まめのめのとんびさん(年長)、ざりがにさん(年中)は、2泊3日で大池沢青少年センターへお泊まりに行ってきました。
お泊まりに向けてのミーティング、旗づくりなどをしながら、楽しみなのが体から溢れていたとんざりさん。小さいひとはお泊まりに行けないからということで、「お泊まり…」って小さい声で言う時も、にやにやうふふ。
当日は、まめの家から大池沢へバスで出発!
お泊まりは特別!ワクワクドキドキ、ちょっぴり不安。いつもとは違う気持ちでこの日を迎えているとんざりさん。私もどんな3日間が始まるのかとワクワクそわそわ。
けれど、いざ大池沢に着き、遊び始めてしまえば、そこには、普段の日々と変わらないとんざりさんの姿が。
歩き始めて早々、道の真ん中に立派なトノサマバッタを発見!とんびのDくんHくんSくんは、ピコーンとアンテナが立ったように、飛んでいくトノサマバッタを追いかけ、あっちにへ行ったりこっちへ行ったり。もっと虫はいないかと、山道を歩くのをやめ、茂みの方へ入っていったり。
Hとくんは、瑠璃色のちいさなタイル石をみつけて、目をきらきらさせて、これがどんな所に埋まってて取るのがすごく大変だったことや、Hとくんにはこう言う形に見えるんだとか、これは宝石でアクセサリーに出来るかもしれないんだ、と教えくれたり。
東屋に着けば、お店のカウンターのように見える場所をみつけて、ざりがにのRちゃんとNちゃんはすぐにどんぐりのお店屋さんごっこを始め、とんびのTちゃんはそのお店でどんなものをどうやって売るか悩んでいました。
そんなそれぞれの様子から、お泊まりって日常のつづきにあるんだなあと感じました。
そして、どこにいたってその人らしく在る姿がとっても素敵。

(自分達で作った旗を持ちずんずんと)
とはいえ、しばらくすると、どんどん山の中のおもしろいものもみつけていくみなさん。
木の根っこが、うねうねしててヘビみたいだったり、太くて長くてこぶもあるからタコの足みたいだったり。
藪の中を開拓し、こっちはMるちゃんが見つけたからMるの道、ここはHくんが見つけたからHの道ということになったり。
へんな形のきのこに惹かれたり。
どろどろつるつるの斜面をみつけ、お尻を着いちゃわないように滑るんだけど、1秒でお尻が茶色くなったり。もうそこからは、つるりんと滑っちゃうのがたまらなくおもしろくなったり。
倒木はステージになって、ダジャレ大会も開かれました。
(披露されるダジャレは、お客さん達から随時募集。)
時にのんびりもしながら、今年のとんざりさんのペースでたっぷり山の中を遊び尽くしていました。

(ヤギにも会えました。「どの葉っぱがお好みですか?」)

さて、お泊まり後半になると、
さっきも同じことでモヤモヤしたな!
それ言われると嫌なんだよなあってことも、子ども達の中で重なってきます。
疲れてもでてくるし。
さっきは嫌だったなあ、疲れちゃったなあ、お母さん恋しくなってきたなあって気持ちが、だんだんはっきりと外に出てきました。
そして、外に出すと聞いてくれる仲間や大人がいる。
また、はっきり外に出しながらも、仲間と遊んでいれば大丈夫なんだよなあ、仲間といるとなんかおもしろくなっちゃうなあと感じてることもひしひし伝わってきました。

