去る3月7日(土)に行われたまちぴあシンポジウム『市民が担い手となる共助社会の実現に向けて』が行われました。 各地域社会福祉協議会、NPO法人等の方々80名程の方が参加されました。

全ての人々が持つ能力を生かし発揮できるようお互いに支え・助け合う社会=共助社会について考え、先進事例を学ぶ集いとして開催しました。
今回のシンポジウムでは県外の『NPO法人自立支援センターふるさとの会』、宇都宮市内の『社会福祉法人』の方にご出演頂き、社会の中で困難を抱えている人が地域の中で安心して、地域で孤立せず最期まで暮らせるような共助社会の実現について考えました。

第1部では『NPO法人自立支援センターふるさとの会』常務理事の滝脇憲氏による「地域における支え合いの形〜地域善隣事業について〜」をテーマに基調講演を行っていただきました。
住宅の確保、地域間コミュニティー、日常生活支援により生活基盤(社会資源)を整えることで、公的福祉制度が受けられる、利用者がケア付き就労住宅で働くなどの支援ができること、
利用者はふるさとの会が行う独居支援や共同移住などを行う生活支援センター、地域包括ケアシステム(※住まい・医療・介護・予防・生活支援)としての地域の公的社会資源(※フォーマルサービス…地域包括支援センターや病院など)と地域の民間社会資源(※インフォーマルサポート…近隣住民や地域イベント)が連携しているので居住・居場所(就労、社会参加を含む)を確保支援するシステムが出来ていること等の活動を説明していただきました。
第2部では『宇都宮市まちづくりセンター まちぴあ』センター長の安藤 正知による調査報告を行いました。
宇都宮市内の『社会福祉法人西原福祉会』『社会福祉法人とちぎYMCA福祉会』『社会福祉法人ふれあいコープ』『地域包括センター石井・陽東』『地域包括支援センターさくら西』の5つ取り組みを事例調査を行い、地域と密接な関わりを持つそれぞれの社会福祉法人や地域包括支援センターの特徴をまとめました。
詳しい調査報告につきましては、また後ほど公開させていただきます。

第3部では、
■パネリスト:
・塩澤 達俊 氏 『社会福祉法人とちぎYMCA福祉会グループ 総合施設長』
・竹内 明子 氏 『社会福祉法人ふれあいコープ理事長』
・滝脇 憲 氏 『NPO法人自立支援せんたーふるさとの会常務理事』
■コーディネーター:
・陣内 雄次 氏 『認定NPO法人宇都宮まちづくり市民工房理事長』による 「市民が担い手となる共助社会の実現に向けて」をテーマにパネルディスカッションを行いました。
主な議題としては、まず、「なぜ今共助社会なのか」ということについて、滝脇氏は『困難を抱えている人達にとって安心できる居場所・地域づくりを行うことで地域で孤立せず最期まで暮らせる』という見解を、竹内氏からは『少子高齢化に伴い、昔の『分け合う・譲り合う』などの助け合いが日本の行動の在り方として大切であるから』という意見を、塩澤氏からは『困難を抱えている個人個人の排除・バッシングがない=共助社会』という見解をお話していただきました。
続いて、「今、市民1人ひとりがずべきこと」について意見を交換し、滝脇氏からは『昔の良さ「長屋」のような誰もが地域出ていく、サロンに出ていく等。 生活の中に一人ひとりが持つ能力で共助社会へ』という意見を、竹内氏からは『「おたがいさま」を共有していく。 一般の人が「普段の中でも地域に関わっていく。」=サポーターを増やしていく』という意見を、塩澤氏からは『介護保険が変わる中で、介護の社会化となる⇒支えあいの社会化が無くならないことが大切であり、将来も「助けて」という言葉が言えるのか』という考えをお話していただきました。
パネルディスカッションを聞いた中で自分なりには、
『現在社会(自分の事は自分で行う)では少子高齢化により将来1人が1人を支える福祉となる。 その中で、公的福祉制度の対象とならない方々をどう支援していくか? 地域の中でのインフオーマルケア(家族、近隣、友人、民生委員、ボランティア、非営利団体(NPO)などの制度に基づかない援助)が必要となる』
『住まいの生活の中で。人一人ひとりが、自分の持つ能力を持ち寄り。助け合い・おたがいさまの精神で活動する地域・仕事づくりの必要がある』ことを思いました。
また、『支援付き地域へ向けて、自治体、市民活動団体、営利団体、フォーマルサービス(※地域包括支援センターや病院など)等の多様な主体との連携』『共助社会ので私たちの役割 =特別なことではなく。「他人事ではなく自分事」として一人ひとりができる範囲でかかわっていく』のように思いました。
今後の地域の将来像として、考えられる「共助社会」について、今後も考えつつ、自分たちや自分たちの力を合わせた地域がどんなビジョンをもって進んでいくのかを考え続けていくことが大切であると感じた、シンポジウムとなりました。
ご出演、ご協力頂いた皆さま。ご参加下さった皆さま。改めてありがとうございました。
(記事投稿:k、構成:小倉)
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