから、ぜひその目で確かめてほしい。

色の境界のない世界を。
形に捉われない世界を。

※作者の許可を得て撮影しています。
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Gallery 58
東京都中央区銀座4-4-13 琉映ビル4F
Tel・Fax 03-3561-9177
12:00pm-7:00pm(最終日5:00pmまで) 日曜休廊
会期 2014年6月22日(月)〜6月27日(土)
http://www.gallery-58.com
4人の神様が共存する神社 @赤城神社  [2015年06月24日(Wed)]

先日、神楽坂に行ってきました。
神楽坂には、善國寺(毘沙門天)や圓福寺(鬼子母神)など
じつはお寺さんがたくさんあります。
だけれども、オシャレな町並みに合わせて
なんだか境内が洗練されて、風情があまりないのです。

神社だって、最新鋭の設備と整然とした美しさでした。
私の知っている神社(地元の氏神様)は
なんだかもっと雑然としていたような…。
でも神様が宿る場所なんだから、キレイに保っておくのが礼儀ってもんですね。

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赤城神社は、「岩筒雄命(いわつつおのみこと)」を祀る神社ですが
境内には他にも3社の末社がありました。
【八耳神社】:聡明な知恵が授かると言われる。悩みがあるときには、
     「八耳様、八耳様、八耳様」と3回唱えてお参りすると素晴らしいアイディアが!
【出世稲荷神社】:商売繁盛の神様。京都育ちの私にとっては御狐様は身近な存在。
【葵神社】:学問と産業の祈願成就を願うと、心の安らぎが…。
      名前の通り、徳川幕府と関係が深い神社です。

その前に穏やかに鎮座するのは、石仏・観音菩薩様。

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柔らかい表情が素敵です。
赤城神社の隅っこの方で静かにいらっしゃるお姿は
なんとも慈愛に満ちています。

赤城神社の参拝の後は、ぜひ、この観音菩薩様を拝みにきてくださいね。

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赤城神社
〒162-0817 新宿区赤城元町 1-10
TEL:03-3260-5071 / FAX:03-3260-3522
http://www.akagi-jinja.jp

宗教法人 善國寺(神楽坂 毘沙門天)
東京都新宿区神楽坂5-36
TEL : 03-3269-0641
http://www.kagurazaka-bishamonten.com

妙徳山 圓福寺
〒162-0831 東京都 新宿区 横寺町 15
tel03-3260-5634(8:00〜16:30)/ Fax03-3260-3818
http://enpuku-ji.jp/index.html
神山明追悼展”いい夢を見たかい” @コバヤシ画廊 [2015年06月23日(Tue)]

圧倒的な存在は、私たちに畏怖の心を芽生えさせ
ときに感動を引き起こすものだ。
それは、人によってさまざまで、
自然だったり、音楽だったり、特定の人物だったり、ゲイジュツだったり、する。

神山さんの作品は、私にとっては圧倒的なものだった。
大きさではなく、そのスケール感が圧倒的だったのだ。
寸分の狂いもなく、また余分なものなんて一切ないような
その美しいフォルムは、時間を忘れて鑑賞し続けることができる。

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「愛してる愛してる」
153×43×180cm、 杉、綿ロープ、オイルステイン 1989

見ているうちに、神山さんの世界に迷い込んでしまって
「いい夢を見たかい?」なんて声を掛けられたような気持ちになる。
圧倒的なゲイジュツとは、このことを言うのだろうか。

正直、ゲイジュツに関して無知識な私は
もちろん、神山さんのことも知らなかった。(失礼しました)
知らないのにも関わらず、圧倒的な存在となり得る神山さんは
一体、何者だろうかとさえ不思議に思ってしまう。

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「僕が空へ行く夜」
187X190X56cm 木、オイルステイン 1987

タイトルだって、秀逸なのだ。
「気づかぬ罪」「いつもあなたがわからない」
「明日を測る」「時間の愛し方」
タイトルだけを取ってみても、詩的な世界が広がっている。

懐かしい記憶を辿り、教室に張られた床のような
茶色い板を使って、直線と曲線を用いて立体と思考の迷路を作っているかのようだ。
神山さんの圧倒的な世界観について、もっと知りたくなった。

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※ギャラリーの許可を得て撮影しています。
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コバヤシ画廊
〒104-0061 東京都中央区銀座3丁目8−12 銀座ヤマトビル B1F
03-3561-0515
A.M.11:30 − P.M.7:00
神山明追悼展”いい夢を見たかい”
2015年6月15日(月)〜6月27日(土)
http://www.gallerykobayashi.jp

同時開催
ギャルリー東京ユマニテ
10:30 〜 19:00
東京都中央区京橋2-8-18 昭和ビルB2F 
Tel.03-3562-1305
http://g-tokyohumanite.jp

神山明さんHP
http://www.kamiyama-akira.com
うるしのしごと展 @うえぐも [2015年06月22日(Mon)]

