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根元高國展 @Gallery 58 [2015年06月25日(Thu)]

解釈を相手に委ねることは、
「書く」ことが仕事の一部になっている私にとって
なかなか難しいことだ。

なぜならば、言葉を扱う者にとっては
言葉に言葉を重ねて意味を強化し、
互いの解釈にズレがないようにと努めるからだ。

もちろん、思いや受け取り方は人によって様々だから、
取材した相手の思いを汲み取りきれないこともあるし
新しい境地を勝手に発見することだってある。

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左から「時色No.69」「時色No. 68」

私は私の主張や思いを、言葉に乗せて伝え続けている。
だから「色」や「形」に敢えて境界線をつくらないことで
相手に解釈を委ねる根元さんの作品は、奥が深いと思った。

今回の作品は、根元さんがいままでにあまり使ったことのない
「色」への挑戦があったそうだ。
それは、ラベンダーのような淡い紫色。

時色No.62 64 65.JPG
左から「時色No.62」「時色No. 64」「時色No. 65」

私自身、過去に似たような色のカーディガンを衝動買いして
一度も着ることなくお蔵入りさせてしまったことがある。
普段使いするにも難しい色だと思う。

根元さんも苦労した、と言っていた。
だけど、この紫色がアクセントになって
素敵な世界観がグッと広がっているように思う。

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左から「時色No.63」「時色No. 61」

ただ、残念なことに私のカメラには限界があり
ちっとも、作品の美しいグラデーションが再現されないのだ。
だから、ぜひその目で確かめてほしい。

色の境界のない世界を。
形に捉われない世界を。

※作者の許可を得て撮影しています。
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Gallery 58
東京都中央区銀座4-4-13 琉映ビル4F
Tel・Fax 03-3561-9177
12:00pm-7:00pm(最終日5:00pmまで) 日曜休廊
会期 2014年6月22日(月)〜6月27日(土)
http://www.gallery-58.com
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