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茨城・学びの会情報発信ブログ

「茨城・学びの会」月例会の報告を中心に発信しています。明日の学校づくり・授業づくりのために,会員のみなさんや授業づくり・学校づくりに関心のある方からのコメント等をいただければと思います。


10月例会の報告 [2013年10月28日(Mon)]

10月例会は,@中学3年生の国語科の授業を視聴し,授業リフレクションを行いました。
@牛久市教育委員会指導主事豊嶋先生から,牛久市の学び合いの実践と現状,課題をスライドをもとにお話しいただきました。

10月例会


10月例会


1授業ビデオ視聴とリフレクションから

校長先生より潮来二中の現状についての話がありました。学校の状態は非常に良いこと。今までの取り組みが功を奏していること。 鹿行地区では学力テスト+の学校であること。
こういう時だからこそ新たな取り組みが必要だと思っていること。9月14日には全校朝会で生徒に方向性を示した(学び合いを進める)こと。授業者の西谷先生からは,もともと学び合いには興味があったので,4月からペア学習などで実践し授業に少しずつ取り入れてきたという話がありました。
 
実践授業(潮来二中 教諭 西谷京子)
○授業の視点
学び合いを通して,言語感覚を磨き,自分のものの見方や考え方を深めたり広げたりする指導の工夫
@単元名 古典を味わおう「万葉・古今・新古今」
A本時の目標
言葉に着目した意見交流を通して,情景を読み取り,作者の思いを豊かに想像できるようにする。(読む能力)
B授業への思い
4月より本学級の国語科の授業を担当し,学び合いを意識した指導を進めてきた。当初は自分の考えをもっていながらも対話の進まない生徒が多数見られたが,グループ学習を多く取り入れてきたことにより,徐々にではあるが友達との関わりを楽しみながら学習する様子が見られるようになってきている。本時は「新古今和歌集」を代表する歌人である藤原定家の「春の夜の夢のうき橋とだえして峰にわかるる横雲の空」の歌について学習する。この歌は,上の句で夢から覚めた状態を,下の句で覚醒後に目にした夜明けの情景を詠んでいる。豊かなイメージの交錯と不明瞭さがこの歌の魅力でもあるが,語句や意味のつながりは複数の要素が絡み合い,判然としない部分もある。そこで,前時に,言葉に着目した鑑賞を各自が行うようにする。そして,本時でグループ学習や全体で意見を交流する場を設け,学び合うことを通して,短い言葉の中に凝縮された作者の思いを豊かに想像できるようにしたい。
C授業の流れ
・本時の学習課題を確認する。
・グループごとに鑑賞を深めるための意見交流をする。
・話し合ったことを共有する。
・本時を振り返る。

授業リフレクションから
・学習課題の提示からすぐにグループに入った意味は生徒のノートを見て分かった。
・一斉授業の限界を感じている。1年間に1回も話をしない生徒もいるのではないか。
・生徒の表情が柔らかい,これは一朝一夕にできるものではない。
・一斉になったときに格調高い(良い)発言がつながれている。そうでない子はどうな のだろうか。
わかるる 別れる 分かる と解釈していたような子もいた。
差はあるけれど学びが0の生徒はいないようにしている。また,行間への書き込みを家庭学習にしている。(西谷先生)
・ホワイトボードの使い方が素敵だ。巧みだ。ただ,個人の思いはどう表現していくのか。
・この授業は何を生徒に問うているのか。どのレベルを共有するかで授業が変わってくる。
・恋の歌であることを共有して話し合いを進めればもっと深い学びが生起するのでは。
「山」は何を象徴?「雲」は何を意味している?というふうにしていくと意見の交流が盛んになるのかも知れない。
・どんな「問い」を生徒に発していくのかも大切なこと。
・生徒の発言の理由を聞くときは「どこからそう思った」と問うとよいのでは。
・子どもをつなぐということがあまりなかった。子どもが学びから離れる原因にもなってしまう。
・子どもの発言を教師が板書をしながら背中で聞くようなことはいけない。正対して聞くことを小学校では大切にしている。
・文学のみならず,テキストに戻すということをしないと学べない。
・学んでいないことに関してプリントや説明があると,もっと読みが深くなるのではないかと思った。
・子どもが将来仲間と力を合わせて仕事ができるようになるなと将来性を感じた。
・一人ひとりの柔らかな支え合いへと進みたい。(潮来二中)

話題提供 豊嶋先生

各小中学校に訪問して,児童生徒の学ぶ姿の感動的な場面を映像にしながら,学び合いのすばらしさについて語ってもらいました。圧倒的な量の写真もすべて子どもの学ぶ姿で,その学ぶ姿を見ることができるしあわせな立場に感謝しているそうです。

感想(事務局:四宮)

1枚の写真にはそれぞれに子どもの学びのストーリーがあります。それをどう想像し解釈していくかは授業者にも求められる考察力だろうと思います。そして,それができてこそ普段の授業づくりにも深みが出るのだろうと思います。
授業を参観していると,学べていない子どもがいることがありますが,私たちには,その子がなぜ学べていないのかを考察し続けていくことが求められます。単にその子ができないからとか,生育環境に問題があるからとかで片付けてはいけません。授業者は自分の授業の中で「困っている子」をいち早く見つけ支援していく義務があります。しかし,そのような子への関わり方を学んでいないと,または授業者としての「覚悟」をもっていないと,そのような子どもを前にしてもスルーしてしまうようなことが起こりかねません。これは,教師として絶対にやってはいけないことで,教師が何らかのアクションを起こさなければ子どもは変わりようがありません。「何か困っていることはある?」「隣の○○さんと相談してみようか。」「ねえ,このグループ全員で意見を交換してみない?」など,関わりをもたせるための言葉がけは多様で,たとえそれがうまくいかなくても声をかけ続けることがとても重要なのだと思います。
私たち教師のミッションは,子ども同士を楽しく学ばせ,関わらせ,しっかり思考させて,学ぶことの意味や人と関わって生きていくことの楽しさを味わわせることではないかと思うのです。
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