CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

2020年12月26日

令和2年度宇都宮市市民活動助成金交付団体紹介(4)アディクションサポートセンターとちぎ

12月26日(土)

宇都宮市では、市内で活動している市民活動、ボランティア団体の皆さんを支援する「宇都宮市民活動助成」を行っています。平成15年にスタートし、200団体ほどの活動団体に助成交付がありました。

 障がい者・高齢者・母子等福祉事業や、自然環境保護、リサイクル、文化・芸術の振興等、宇都宮市のまちづくりにつながる市民発の様々な事業が実施されてきました。

 このコーナーでは、令和2年度の助成金交付団体の皆様を順次ご紹介し、宇都宮市内で行われている、まちづくり活動の様子をお伝えしていきます。

★★★★★  ★★★★★  ★★★★★

第4回は「NPO法人アディクションサポートセンターとちぎ」です。

月に1回行われている家族会の例会の様子を紹介します。

近年、薬物事件が増加しており、芸能人が逮捕される事件が多発する日本社会。
本人たちは、更生施設や刑務所で回復を図りますが、家族は突然のことでパニックになり、悩み苦しんでいます。
そんな家族の方たちに依存症に関する講義を依存症に対しての理解を深めるとともに、悩みを打ち明けられるところを作ろうと、平成19年にアディクションサポートセンターは開設されました。

今回の家族会では、栃木県精神福祉センターの大賀悦郎氏を講師に迎え、講演会が行われました。

IMG_1525.JPG


もちろん、感染防止対策も徹底して行われました。

まずは、依存症とはどういうものかという話から始まりました。

依存症とは、「特定の物質や行為(依存対象)のコントロールが効かなくなってしまう病気」のことです。
医学的に依存症と認められているものはアルコール依存症・薬物依存症・ギャンブル依存症・ゲーム障害などです。

どの依存症にも共通して言えるのは、
「誰にでもなる可能性のある病気であること」
「別名『家族の病』と呼ばれており、家族を巻き込む病気であること」
「もう一つの別名『否認の病』とも呼ばれており、依存症となった自身を正当化する病気である」
「病気ではあるが、適切な対処によって回復することができる」
というのがあるそうです。

次の話は、依存症のメカニズムの中でも行動コントロールの偏りについて。

私たちの行動は、脳の「前頭前野」と「大脳辺縁系」のバランスによってコントロールされており、通常は理性を司る前頭前野が優勢なのですが、依存症になってしまうとこのバランスが崩れ、本能や感情を司る大脳辺縁系が優勢になり、依存状態となってしまうそうです。
この団体に入っている方たちのお子さんは薬物依存症とのことだったので三つ目の話は薬物依存症についての話と、家族にできることについて。

薬物依存症とは、「覚せい剤や大麻、シンナーなどを乱用した結果、繰り返し使いたい、あるいは使っていないと不快な症状が出現するため、自分の意志ではやめようと思ってもやめられなくなってしまった状態」のことです。
大体の依存薬物は覚せい剤や大麻などのいわゆる「違法薬物」ですが、病院で処方してもらった薬や市販薬など違法ではない薬物への依存もあるそうです。特に精神科で処方してもらった薬は覚せい剤に次いで2位の乱用薬物となっているそうです。

健康にも全くよくなく、薬物の乱用は脳や神経系にダメージを与え、1回の乱用で死に至ることもあります。

家族にできることとして、薬物依存症に特徴的なポイントを教えていただきました。

それは、「過度に監視的・干渉的対応をしない」こと。
過度な監視・干渉するような対応は、結果的に依存症に苦しんでいる本人が家族に対して不信感を高めることになり、より一層薬物に目が行くようになってしまうとのことでした。

参考としてラットパークという昔行われた実験結果の話もあり、
「依存症の原因は依存性物質(アルコールや薬物など)によるものだけではなく、『外部的要因』の影響が大きい」
「薬物依存症からの回復はコミュニティの中で促進される」
事が考えられるとのことでした。

また、違法薬物により懲役刑となり、北海道の刑務所に収監されている人から大賀氏に届いた手紙が読み上げられ、今後薬物に手を出さないようにするため、出所後は慣れ親しんだ栃木を離れ他県に移動することにしたことなど、本人が一番悩んだことが窺えました。

こうして、大賀さんによる講義は終了し、10分ほどの休憩をはさんだ後から役員会が行われ、今年度の活動の日程を確認し、「餅つきどうやってやろうか?」「新年会どうする?」など、活発に話し合いが行われていました。

IMG_1530.JPG


午後からは、県の薬務課主催の栃木ダルク家族教室が行われました。
団体の方より頂いた情報をもとにご紹介します。

この勉強会の講師は、栃木ダルクアウトリーチ部長の栃原晋太郎さん。

P1270571.jpg


講演タイトルは、「依存症本人の成長を助ける関わり」。
県内外から30名ほどが参加して行われたそうです。

「本人の心の成長や回復を助けるためには何を優先したらいいかいいかを知る」
「本人の回復を助ける言い方を知る」
という内容だったそうで、参加者をグループ分けして互いの意見を述べながら、グループとしての意見をまとめ板書するなど、全員参加のセミナーで子供との接し方を学んだそうです。

その後は栃木ダルクの各施設の施設長さんとの面談が行われ、ダルク施設に入られている人たちがどのように過ごしているのかなどを伺ったとのことでした。

・・・・・・・・・

学生時代、学校で「薬物に手を出すことは絶対にダメですよ」というのを保健の授業だったり、学年別での集会などで習いましたが、その時は「薬物に手を出す人は弱い人なんだろうな」という偏見のようなものを持っていたし、「一度依存症になったら回復は出来ないんだな」と思っていました。

しかし、誰にでも依存症になる可能性があるとの話を聞いたとき、「自分にもその可能性があるのか」と思い、偏見を持っていたことを申し訳なく感じました。

また、「適切な対処により回復することができる」という事も驚きました。

学校教育では「児童生徒たちは将来薬物などには絶対に手を出さないだろう」という前提で授業や講習が行われますが、「薬物を使ったら自分が一番苦しむことになるけど、それだけではなくて、自分の家族や周りの人を苦しめることになるんだよ」という事もきちんと教えてほしいし、もし依存症になってしまったとしても適切な対処を受ければ回復することができることなど、大人になって偏見を持たないような教え方をしてほしいと思うと同時に、依存症と苦しんでいる方に対してもっと暖かく見守ることができる世の中になってほしいと思いました。

(記事投稿:T)
この記事へのコメント
コメントを書く
トラックバックの受付は終了しました

この記事へのトラックバック