長野県小諸市発、未来のための“こもろはす”な暮らし
石油、天然ガス、石炭などの化石燃料への依存率が
80 %に
上る我が国日本。
限りある資源に頼らず、しかも
二酸化炭素も放射能も出さない、安全でクリーンなエネルギーを市民と行政が一体となって推進する町、
それが
長野県小諸市だ。

小諸市では、
市内8校の小中学校でソーラーパネルが設置されている。
この
「学校太陽光発電所」で作られた電力は、
「グリーン電力」として認証され、
企業などに購入される仕組みが導入されている。
昨年の東京・丸の内のイルミネーションも、
小諸の
「学校太陽光発電所」で発電されたものが使われた。
「小諸は全国一日照時間が長い場所なんです。
しかも空気が冷涼で澄んでいるから、光が乱反射しにくくてダイレクトに届く。
だから太陽光発電に向いているんです。
日射量で言えば日本一とは言えませんが、
太陽光発電の効率の高さであれば1位と言ってもいいのではないでしょうか」
そう語るのは、市民の立場で「ロハス」の理念に基づき、
様々な活動を行う
NPO法人「こもろはす会議」の岡本一道さん。
「学校太陽光発電所」の計画も岡本さんたちの提案から実現したもの。
岡本さんの自宅も10年前から
太陽光発電を取り入れ、
自給率
120%の電力を生産しているという。
「大都会を中心にしたエネルギーと人口の集中が、
日本社会全体の歪みの原因だと思っています。
だから地方でもエネルギーも含めて、
暮らしそのものも地域の中でなるべく小さなサイクルの中で完結する社会を
目指していくべきだとずっと考えていました」
岡本さんの出身は神奈川県。
しかし
エネルギーの一極集中や
石油への過剰依存、
都市への人口集中などに疑問を持った岡本さんは、
サラリーマンの職を捨て、
33年前にここ小諸に居を移すことに。
「私は外から来た人間ですが、地域に住んでいる人って
その地域の良さが意外と見えてないんです。
ここは日照時間が長くて降雨量が少ないという素晴しい特性を持っている。
昔は誰も気候のことなんて話題にしませんでしたが、
今では街中で“小諸はお天気の日が多いからね”
なんて、合言葉のように話すようになりました(笑)」
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