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2018年02月26日

「まちぴあコミュニティビジネス講座2018」実施報告

2018年2月26日(月)

 2月24日、宇都宮大学峰キャンパスUUプラザを会場に、まちぴあ主催「コミュニティビジネス講座2018」を開催しました。

 この講座は、地域様々にある地域課題により継続的に関わり、解決するために、ビジネスの意識をもって自立した組織経営を行いながら活動を展開していくコミュニティビジネスについて学ぶ講座です。

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 昨今、市民の方々の興味関心の強い「コミュニティカフェ」をテーマに開催しました。このテーマは昨年に引き続いてですが、今回はカフェの役割や奥深さをより深めた内容で実施する運びとなりました。

 講座には、すでにコミュニティカフェを開いている方や志しを抱いている方など宇都宮市を中心に、周辺市町や県外からも聴講に来て下さり、約60名が集まりました。

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 講座では、まず先進事例の紹介ということで、「caféからはじまるおもしろまちづくり」をキャッチフレーズに横浜市において「港南台タウンカフェ」などのコミュティカフェを運営している、斎藤保氏(株式会社イータウン代表取締役)に基調講演を頂きました。

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 2005年にオープンした港南台タウンカフェは、市内で活動する小物作家さんや趣味を活かして物づくりを行っている方々が販売の場として使える「小箱ショップ」や、そこから派生したプチ教室、フリマイベントなど行うことでカフェ運営のための収益を確保しながら、店舗経営とまちづくりの分野の双方で活躍しているそうです。

「まちづくりというと、一種、地域に熱い思いをもった方々が一生懸命にやっているイメージがあり、そうじゃない市民の方は気軽に入りにくい」

 そんな場所にしたくないとの想いがあったそうで、ふらりとカフェを訪れた方にも居心地がよく、地域活動を行う志しを持った方も利用できる「開放」されたカフェを意識して、様々な事業を展開してきたとのお話を伺いました。

 一見、地域貢献や課題解決というフレーズからは連想されない、手芸作家の方々や学生、主婦など地域の様々な立場の方々が集まれるカフェを目指したことで、より気軽に地域への改善点やこうしたいという思いが湧き出てきて、そんなつぶやきが発端となって、「キャンドルナイトin港南台」や、地元商店街の若手の皆さんと地元事業者や学生たちがコラボした「港南台まちある隊」という、カフェをきっかけとしたイベントや活動が生まれ、また、ふつうの市民の方からの発案がもとであるからこそ、より多くの市民が参加しやすく、関わりやすい活動が展開されているのだなと推察できました。

 このような活動拠点でもあり、アイデア会議の場であり、憩いの場でもある様々な側面をもった、地域の居場所としてのカフェの機能を知ることができました。

 続いては、県内事例ということで、空き家活用の要素も含めた事例として、さくら市喜連川の岩崎崇氏(はやき風株式会社代表取締役)と、障がい者福祉の観点から就労支援事業として展開している、真岡市田町の成田雪子氏(NPO法人手仕事工房そら)の2人にも、ご発表頂きました。

 岩崎氏は、本業の内装をはじめとした建築に関わる事業を展開する傍ら、「HAYAKIKAZE cafe」を運営されています。本業の技術を活かし、また本業の技術展示も目的の1つに据え、モルタル造形をメインにデザインされたカフェをオープンされました。

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 カフェでは、喫茶の他、地元作家さんの雑貨・洋服などの販売も行われており、市のブランドとして認定された「喜連川サンド」を販売するなど、カフェとしての経営を行っています。様々な方が訪れるカフェであるからこそ、カフェでの出会いをきっかけに、ハンドメイド雑貨を集めたマルシェや、音楽イベントなども生み出されているそうです。

 成田氏は、NPO法人が行っている障がい者就労継続支援B型の事業としてスタートした「そらまめ食堂」の店長として活躍されています。一見、調理・接客も含む飲食業を障がい者の方々が営むということは困難に見えますが、切る、運ぶ、作るというように作業を細分化しやすく、役割分担も明確にできるという利点に着目してはじめられたそうです。

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 真岡女子高にほど近く、病院が前の前という立地を活かして、カフェというよりもお腹や心を満たせる食堂として運営されていることも、食堂をオープンする際に、メンバー皆さんで話し合ったアイデアだそうで、障がい者を含めた弱い立場や子育て中の主婦の方々などから評判を呼んで、現在に至るという物語を語って下さいました。

 これら事例の発表からは、どれもそれぞれに、お店に訪れたお客さんたちから始まった、講座やイベント、取り組みがあることを教えていただき、まさしく「地域の居場所」「拠点」としての役割を果たしている様子をうかがい知ることができました。


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 講座の終盤には、ゲストの皆さんに加え、陣内雄次氏(宇都宮大学教授)をコーディネーターにトークセッションを行いました。

 「カフェを運営したことによる変化」「場づくりにおける工夫」「今後の展開」などのテーマ分けて、おしゃべりをして頂きました。

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 変化については、カフェが出来たことで地域が変わるというよりも、カフェをはじめてお客さんをはじめ色々な方々と触れ合う中で、お店のスタッフや経営している側の意識変革や、新しいアイデアが生まれるという事を、それぞれに語って下さいました。

 また、こうした意識改革や変化がお客さんだった市民の方々に広がっていくことで、市民発のアイデアが出やすくなり、さらに仲間が集まってくるという「場」になるという現象がそれぞれに起こっていることも知ることができました。

 3名の方々が、特に共通していたのは「人づくり」の部分であったと思います。運営者、利用者を問わず、地域の居場所であり自分の居場所でもあるカフェをきっかけに、関わる人びとそれぞれが成長していける場所が、「コミュニティカフェ」であり、その成長が、地域を盛り上げてビジネスの活力にもつながっていくという循環を想像することができました。

 今回の講座では、改めて、「なぜ、カフェなのか」ということを考える機会となった気がします。講座の中では、昔はあった井戸端会議や縁側でのお茶飲みなどが、経済的、習慣的な社会変化からなくなってきた一方で、色々な面で一人でできるようになったものの、逆に孤立しやすく、また悩みを相談できるような身近な「集いの場」が求められているのかもしれないと考えることができました。

 カフェとはその一形態であり、地域で行われる大小さまざまな催事や、公民館での集い、地域サロンやサークル仲間との集まりなど、現在でも様々な「集いの場」があることを踏まえると、どんなに便利になっても、人と人との交流やふれあいを求める想いは変わりがないかもしれません。

 そんな集いが、コミュニティや地域といった部分に羽ばたいていくことが、地域課題の解決や新たな振興につながっていくのだと思えた講座でした。このような学びの多い講座にできましたのも、ご発表頂いたゲストの皆さんや、集まって下さった市民の皆さんのおかげです。

 この講座をきっかけの一つとして、各地域での活動が、より楽しく展開されることになれば、私達主催者として幸いです。講座に関わって下さった皆様、まことにありがとうございました。

(記事投稿:小倉)
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