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全国キャラバン in 京都 [2007年08月13日(Mon)]
「全国キャラバン」シンポジウムの第2弾は、11日(土)に京都で開催されました。




会場は、二条駅近くの立命館大学朱雀キャンパス。
歴史を感じさせる立派な建物でした。




まず、内閣府自殺対策推進室の高橋参事官が
「自死遺族支援の総合的対策を考える」と題して講演。

その後のパネルディスカッションでは、コーディネータを務める
ライフリンクの清水代表が「全国キャラバン」について説明し、
第一弾となった秋田シンポ(7月15日)の様子を報告しました。


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シンポジストとして登場した3名の女性は、
いずれも自死遺族支援に直接携わっている現場の方々でした。





まず、「こころのカフェきょうと」(京都)を主宰する
石倉紘子さん。自死遺族のための分かち合いのつどいを、
2ヶ月に1度、京都市内で開催しています。

20年前にご主人が自殺で亡くなった体験をもとに、
じっくりお話して下さいました。

しばらく誰にも語ることができず、トラウマになっていたこと、
じっくり話を聞いてもらうことで気持の整理がついてきたこと、
阪神大震災の被災地でボランティア活動をしたことで転機が訪れ、
夫の死や生、存在を否定視したくはないと「こころのカフェきょうと」の
活動を始めたこと、などです。

石倉さんのお人柄もあるのでしょうが、石倉さんを取り囲む
スタッフの方々とのアットホームな雰囲気が印象的でした。


◆◆


2番手は、「多重債務による自死をなくす会」(兵庫)
の代表、弘中照美さん。

お母様が多重債務を苦に自殺で亡くなった体験談を
お話し下さいました。

借金と自殺という2つの要因を抱えて、生きづらい思いをしている
自死遺族の役に立ちたいという思いから、
会を設立されたそうです。

「解決しない借金はない」と明言され、迷わず相談するように
と話して下さったことが印象的でした。


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3番手は、「リメンバー福岡」(福岡)という
自死遺族のつどい代表の井上久美子さん。

リメンバー福岡という会の趣旨を説明していただきました。

言葉にして語ることで自分の思いを整理する場であり、
自死遺族になる前の自分を取り戻す場であること。

つどいの場で繰り広げられるさまざまな想いが、
会場にいる私にも伝わってきました。


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京都府のキャラバンキーワードは、
なかま ― いたみを安心して語れる ―」
となりました。


自殺について語ることのできる場の必要性を改めて感じたシンポジウムでした。

その場を確保するために、京都府と京都市とも交渉を続けてきた
「こころのカフェきょうと」の石倉さんの想いが詰まった、
こころのこもったシンポジウムだったと思います。

以上、京都のシンポジウムの報告でした


事務局スタッフ 渡邊