吉田花子展 @GalleryQ [2015年11月12日(Thu)]
初めて見たとき、音のような絵だなと思いました。 風に揺れる木々の葉音、川のせせらぎ、鳥や虫の音… 自然界から生まれる、優しく、自分の中にスッと入る音のような感覚を 吉田さんの絵を見て思ったのです。 今回の個展のテーマは、「残像」。 そこにあった大きな建物や物体、もしくは人かモノ。 それらがなくなったときに残る、影か、香りか、はたまた温もりか。 見えなくなってしまったその「残像」を表現されたそうです。 「まだ、今回の作品はカタチがはっきりしているんです」と優しく教えてくれた吉田さん。 何の残像だろうかと思いめぐらせてみたのですが、分かりませんでした。 でも、こうやって思案を巡らせ、いろんな見方を楽しめるのが、 抽象画の素晴らしいところだと思います。 そのお話を聞くまで、私はてっきり音を表したのかと思っていた位なので。 「残像」という普段はあまり耳にしない言葉を聞いて、 残像はその人にしか残らない記憶のようなものだと思いました。 だから、残像を共有することは難しいのです。 でも、一つの絵をきっかけに、自分自身の思い出や記憶が蘇ってくる、 内部に残った私の残像は、吉田さんからいただいたプレゼントのような気がしたのです。 ※作者の許可を得て撮影しています。 ********************************************************* Gallery Q 東京都中央区銀座1-14-12 楠本第17ビル3階 tel.03-3535-2524 会期:2015年11月9日(月)- 11月14日(土) 11:00~19:00(最終日は17:00) 日曜休廊、祝日は開廊 http://galleryq.info/index.html |