
自殺者のデータを見ていて気づくのは、
圧倒的に
男性が多いこと。
ほぼ
7対3の割合で男性の自殺者が多く、
さらに自営業者に限ってみれば女性はほとんどいない、と佐藤理事長は語る。
「やはりプライドとか、名誉とか…男性の方がこだわりが強いんですね。
そして挫折したときに弱い。何かカチン!って、
音を立てて壊れてしまうようなところがありますね」
自営業者、経営者は概してプライドが高いもの。
会社が窮地に追い込まれても、自分ですべてを抱え込んでしまいがちになる。
早いうちに専門家のアドバイスを受ければ、立ち直れることも多いのに、
相談を嫌うばかりに、再生のチャンスを失う経営者が多いのだ。
佐藤理事長いわく
「相談力が弱い」。
「奥さんにも打ち明けられるといいんですけど、
お金のことはわからないだろうし、心配かけたくないし。
私も女房には相談しなかったけど(笑)。今では反省を込めて、話をしなさい、と」
自ら会社を起こし、全盛期は
年商十五億の企業トップだった
佐藤理事長だけに、経営者たちへのアドバイスは具体的だ。
「自分がやってきたことだから、経営者の悩みは手に取るようにわかります。
財務諸表を見せてもらえば、本人は倒産すると思っていても、
助かるケースはけっこうあるんです」
蜘蛛の糸は、
来年でNPOとしての活動
十年目に入る。
「NPOのメリットは、責任感が出ること。
また、仲間が集まってくる可能性も強くなります。
また、結果論ですが、『自殺対策基本法』の制定に深く関わることもできました」
相談の電話は、秋田のみならず、日本全国からひっきりなしにかかってくるが、
蜘蛛の糸のスタッフは理事長を含め
3名。
「もう少し人を増やしたいのですが、財政的に厳しいですね。
助成金ですか? 期待してないけど、もしもらえたら、
その金額の3倍ぐらいはがんばりますよ(笑)」
(取材日2009年9月11日 秋田県秋田市 インタビュー・文章 本司有香)