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雨ニモマケズ 風ニモマケズ

- 災害系ボランティア情報 ブログ-

日本は台風・火山・地震と世界でもっとも自然災害の多い国です。

阪神・淡路大震災以降、大規模災害でのボランティアによる救援活動は、いまや被災地の復興には欠かせぬものとなり、その活動は被災者へのエールにもなっています。
雨にも負けず、風にも負けず、汗を流す災害ボランティアに対する各方面からの応援をよろしくお願い申し上げます。         


他山の石 [2007年09月27日(Thu)]
午後、災害関係の講演を聴きにいった。災害はすべて個別でしかも進化していると。一方で安全は過去の災害を基準によってつくられることから、その数値を超えた場合、大災害を引き起こしてしまう。その意味からもどこかで災害が起きる毎に行政職員やその関係者は被災地に入り自らの防災に役立てなければならないと。
今回の秋田水害でも不思議に思ったことは、数十年ぶりの大水害であっても工業用バキュームなどを使った他の行政応援が全くなかったこと。この北秋田のボランティアによる救援活動もどうにか所期の目的を達成できると思うが、人海戦術でしか対応できない家屋内の作業のさらなる効率を考えれば、側溝の復旧には原始的なスコップなどではなくもっともっと機械力を投入すべきで、自治体相互の応援調整を県または国の出先がもっと積極的に関わるべきだろう。市町村単独の努力では大規模な災害処理は荷が重過ぎるように思う。
また、県内市町村も地震や水害を「対岸の火事」ではなく、「他山の石」と捉え、被災地に足を運び多くのことを学び取って自分の地域の防災がどうるべきか考える切っ掛けにしてほしいのです。

サングラスにピアスと今風の風神雷神の図。気象変動もあり災害は進化している意味のイラストです。防ぐ側の防災は昔の鎧をまとったドンキホーテ状態。これが日本の防災の現実と講師の先生はおっしゃっていました。

私たちは、この北秋田水害で阪神大震災から数えて22コ目の災害に関わらせていただきました。それらはすべて個別の災害で、個別の環境の下で活動してきたように思います。災害に関わって13年。東海・東南海・南海地震に備え、災害ボランティアもより高度で効率の良い活動に変化する必要があると痛切に感じています。

赤紙問題も含め災害におけるボランティアコーディネートの概念をもう一度考え直す時期に来ているように思います。
Posted by KURO/TNF at 19:48 | 災害全般 | この記事のURL
水害での資機材 [2007年09月27日(Thu)]
今回の秋田豪雨水害での救援活動で私たちが持ち込んだ資機材を、今後の参考のためにご紹介します。

【1】特別作業用
◇チェーンソー4台(混合油タンク&チェーンオイル)(流木の処理とフローリングのカット)
◇充電式丸ノコ(フローリングのカット)
◇エンジンポンプ(洗浄用)
◇水中ポンプ&ホース10m(汚泥汲みあげ)
◇充電式インパクト(家具の分解などなど)
◇発電機(水害は通電まで時間がかかります)
◇バール数本(床板剥がし)
◇大ハンマー(ブロック塀などの粉砕)
◇アルミ製リアカー(路地の移動用)
◇U字溝蓋あけハンドル(側溝の泥だし)
◇鳶口(流木処理)
◇林業用フェリングレバー(流木処理)
◇スカシ(重量物の移動)
◇鍬(泥浚い用)
◇鉄筋カッター(鉄筋や破損シャッターのカット)
◇無線機(スタッフ連絡用)
◇その他(水、寝袋、誘導棒、蛍光ベスト、救急セット、ゴミ袋、延長コード、投光器、クーラーBOX、ガムテープ、工具箱、ロープ、結束バンド、ヘルメット、ゴーグル、防塵マスク、ゴム手袋、皮手袋、タオル、石鹸ほか)
※災害慣れした与一隊長はさらに、カゴに入ったシャンプー・リンス・垢こすりタオルといった地元おやじ風お風呂キットが加わります。

【2】一般ボランティア用
土嚢袋、スコップ(角・剣)、デッキブラシ、たわし、アイボン、消毒液、鋤簾(泥掬い)、鍬、水切り(スクレーパー)、バケツ、タオル、一輪車、ヘルメット、防塵マスク、ゴム手袋ほか

洗浄に大活躍した風組さんの小型エンジンポンプ。小ぶりの割には水圧も十分。

あちらこちらで引っ張りだこだったU字溝の蓋あけ。軽くてコンパクトで蓋の形を選ばないグレーチングにも対応可能と、いいとこだらけの優れものです。そして尚且つ、濡れたクソ重たい畳も楽々。ただし、見た目からするとやや高価ですが、その機能性は十分元を取れます。
◇問合せは、東京建築サービス(045-911-3321)まで


消防団が用意したこちらの蓋あけは構造上斜めに持ち上げるため、厚みのある蓋には殆ど使えなく、値段もそれなりに高そう。貴方ならどちらを用意しますか?
ボランティア活動の原点 [2007年09月27日(Thu)]
2004年台風21号での豪雨被災地の三重県旧海山町での水害救援活動でのポイントは僻地での水害に対してどのようにボランティアを投入するかだった。東南海地震が懸念される三重県は極めて防災意識が高く、そこで取った手段が津・松坂など都市部からのボラバス作戦だった。
今回の北秋田市での水害処理のためのボランティア活動は、その海山町水害と比較し動員立地としてはかなり恵まれていたように感じたため、特にボラバスの提案は出さなかった。県庁所在地の秋田市から2時間以内。現場サテライトは阿仁前田駅にあり、鉄道も利用できる。
これまでの経験からいけば、むしろ渋滞と駐車場の心配ばかりをしていたが、しかし、それとは裏腹に以下のボランティア数でした。そのほとんどは学生の団体(IVUSA)、地元高校生、地元消防団、県職員、近隣社協職員などが中心で、いわゆる一般ボランティアは極めて少ない数だった。
初日に現場を回り、この規模の水害でのボランティア投入希望数は土日を二度越し、一般のボランティアが大よそ3000名程度が入れば満足のいく結果と見積もった。次の土日でボランティアによる活動は終了する。

・9月21日(金)215名
・9月22日(土)140名
・9月23日(日)274名
・9月24日(月)186名
・9月25日(火)051名
      《計866名》
※消防団や行政職員、IVUSAなど専門性の高いボランティアが多く、内容的には十分満足のゆく数字だと考えます。

一般ボランティアが増えればボランティアセンタースタッフも多く必要になる。誘導や駐車場などにもスタッフが多く割かれ実際に泥を出す人数がどんどん減ってしまう。近年のマニュアル化され、組織化肥大化するボランティアセンター現象を考えれば、むしろ近隣地域の助け合いを基本としたボランティア活動の原点を見たようにも思う。この秋田水害で学んだことを今後に繋げたいと思います。

現地からの詳しい情報は、
北秋田市水害ボランティアセンター

おまけ:
真っ先に阿仁突入を果たした、我らが与一隊長は未だ阿仁に残留し、泥まみれになっています。スナックとんぼの泥出し、頑張ってください。フルーツ系のママさんによろしく!
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