きっかけは、街おこしの師匠でもあるデジタルメディア研究所の亀田 武嗣さんのお誘いでした。八戸市庁の若き職員 相模将喜さんを中心にした勉強会で、インターネット活用の講師を務めたのです。
全国各地で街おこしの講演をするようになっておりましたが、その時、生まれてはじめての体験をしました。講演後に、突然、受講者のひとりが自慢の〆鯖と鯖の味噌煮を持って来て「ぜひ味見をして欲しい」と詰め寄られたのです。それは、実は鯖が苦手だった私も初めて食べる美味しさ。その料理人は、地元で家族経営をしている八戸ニューシティホテルの板長、谷口さんでした。「これから何をしたら良いか?」と質問された私は、即座に「だまされたと思って鯖のことを3年間ブログで書き続けてください」とご提案したのです。
普通なら聞き流されてしまう私のアドバイスを、谷口さんは忠実に守って愚直にブログの更新を続けました。そして、ちょうど3年目になった時、東武百貨店船橋店の全国物産展にお声がかかりました。そして、無名の店が、すぐさま大盛況となったのです。ネットでつながった首都圏の谷口板長ファンが店に押し寄せたことに佐藤 治夫店長(現 東武百貨店専務)も驚きました。そして、次々に百貨店から声がかかるようになり、今では全国の百貨店を鯖達人として行脚しているのです。
また、私は講演で、八戸の有志に厳しいことを申し上げました。八戸は「まっぷる」や「るるぶ」などの旅行ガイドにほとんど紹介されていない、つまり全国の旅人からは見えていない、存在していないも同然だと苦言を呈したのです。その悲しい現実に発奮した相模さんや谷口さんは、わざわざ有給休暇を取って自腹で出版社に駆けつけました。そして、編集部で鯖やせんべい汁などを振る舞ったそうです。だからこそ、今では、八戸も旅のガイド本でしっかり取り上げられるようになりました。B-1グランプリ参戦や、Youtube動画で、せんべい汁も有名になりました。こうして、有志の活動とネット発信が相乗効果をあげて、存在感を増しているのです。
八戸の成功プロセスを見て、私は、地域振興に一番大切なのは、熱い想いを抱いて「すぐに行動&発信する人財」がどれだけいるかだと確信しました。まさに、勝手に観光協会による「ソーシャルメディアでまちおこし」の可能性を実感したのです。
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