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森岡昭雄ー福祉プラットホーム

「プラットホーム」とは「駅で線路の横に築かれた乗降に便利な構造物」のことです。これは様々な分野で「仕事をするための土台」という意味で使われています。「複雑化を続ける医療や福祉や介護の制度」の世界で、皆様と行政と福祉サービスとの複雑な関係を整理して、質の良いハッピーな暮らしができますよう「福祉プラットホーム」と称して、株式会社まかせてが活動しています。


15年前のこの時期の思い出 [2016年11月10日(Thu)]
11月になると思い出します。
私が医療法人の事務長だった頃のお話しです。
寒いけど風のない午後、少し空いた時間に職員食堂でおかわり自由のカレーライスを牛のように食べていました。
すると、理事長が部下を連れてやってきて、目の前に座り、いきなりこう言ったのです。「お前はこれからの医療は何だと思う?」
私はちょっと面食らって口の中のカレーをむせないように時間をかけて飲み込みながら必死で答えを考えました第六天魔王のご質問には絶対に答えなければならず、私の脳髄はフル稼働です。
そしておもむろに「これからの医療はココロじゃないでしょうか」と答えました。患者様、職員、社会、行政、経営者などのニーズを捉えて魅力的なサービスに変えるためには絶対に「ココロ」が必要と考えたからです。
しかし、理事長は鬼の顔になって、テーブルを叩いて怒鳴ったのです。音は食堂に響き渡り、食事中の職員が「かわいそうに」っていう顔でこちらを見ます。満点の回答をしたつもりだった私はパニックです。スプーンが手から落ち、カレーが衝撃で飛び散って私のネクタイを汚していたのは後になってわかりました。
「ちがうぞ!もりおかあ〜」「これからの医療は予知能力だ」
意外な言葉で唖然です。
「わかったか!」と言って立ち去りました。
確かに当時は小泉政権による「聖域なき構造改革」の真只中でした。1,000円の利益があった臨床検査はたった15円にしかならない項目となり、看護師が30分かけて処置をする副鼻腔洗浄はたった500円になってしまったのです。
何も考えずに検査や処置をすると赤字になる制度になったのです。ある医療行為は、診察して処方箋を出すだけで利益になるものもあり、「ココロ」があると経営難になってしまう場合もあるのでした。
全国の医療機関は台風の荒波に漂う木の葉のような状態で、運営判断を間違えるとたちまち赤字になったので「予知能力」という言葉は、当時としては医療経営の真髄を言い当てていたのかもしれません。
かつて医療保険制度で暴れまわった台風は、爪痕を残しながら介護保険制度に移ってきました。介護保険のスタート時は13事業しかなく、シンプルで分かりやすい制度だったのですが、現在はとても複雑になり、介護報酬も強力な締め付けとなって襲ってきています。
魔王の言った言葉は、今になって、ようやく「予知能力があったらなあ」とつくづく思うようになっています。
私には「予知能力」はありません。でも、これまでの経験と観察力と洞察力などを駆使して未来を創造することはできます。多様な情報を保持することで、連続した有益な情報に並べ変えることができます。
そうやって、組み立てたアイデアを武器にして進むことができているので、結構良い未来になる気がします。
Posted by 森岡昭雄ー福祉プラットホーム at 07:37 | 組織運営 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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