昨日3月4日宇都宮大学UUプラザにおいて、多様な主体連携によるまちづくりシンポジウム「新たな『絆』による地域づくり―大学・地域・行政・NPOの連携―」が開催されました。
今回は早稲田大学教授の卯月盛夫氏に基調講演をいただき、次に卯月氏を含めた4名のパネリストによるシンポジウムが行われました。
第1部の基調講演では、世田谷まちづくりセンター初代所長でもある卯月氏から、まちづくりとその支援組織としての「まちづくりセンター」に関してお話がありました。
「まちづくり」とは何か?、まちづくりのために必要な支援は?、まちづくりセンターの役割とは?、まちづくりセンターの今後の課題とは?、といったテーマを掲げて約1時間に及ぶ熱い講演となりました。
基調講演の要旨を下記にまとめてみます。
・「まちづくり」とは市民を中心としたボトムアップ型のものであり、それは市民による合意形成により行われ、自治の力を形成する運動である。
・まちづくり支援組織は、参画する市民が行政や企業と対等に話し合えるよう、専門的知識や資金の面において支援を行う。
・まちづくりセンターは市民が行政等に対して自らの「代替案」を作成できる支援をすると同時に、それらの複数案が協議できる場を設ける。
・指定管理として運営される本センターに関して、行政目的を達成するためのみの行政的組織と化してしまわないことが課題である。
第2部のシンポジウムでは、宇都宮大学企画広報課課長補佐の沼尾建男氏、宇都宮市みんなでまちづくり課課長の齋藤英彦氏、本センター長の安藤正知氏をパネラーに加え、宇都宮大学教授の陣内雄次氏により進められました。
まちづくりにおいて、まちぴあは市民に近い地域の問題解決の担い手になりうるのか?、大学は学生をボランティアだけでなく地域に巻き込んではどうか?、といった課題提起がされました。
特に目立った点として、宇都宮はそもそも大学がまちづくりの主体として入っているのが特徴であり、大学が関与することにより行政職を薄めた上でまちづくりが展開できるのではないか、との意見が挙がりました。
第2部は予定より10分ほど超過したため、4時40分頃の終了となりましたが、会場には100名の皆様が足を運ばれ熱心に耳を傾けられている様子でした。
アンケート等からは、このシンポジウムで、「今なぜまちづくりが必要とされているのか」という疑問が解け、自らもできることを何か行いたい、との感想を多く頂きました。今回の企画が、皆様にとって問題意識を喚起されるものになったことと思います。
当日ご来場いただきました皆様、ありがとうございました。今回の内容を踏まえて、まちづくりセンターでは今後ともまちづくりに関する企画を実施していきます。
(記事投稿:KK)
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