• もっと見る

2023年02月06日

「しもつかれ博」取材報告

2023年2月6日(月)

初午の時期に各家庭で作るだろう栃木県の郷土料理「しもつかれ」。
実は1000年ぐらい前から作られていたのではという意外と古い歴史を持つ食べ物だそうです。
しかし、「oh…」という見た目をしているし、味も独特で苦手だから「学校給食でも食べなかった」「給食に出た時はお残し率が高かったなぁ」という思い出を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか?
これは昔直売所で出会ったおじさんが言っていたことですが、「学校給食で出されるしもつかれは酒粕が入っていないからおいしくないんだ。酒粕入るとおいしいんだ」とのこと。

そんなしもつかれを1000年続く郷土料理にしようと、栃木県教育委員会と栃木市の市民団体「しもつかれブランド会議」主催の「しもつかれ博」がミナテラスとちぎで行われました。

このイベントに、静岡県生まれ埼玉県育ち、しもつかれを作る文化のない愛知県出身の父と同じくしもつかれを作る文化のない静岡県出身の母の元で育ったため小学校6年生になるまでしもつかれのしの字も知らず、転校してから給食でしもつかれが出た際に当時の担任の先生に、「しもつかれ初めて食べるの?おいしかったらおかわりしてね」とにっこり笑って言われたので一口食べてみたけどおいしくないなと思い、そこから義務教育期間中は一切食べなかったぐらいしもつかれが嫌いに近い苦手なスタッフ1名がお邪魔してきました。

しも博ポスター-1920x1358.jpg


このイベントは、栃木県の郷土料理であるしもつかれが昨年4月に文化庁から「100年フード」に指定されたことを受け、歴史を紐解きながら次世代につなげようという目的で開かれました。

ここで、栃木市の市民団体「しもつかれブランド会議」ってどんな団体なの?と思われる方が多数いらっしゃるかと思いますのでご紹介します。

「しもつかれブランド会議」とは、栃木県の郷土料理である「しもつかれ」を県が誇るブランドにしようとブランディングデザイナーの青柳徹さんを中心に2018年に立ち上がった団体で、しもつかれをアレンジしたオリジナル料理の開発や、洋服のブランドを立ち上げたりするなど、しもつかれが持つ可能性を追求しています。

県教育委員会主催の「探る」のほうでは、会場入ってすぐにしもつかれの呼び方が地域によって違うというものやしもつかれの歴史のパネルの展示が。

DSC_0340.JPG
   「しもつかれと呼ぶのは栃木県民だけという内容のパネル。意外ですよね?」

お昼過ぎからは歴史の専門家や民俗学の専門家、料理人などでしもつかれの歴史やこれからを語り合うパネルディスカッションも行われたそうです。

DSC_0353.JPG
「時間がなかったので序盤も序盤のほうだけ写真を撮らせていただきました。皆さんの関心の高さがうかがえます」

一方、「繋ぐ」というテーマでしもつかれブランド会議が主催していた屋外ガーデンエリア。

DSC_0329.JPG
      「お弁当を発売していたお店のブース。興味深そうにお客さんが商品を見ています」

DSC_0344.JPG
「『しもつかれブランド会議』のブース。アレンジ菓子の販売と県立馬頭高校のオリジナルしもつかれもありました。鬼おろしも飾られています。」

しもつかれをアレンジした料理を出すキッチンカーやテントが多数出店されていました。
スタッフは、会場に着いて少ししてから会場でのおやつに「ガトーしもつかれ」・お昼ご飯に「しもつかれキーマカレー」・職場でのおやつに「しもつかれビスコッティ」を購入しました。

DSC_0339.JPG
「これがガトーしもつかれ。おいしかったですが、しもつかれが苦手なスタッフにとっては少しレベルが高かったようです。(キーマカレーとビスコッティの写真撮るの忘れてた…)」

個人的には「しもつかれキーマカレー」と「しもつかれビスコッティ」が食べやすくておいしかったです。
お昼を食べようと席を確保したときに下館から来たというご婦人と相席になりご一緒した際、「煮ないしもつかれっていうのがあったからもしよかったら食べてみて!おすそ分けするわ。一緒に食べましょう」と言っていただいたので煮ないしもつかれも食べてみましたが、こちらも食べやすかったです。

・・・・・・・・

このブログを書いているスタッフ、実は「しもつかれブランド会議」が立ち上がって間もないころ、この団体の集まりに参加していたことがあります。
このイベントが開催されることを新聞で知り、過去に参加したしもつかれブランド会議がどんな形でイベント関わるのか知りたくて行かせていただきましたが、活動の幅が広がっていることに驚き、しもつかれは栃木県だけの料理だと思っていましたが、茨城県や埼玉県などでも、しもつかれを作る風習があるところがあることを知ることができました。(スタッフが住んでいた坂戸・鶴ヶ島地域はそのような風習があるところではなかったのでそりゃ知らないわなと納得しました。)

食べ方でも、カレーに入っているとしもつかれ感がなく食べやすいことや歯ごたえのあるお菓子などに入れるとおいしく食べることができるんだなと、しもつかれの可能性を感じた1日でした。
(私の舌がまだ子供の舌なので大人の舌になったらそのままでもおいしく食べれる日が来るのかな)
今後も続けていっていただきたいなと思います。

また、これはあくまで私自身の個人的に考えるしもつかれのこれからですが、「しもつかれを全国の人に知ってもらいたい」「海外の人にも知ってほしい」と本気で考えるのであれば、宇都宮の餃子のPRをすることを一旦横に置いておいて、県全体で「しもつかれというものがあるんです!おいしいので是非食べてみてほしい!作り方も教えます!」と全国ネットの番組で国民の皆さんに伝えていくといいのではないかと思います。
そうすると全国の方・海外に住む方に「へぇ、栃木県にはこういうものもあるんだ。作ってみようかな。食べてみようかな」「栃木県って餃子だけじゃないんだね」と思っていただけるいい機会になると思います。(もちろん、見た目でびっくりされることは織り込み済みで)

・・・・・・・・

長文となってしまいましたが、最後に現在県内各地で開催されているイベント「しもつかれウィーク2023」のお知らせです。

アートボード-1@2x-100-1920x928.jpg


2月5日から11日までの一週間、県内各地の飲食店でしもつかれを使用した料理が提供されています。
まちぴあの近隣では今泉町にある「ちkiちki」で炭火焼き鳥に特製のしもつかれソースをかけた商品を7日・8日・9日・10日・11日に提供するとのこと。
他にも様々なアレンジ料理を出すお店があるそうなので、詳しくは上記のリンクからアクセスしていただければと思います。
しもつかれの新たな可能性を感じてみてはいかがでしょうか?

(記事投稿:T)
この記事へのコメント
コメントを書く
トラックバックの受付は終了しました

この記事へのトラックバック