(おやすみ前の紙芝居・絵本タイム)
1日目、2日目と日が経つにつれ、だんだん大人の助けを呼ぶ声もなくなってきました。荷物、着替えなどは、もちろん「大人よ、なんとかしてくれよ…。」ってことはあるけれど。例えば、誰かが廊下で滑って転んで泣いたり、ケンカになった時、困ったとき、それに気づいた人達が寄っていって、何かあったの?って聞く人もいれば、場をなんとか和ませようとおちゃらけてみたり、よしよし痛かったよねーとお母さんみたいな人もいたり。何が起きてるんだろうと観察中の人も。それぞれがその人らしくその場に寄って居てくれて。
日常でもそういう場面はあるけれど、お泊りでは、たっぷり遊ぶ時間を重ねるにつれ、なんだか一体感が出てきて、一緒に生活している家族のようにみえる瞬間が幾つもありました。
そういった一体感からなのか、普段はあんまりださないような一歩を踏みだしたり、いつもは少し離れて見ている誰かの挑戦を、私もやってみたいかも♩とやってみる姿も。
2日目の午後、沢ガニが沢山いる場所で遊んでいた時のこと。
「捕まえたー!!」といい笑顔で言ったのは、ざりがにのYちゃん。その手には立派な沢ガニ。実はあまり触ったことがなかったらしく、最初は遠目で楽しんでいたYちゃん。でも沢ガニの達人男子たちに、居そうな場所から持ち方まで教えてもらって、初めて自分だけで捕まえて、持つことに挑戦。

また、高さのある地点から下を流れる小川を飛び越えて向こう側へという、急に始まったとんび男子の忍者のような遊び。
それまで違う遊びをしていて傍にいたとんびのMちゃんとTちゃんもやってみたくなったよう。でも、いざジャンプ地点に立つと、自分には高すぎると感じた2人。「楽しいところから飛ぶ!」って、一段低い所から大ジャンプ!高さは違っても、みんなで一緒に次々ジャンプするのがおもしろくって、嬉しくって。
そんなMちゃん、Tちゃんの姿をしっかり見ていた、ざりがにさん達。自分達も好きな高さで、とんびさんと一緒に跳べちゃうかも!と、やってみることに。
思い思いの高さで、それぞれのタイミングでジャンプして、「楽しいよねー!」、「跳べちゃったよ!」、「すごいじゃん!」って言い合っている姿がほんとに楽しそうで。出発だよー!の声が聞こえ、そろそろ行かなきゃ…と思いつつ、いつまでもいつまでも、このまま遊んでいたくなりました。
今回、最終日はなんと雨。カッパをしっかり着てから、山道を行きました。足を止めると寒いし、道は濡れて滑るし、なかなかの険しい道のり。
途中、「そろそろお母さんに会いたいなあ」の声も。「じゃあどうしたら会えるかな?」とひろみん。「みんなちっちゃくなって、ちっちゃなまめのめバスに乗って山をおりる!」、「えっ!でもどうやったらちっちゃくなれるんだろう?」、「ちっちゃくなるのは難しいから、やっぱりどこでもドアにしよっか!」、「じゃあ描くか!」などなど、聞こえてくるひろみんとの楽しそうな会話。最後尾ざりがにチームは、ゴリラになったり、ヘビになったり、ライオンになってりして山を駆け下っていました。
こんな天気でも、遊びながら、おしゃべりしながらみんなで行けばなんとかなりそう!と進みました。

(カッパで山登り)
高尾山口駅に待っていてくれたまめのめバス。バスに乗り込んで座って、ホッとしたみんなの顔。それを見て、私もホッとしました。
23人みんながいたから頑張れたねえ。
お迎え場所では、みんなの帰りをお母さんお父さんが、花道を作って待っていてくれました。帰って来たとんざりさんの姿や、「待ってくれていたみんなに作ったんだー!」って見せた大地沢で作ったお土産を見ているお母さん、お父さん達の表情を見て、改めて大きな支えがあってこその3日間だったなあと実感しました。本当に感謝でいっぱいです。

(大井沢で作っている最中のおみやげ)
こうしてたっぷり仲間と過ごした3日間。
子ども達にとって、きっと大きな3日間だったんじゃないかと思います。
とんびさんから、「来年も大地沢来れるよ!」と聞いたザリガニさんの、にやりと嬉しそうな顔をみて、私も嬉しくなりました。
日常のつづきにある特別なお泊まり。
それがまたどうこの後につづいていくのだろう…と楽しみでなりません。