心開き、心通う
[2020年12月28日(Mon)]
先日、「 夫婦や親子が一緒に
命を絶つケースが 相次いでいる 」という
報道を 目にしました。
東京都内で、
先月末の3日間で 6人が亡くなるなど
1ヵ月ほどの間に
全国で 合わせて36人が
亡くなっていたことがわかった とありました。
これについて、専門家は
これまでの悩みや苦しみが
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で悪化し
死に追い込まれ、
家族の無理心中や
複数での自死につながっているのではないか と
指摘しています。
コロナ禍による生活環境の変化は
誰にでもあることだと 言われるかもしれません。
が、悩みを抱えながら
ずっと 耐え続けてきたひとにとっては、
生活環境の変化によって生じる
新たな 苦しみやストレスの負担が
どれだけ大きなものか は、
そうなっているひとにしかわかりません。
感染予防対策の徹底から、
ひととひとのつながりが希薄になり、
周囲のひとが
悩みの深刻化のサインに 気づきにくい状況が
否が応でも生まれ、そして
さまざまな悩みや苦しみが さらに悪化し、
死を選ぶところまで追い詰められるケースが
増えていることは 明らかです。
「 悩みを抱えながら 耐えつづけてきたひと」。
その中には、障がいのあるひととその家族、
高齢のひととその家族もいる と思います。
福祉施設や福祉事業所さんは
今年、コロナ禍が長く続く中で
障がいののあるひとや高齢のひとへ
できる限りに
これまでの日常と変わらない支援を
続けてきました。
精一杯、できることを、
模索しながら、一所懸命に。
感謝の気持ちとともに、
もう少しだけ
考えを深めてほしいことがあります。
通所する、入所しているひとたちの
“ 家族 ” の現状です。
コロナ禍の家庭 という
限られた空間の中で、
悩みや苦しみを抱え続けている家族。
障がいのあるひとや
高齢のひとと同居する家族にも
そのような家族が存在し、
その数は
少なくない、と。
通所する入所している
障がいのあるひとや高齢のひとたちの家族 を
思い浮かべてください。
「 あのひとに限って 大丈夫 」という思いは
コロナ禍において存在しない、と
言い切っていいと わたしは思います。
「 コロナ禍が続く中で 困っていることがあれば、
些細なことでも、言ってくださいね 」。
いつもの連絡帳のやりとりや伝言に加えて、
直接、伝えてもらえたなら。
きっと、
伝える側の心は 温かくなって、
受け取った側の心も 温かくなって。
「 心を開く、きっかけを掴むひとが生まれる」。
どうか、来る年が
どのひとにとっても
より良い1年になりますように、と願います。