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2020年02月09日

令和元年度「ぽぽらコミュニティセミナー」参加報告

2020年2月9日(日)

 2月7日に、栃木県の中間支援センター「ぽぽら」で、センターの運営母体「とちぎ協働デザインリーグ」が主催しした「コミュニティセミナー」に、まちぴあスタッフ1名が参加しました。

 今回のセミナーは、令和元年度地域コミュニティ再生促進事業の一環として県内の自治会等地域組織の活動を応援している「栃木県コミュティ協会」の助成を受け、ぽぽらが実施したセミナーです。

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 セミナーのテーマは「みんなでつくろうみんなの街」ということで、ぽぽらの運営母体・とちぎ協働デザインリーグの理事であり、作新学院大学名誉教授でもある橋立達夫氏の講話を中心に行われました。

 橋立氏は、栃木県内をはじめとした各地の中山間地や農村活性のまちづくりに関わり、学生たちも巻き込んだフィールドワークや住民参加型のワークショップなどを通して、多くの地域の悩み事に取り組んでこられました。

 今回のセミナーでは、教育の第一線を退いた後に、住んでいる千葉市花見川区朝日ヶ丘自治会の自治会長や事務局長を務め、活動を実践する活動者としても現場を導くコーディネーターとしても活躍した経験を踏まえ、

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 2019年度から地域住民を対象にした「みんなの学校」というまちづくり講座を立ち上げ、またどんな様子で運営されているのかという事例紹介も交えお話し下さいました。

 全国的な動きである市町村合併が行われ、地域によっては10年以上が経過した地域も出てきた昨今、行政組織がスリム化し、地域運営が効率化された一方で、その地域(町や村)がもっていた議会が集約したことにより、その地域の将来を地域に住んでいる住民が主体となって考える力が弱まっているという感想から始まりました。

 あくまで「肌感覚」とのお話しでしたが、高齢化・過疎化・少子化・温暖化・・・地域課題という個別の問題が山積している一方で、「地域が自ら考える力」が減っていることにより、住民個人の将来性とは別に、地域という集合体の将来像を見通そうとする活力も弱っているという感想は、漠然としつつも、問題視されている諸課題のさらに基礎にある根本的な地域課題なのかもしれないと危機感を感じました。

「みんなの学校」

 は、そんな地域の課題意識を喚起するために、氏をはじめとした実行委員会の方々で発足させたまちづくり講座だそうです。講座や学習といえば、先生役がいて聞く側の生徒があるというスタイルが一般的ですが、

 参加者が主体となって発言し、考え、まとめることで、まちづくりについての自我と実績を積むというのが趣旨の講座として組み立て、座学ではなく、発言を促し、アイデアを自分事にしていくためにワークショップ方式で進められたそうです。

 地域の歴史を知り、住民個人が活動するまちづくりについての話があり、先進事例を学び、何ができるかを考える。全4回の講座に30名ほどの市民が集まり、講義の後には感想を踏まえた意見集約と可視化のためのワークショップが行われ、

 住民の皆さんがそれぞれ自由に考え、思った地域の課題や何ができるかという行動計画が作られていったそうです。参加グループの中には、音楽療法をテーマにした高齢者の集いを思い付き、実際に集会を開催してみたりといった実践に至ったケースもあり、

 提供されたプログラムを体験する以外の、住民発の提案が現実のものになったケースも紹介頂きました。

 今回のセミナーは、行政関係者、地域活動者など20名ほどが参加しましたが、こうした参加者たちが日頃思っていることを「発言する」という自発性を喚起する目的で行われたものだったと思いました。

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 講話のあとでは、受講生各人が一定時間に沿って、講義の感想や今行っている活動、思いなどを語る車座ワークが催され、「ワークショップは、どんな人でも感じていることを表現する場」であることを確認する機会が設けられました。

 地方議会がまとめられたことで、自治会をはじめとした地域組織の意思決定に加え、その地域に住んでいる住民一人ひとりの意思が重要性を増している昨今でありながら、その実思うようになっていないという現実があります。

 橋立氏の講話の中には「まちづくりは、住民一人ひとりが前向きに生きる条件をつくること」とのメッセージがありました。前向きに生きるとは、「清く、明るく、たくましく生きることと、思い遣り(=相手の気持ちになって考え、行動する)」という言葉もありました。

 一人一人の暮らしが前向きになっていくことで、その集合体である地域が前向きになっていく。少しずつ変えていこうという意思を育むことの積み重ねも、まちづくりに欠かせないポイントの一つと認識できたセミナーとなりました。

(記事投稿:小倉)