こもろはす会議のメンバーは、それぞれが自分たちの考える形で
「健康で持続可能なライフスタイル」を推進している。
会長の花岡隆さんも、ご自身が経営する温泉旅館
「常盤館」で使用するエネルギーを、
石油から薪へとシフトすることで
“ロハス”を実践しているという。

同旅館の薪ボイラーは
1.8mに裁断した
間伐材を丸太のまま投入できる、花岡会長のオリジナル。
薪は柱などに利用できないものを購入しているという。
「これによってうちは25%のCo2削減に成功しています。
石油は約3分1削減することができました」」丸太をそのまま投入できるほどにボイラーが巨大な理由は、
薪割りなどにかかる
人件費を削減するためとのこと。
「うちがロハスな企業だと分かりやすくアピールするのには、
やっぱりCo2を削減することだと思ったんです。
こもろはす会義の代表だから、これくらいのことはやらないと威張れないでしょ(笑)」
このような流れを受け、小諸市役所にも一時期は
「ロハス政策課」という名の部署ができたほど、小諸市はロハス政策に感心が高い。
ただし花岡会長、そして岡本さんは
“ロハス”という言葉は
さほど重要ではないと口を揃える。
「ロハスという言葉はどうでもいいんです。
軽くて耳障りがいいから入っていきやすいってだけ。
本当は重たくて批判性の高いテーマでも、
入り口は軽く。手法の問題ですね」(花岡隆会長)
「結局行き着くところは“持続可能性”ということなんです。
本当は当たり前のことなんだけど、それができてないんです。
“持続不可能”になる前に、そちらにシフトしていかなければならない」(岡本一道さん)

日本、そして世界が
“持続可能性”のある社会を模索する中、
小諸市は確実に一歩先を進み、我々にその道筋を示していると言えるだろう。


(取材日2009年11月3日 長野県小諸市 インタビュー・文章 本司有香)