「小山市多文化共生講座〜防災編〜」研修参加報告
去る11月6日、小山市国際政策課 多文化共生推進係主催による「小山市多文化共生講座〜防災編〜」が小山市市役所2階大会議室で行われ、約20名(うちセンタースタッフ1名)が参加しました。
「多文化共生」とは、「国籍等の異なる人々が、互いの文化的差異を認め合い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員として共に生きていくこと」とされています。つまり、日本人にも外国人にも住みやすいまちづくりを一緒に目指し生活していく、ということを意味します。

始めに小山市内の外国人現況について、永住者、定住者、技術等業務、技能実習の割合についてお話していただきました。外国人数の全国平均と小山市では2%ほど高い現状があり、国際政策課関連事業として、一元的相談窓口の環境整備や職員向けやさしい日本語講座、多言語ガイドブック作成、市民フォーラムの実施をしているとお話していただきました。また、小山市防災ポータルサイトでは多言語(日本語含む7言語)表示が可能だそうです。

講師:菊池 哲佳 氏
(公財)仙台観光国際協会 国際化事業部 多文化共生課 企画係長
次に仙台観光国際協会の菊池氏による講座「多文化共生時代の地域防災」。今回は@多文化防災クイズA「多言語防災ワークショップ」B東日本大震災での事例が行われました。
@多文化防災クイズでは、「震度」は全世界共通なのか。火事や救急車を呼ぶとき「119」は全世界共有なのか。避難場所のピクトグラムなどのクイズが出されました。海外の状況も説明していただいたことにより、伝えるべきことの多さを感じました。
A仙台観光国際協会「多言語防災ワークショップ-防災を通じて多文化共生について考えよう-」から1つのシナリオを使ったグループワーク及び感想・解決策の共有が行われました。避難所における行き違い・誤解・摩擦などに対する予防・解決策として、積極的なコミュニケーション(日本人同士含め)、母国語話せる人に協力してもらう、誰が来ても大丈夫なように準備しておくなどの意見が出ていました。
B東日本大震災での事例として多言語支援センター(大規模発生時に、外国人被災者が櫃余殃な情報の提供や支援を多言語で行う)の活動について、速報性を要しない情報を外部機関・団体への依頼、ローカルの情報はボランティア・スタッフが翻訳。多言語による情報提供により「安心」を届ける。といったお話をしていただきました。
まとめでは、外国人を日本社会の「お客さん」ではなく、社会のフルメンバーの一員として受け入れること。情報のかたちと情報の届け方も多様化することが大切。災害時にどうすれば「外国人を救えるか」だけではなく、どうすれば「外国人と助け合えるか」という視点が求められるとお話していただきました。
自分自身がもし海外に住むことになったら、仕事の関係で海外出張することになったら、「どんな感情になるのか・どんなことができるのか」ワークショップを通じて考えることができました。報告で避難所内に外国人の方はいないと聞いていても実際は居たというケースもあり、相互コミュニケーションの大切さを感じました。
(記事投稿:K)