最近、朝ドラをまた見始めています。
私の朝ドラ熱がもっとも高かったのは「ちゅらさん」でした。
小学校からの同級生と、何度「ちゅらさん再現PV」をしたことか。
田んぼのど真ん中で、まだ見ぬ沖縄を想像し、覚え立ての台詞を言い合う。
なんて恥ずかしいことをしていたのか…。若さって本当に恐ろしい。

さて、いまの朝ドラといえば「まれ」ですが
「まれ」の舞台は石川県能登半島。伝統工芸・輪島塗があるところです。
そのせいもあって、漆をよく耳にするようになりました。
よく聞く言葉って、不思議とそれに引き寄せられると思うのです。(単純ですが)

神楽坂を歩いていたら、すてきな漆の展示が開催されていました。
その名も「うるしのしごと」。
岩手県の塗り師・田代淳さんの作品展でした。
初めて田代さんの作品を見たのですが、なんだか生活に馴染んでいるような、
そんな感じがしたのです。

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作品が「漆だぞ」って主張をしていないというか、
おしゃれなんだけど、イケイケオシャレ感を出していないというか。
つまりは、私の中ですごくしっくり落ち着く作品だったのです。

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伝統工芸の漆というよりかは、いまの時代に馴染むデザインになっているのです。
こんな作品を日常で使えたら、きっと楽しいだろうなあ。
そんな妄想が膨らみます。

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田代さんの作品展は、なんと今日まで。
お時間に余裕のある方は、ぜひ〜^^
神楽坂散歩もオススメです!


※ギャラリーの許可を得て撮影しています。
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田代淳うるしのしごと
6月17日(水)〜22日(月) 12:00〜18:30
場所:うえぐも(坂の上のちいさなjokogumo)新宿区神楽坂6-22

別冊よこぐも手帖(展示会場ブログ)
http://jokogumo-note.jugem.jp
うるしぬりたしろ(作家さんブログ)
http://jun-tashi.jugem.jp
街歩きB 神楽坂 [2015年06月20日(Sat)]

物事には必ず由来があるものです。
地名はそこの地形から名付けられているものが多い傾向にあります。
今回、街歩きをした神楽坂は、やっぱり「坂」の多い場所でした。

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駅からの大通りはオシャレな店とオシャレな人でいっぱい。
しかし、一本小径に入ると、
ここだけにしかないユニークなお店や古い建物もありました。

古いお家はトマソン的な臭いのあるものが多く
曲線美のマンションや不思議なポストのあるお家など
奥に進めば進むほどにたくさんの発見があったのです。(また別の日に報告します)

街歩きで私がよくする、通行人にとって極めて邪魔な行為は
道路の真ん中で、後ろを振り返ってみることです。
前に進んでいるときには気付かなくても
振り返るだけで新しい発見があるのです。

頑張って階段を登った後に見たちょっと気持ちいい景色。
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元気な子どもたちがたくさん集う公園の横の小径。
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「とま」だけ強調されたのはなぜなのだろう。
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さて、最近、いろんな人に写真を学びたいと公言しているものの
なかなか前に進んでいない私。
カメラも知識も一向に更新されないままに時間だけが経過しています。

だけどちょっと励まされたのは、宮本常一さんの言葉。
「メモがわりの写真」。
何があって、何がないのかが一目でわかるためには記録が必要なのだ。
それらから教えられることはたくさんある、とさすが民俗学者。

私も見習って、引き続き、記録することを目的として、写真を撮りたいと思います。
隅々まで歩いて、外を見て、ちゃんと驚きや新鮮な発見を積み重ねよう!
そんな風に思った一日でした。
石仏の語り [2015年06月19日(Fri)]

昔々あるところに、3匹の子ブタがいましたとさ…。
と始まる物語は、ご存知「3匹の子ブタ」です。

このお話の教訓は、ワラや木の家に比べて
レンガの家を建てるのは時間と労力が必要だけれども
勤勉に働くことで、最終的に報われるということのようです。

仏像も、木や石、鋳造などさまざまな形で作られますが
やっぱり一番力が必要なのは石仏なのです。

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とくに、仏相を象ることは至難の業。
しかし、石仏は野ざらしにされることが多いようで
木仏に比べてその風化は甚だしいように感じます。

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雨風に耐え、その地を見守り続ける石仏は
優しく、慈愛に満ちたような、丸みのある表情に削り取られ、
もはやどこが目で、鼻で、口なのかは分からなくなってしまっているのです。

そんな石仏が、私は大好きなのです。
堀内球代写真展“italia metafisica ” @Art Gallery M84 [2015年06月17日(Wed)]

「人々の目に映る現象に視点を置きつつも、モノクロームを使うことで、
その現象から何かしら目に見えない次元、奥にある本質、
又は精神的な思考に誘導されるような感覚に重点をおいて作品作りに向かい合っています。」
そんな作品メッセージを見たときに、堀内さんの作品がますます好きになった。

