法定雇用率達成ビジネス
[2022年07月29日(Fri)]
ビジネスには いろいろなビジネスがありますが、
このようなビジネスが拡大することに
少し違和感が あります。
「 障害ある人が働ける農園
「わーくはぴねす農園Plus横浜」始動
安全な屋内型、企業に貸し出し 横浜で22日開園式」
( 2022年7月19日付け:東京新聞 )
障がいのあるひとの就労を目的とした
企業向け貸農園が 横浜市で始動し、
開園式が行われた という記事でした。
障がい者就労支援を行う
株式会社エスプールプラスさんによる
雇用促進の取り組みで、
同社による神奈川県での開設は初めて。
エスプールプラスさんは、
障がいのあるひとの雇用を希望する企業に
農園を貸し出し、
就職を希望する障がいのあるひとを
その企業に紹介、
企業は 農園の賃料や紹介料などを
エスプールプラスさんに支払い
障がいのあるひとを雇用する、とありました。
そして、この農園で収穫した野菜は
企業内の食材にしたり、
子ども食堂へ提供する とあり、
エスプールプラスさんはこれまでに
貸農園を 全国に33開設し、
450社以上の契約企業を通じ、
2700人余りの雇用を創出した、とありました。
「 雇用の請負 」は、
ある意味で 必要なことかもしれません。
このような
実質的な雇用管理の放棄と
障がい者の派遣が重なった事例には
行政も乗っかっていて、
いくつかの自治体は
法定雇用率を達成するために
この仕組みを「利用」していると聞き及んでいます。
一定のルールの中で
合法的に活動している企業を責めることはできませんが
こういう結果を招いた「制度」に
今一度目を向け、
その「問題」を洗い出す必要があります。
その仕事こそ、
行政がやるべき仕事ではないでしょうか。
そして、なぜ企業は
ここまでして
障害者雇用促進法による法定雇用率を
順守しなければならないか。
このような状況は「本末転倒」です。
昨年3月、法定雇用率が2.3%に引き上げられ、
その達成企業は
半数にも満たないという状況を
「法定雇用率達成ビジネス」に委ねる現状は、
障がいのあるひとが
望んでいるものでは 決してありません。
「 肩代わりビジネス 」が 増えている昨今の日本。
SDGs、ダイバーシティ、エンゲージメント、という
企業が “ 好む ” これらを満たすワードに誘われて、
それらが増え続ける 昨今の日本。
このままでいい、とは思えません。
一人ひとりが
見極める目をもち、
市場を監視する “ ひと ” が 増えることを願います。
私も そのひとりとして、続けます。
* 株式会社 エスプールプラス
https://plus.spool.co.jp/
事業内容: 農業を活用した
障がい者雇用のコンサルティング事業、
企業向け貸農園の運営・開発・管理、
障がい者就労支援事業。
「一人でも多くの障がい者雇用を創出し、
社会に貢献する」という企業理念を掲げ、
推進されています。