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雨ニモマケズ 風ニモマケズ

- 災害系ボランティア情報 ブログ-

日本は台風・火山・地震と世界でもっとも自然災害の多い国です。

阪神・淡路大震災以降、大規模災害でのボランティアによる救援活動は、いまや被災地の復興には欠かせぬものとなり、その活動は被災者へのエールにもなっています。
雨にも負けず、風にも負けず、汗を流す災害ボランティアに対する各方面からの応援をよろしくお願い申し上げます。         


カヤック事故 [2007年09月09日(Sun)]
今回の台風9号関連で残念な事故があった。神奈川県中津川でのカヤック水死事故である。普段はカヌーを楽しむほど水量がある川ではないが、それがゆえに地元のカヤッカーが台風の影響による水量に心が躍ったのかもしれない。この台風で首都圏の川という川は何れも警戒水位に達するほどの豪雨でした。
今回のカヤック事故のあった堰の映像がテレビで映し出されたとき、アメリカのカヤック教本に書いてあったあることを思い出した。カヌーやカヤックをする者の鉄則に、「水があったらライフジャケット、流れがあったらヘルメット」というのがある。しかし、命を守るためのライフジャケットがその浮力から唯一命取りになる場面が今回の中津川の事故ではないかと。
事故後数時間が経過していたと思われる堰のある事故現場で循環流(ハイドローリック現象)につかまり、出たり入ったりして流れ出ないカヤックがそのことを証明していたように思う。

台風後とはいえ、見た目にはそう無茶な濁流といったイメージではなく、川の上流側から仲間4艇で下ってきた。艇の形状と年齢からある程度の腕に自信のある上級者だと推測される。

このような取水を目的とした堰は多く、突っ込む前には必ず下見が鉄則。ラフトなら普通に通過できる簡単な堰のようだが・・・・危険は赤枠の箇所にできるバックウォッシュといわれる渦。

最近のリバーカヤックはロデオ的なアクロバチックな遊びが主流になっており、川の落ち込みにできる図にあるようなバックウォッシュで遊ぶことは珍しいことではないが、自然石ではなく人工的な横一直線の堰は、やはり規則正しく、艇が横に飛び出すことが難しい渦ができてしまう。

数時間経過してもカヤックがはじき出されなかった画像が証明するように、浮力のあるライフジャケットを着用していたカヤッカーは、同じような現象で渦から抜け出すことが出来なかったのであろう。アメリカのカヤック本に書いてあったこの渦(状態)からの抜け出す唯一の方法は、もみくちゃにされながらも、勇気を振り絞って「ライフジャケットを脱ぎ捨て川底に潜り、そして回転渦を避けるように下流側に出る」というものである。しかし、その本を読みながらいざその場面にでくわした時、そんなことができるかと強く感じていたのを思いだします。

同じように川で遊ぶものとして、犠牲者のご冥福をお祈りします(合掌)
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