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私は、10数年来に渡ってむちゃくちゃ好きなアーティストがいる。
目の前にあるCDやライブで手に入れたグッズたち、その人が発信するメッセージ。
現象として、私は直接的に触れることはないけれども
その人の音楽を聴くと、なんだかいっしょの時間を過ごせているような気がするのだ。
(完全にファンの心理ですが笑)

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記憶というものは、あいまいで、私の場合、モノクロームで蘇ることが多い気がする。
アーティストのライブも足繁く通っているが、
当時のことがフラッシュバックするときには、たいてい白黒の世界だ。
もちろん、夕焼けがキレいかったとか、ホール内が暗かったからとか
そんな付随的要素はあるけれども、あの時・あの瞬間の出来事には、色がない。
いや、二度と再現できないのかもしらない。

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遠く離れたイタリアの地で撮影された景色を
私はいまは見ることができないが、想像することができる。
堀内さんが言う「目に見えない次元への誘導」は
もしかしたら、想像をかき立てる力につながっているのかもしらない。


※ギャラリーの許可を得て撮影しています。
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堀内球代写真展『italia metafisica II』

Art Gallery M84
東京都中央区銀座四丁目-11-3 ウインド銀座ビル5階
03-3248-8454
10:30〜18:30(最終日17:00まで)日曜日休館
2015年6月8日(月)〜6月20日(土) ※休館日を除く
http://artgallery-m84.com/?p=1626
幾星霜にわたり鎮座している石 @姨リ耶山 長命寺 [2015年06月16日(Tue)]

帰省するたびに訪れる場所があります。
琵琶湖のほとりにある小さな隠れ家的なカフェの駐車場。
そこは、琵琶湖を一望でき、のんびり駐車していても怒られないので
私は車を置き、ぶらぶら散歩に出掛けるのです。

そんなお気に入りスポットに行く手前を右折すると長命寺へ続く山道があります。
狭く、ヘアピンカーブだらけの山道は、(私の場合)命がけで運転しなければなりません。
とくに、対向車が来たときには悲鳴を上げてしまうほどに
緊張してハンドルを握ります。

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さて、長命寺はその名の通り、長寿祈願のお寺さんです。
昔々、武内宿彌(たけのうちのすくね)がこの山に上り、
『寿命長遠諸元成就』の文字を柳の大木に彫り、長寿を祈願したところ
三百歳の長寿を保ったと伝えられています。

後に、聖徳太子がここを訪れた際、柳の大木を見ていると
とあるおじいさんから『この木で仏像を刻み、寺を建立するように』と言われたそうな。
そして、太子はそのお告げの通り、千手十一面聖観音三尊一体の像を彫り、
ご本尊としていまも祀られているのです。

本堂にお参りし、ぐるぐる境内の中を歩いていると
引き寄せられるように奥へ奥へと足が向いていきました。
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目の前に現れたのは、大きな大きな岩。
「六処権現影向石」と呼ばれるその岩は天地四方を照らし
三百歳以上の長寿を全うす、と言われているそうです。

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圧倒的なスケール感。
自然の偉大さを、身を持って体感しました。
百代を超え、戦の世も太平の世も、近江の歴史を見下ろしてきたのかと思うと
歴史ロマンに駆られ、ワクワク・ドキドキが止まりませんでした。

御朱印もいただき、長寿・健康祈願もして、
安全運転で帰りました。

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姨綺耶山(いきやさん)長命寺
〒523-0808 滋賀県近江八幡市長命寺町157
電話番号:0748-33-0031
拝観時間: 8時00分〜17時00分
途絶えることのない炎 @真静院 [2015年06月15日(Mon)]

長命寺に行く途中、小さなお寺を見つけました。

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急な石階段を登っていくと、おばあちゃんが洗濯物を干していました。
聞いてみると、ご住職だったおじいちゃんが数年前に他界されてから
おばあちゃんがこのお寺を守っているとのこと。

お不動さんが祀られている真静院さんは、
なんと比叡山延暦寺の法灯があるというのです。
先代のご住職が法灯を頂いてから、その灯火を絶やすことなく
いまに受け継ぐおばあちゃん。

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おばあちゃんは、火が消えていないかを毎日、何度も何度も確認しに行くそうです。
先代の教えを守りつづけていることを感じ、心がホッとしました。

私たちの生活には、神道や仏教が知らず知らずに浸透していると言われていますが
ちゃんと手を合わせて拝んだり、自然と共に生活することに感謝する機会が
少なくなっているのは、事実だと思うのです。

おばあちゃんの優しくてあったかい気持ちを受け継ぎ、
日本の文化が詰まっている寺社巡り、その価値を発信していきたいなと思います。

入り口付近には、可愛い可愛い石仏のお不動さんがいらっしゃいました。

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