B型事業所だからできること
[2020年09月26日(Sat)]
障がいのあるひとが 福祉事業所で働く。
就労継続支援B型事業所で働くと、
月額工賃の全国平均は
1万6118円(2018年度)
( 全国一は 徳島県の2万2235円 )。
この低賃金は、
障がい者就労の枠組みが生み出した
「 工賃 」と いう世界が
そうさせていると 思っていました。
障がいのあるひとのなかには
「 もっと働きたい 」と思っているひとはいますし
働くことで得るお金を
「 もっと欲しい、貯金したい 」と
願うひともいます。
障がいのあるひとの
働く場としてつくられた
就労継続支援事業所や
就労移行支援事業所の
今 在る場が、
障がいのあるひとの
希望に沿った場であると言える
福祉に携わるひとは
どれだけいるでしょうか。
障がいのあるひとも
一人ひとりに合った仕事を選べる機会が
あるべきです。
それが、相談事業で叶うならよいのですが、
現状では、そうではありません。
障がいのあるひとの
能力や働き方の 要望に見合った
仕事の提供が受けられるような
仕組み、制度が 整っていないからです。
合わせて、
そのような環境をつくることができる
人材育成、処遇の向上が 必要です。
東京都武蔵野市に
社会福祉法人 武蔵野千川福祉会さんが運営する
チャレンジャー という
就労継続支援B型事業所があります。
職員さんが
仕事の効率化を進めることと同じくらい
営業活動に力を入れ、
孫請け、ひ孫請けの仕事などの
中間業者を
なるべく減らして仕事を請け負ったり
自ら単価を下げて
契約数を増やすなどの
努力や工夫を 重ね、
月額工賃 平均10万2701円という
稼ぐことに特化した事業所さんです。
チャレンジャーさんでは、
50にも及ぶ評価項目
(作業能力25、作業態度20、体力5項目)によって
時給を 50円、100円刻みで
アップしていく仕組みをつくり、
仕事の楽しさ、仕事への正当な評価を、
働くひとたちへ 根拠をもって説明することから
時給アップのモチベーションを
生みだすことに つなげています。
チャレンジャーさんをはじめ、
障がいがあっても
自分ができる仕事とめぐりあい
可能性に挑戦し
得手を発揮できる
チャンスの場をつくることは、
福祉事業所に
求められている
ミッションのひとつ。
B型事業所だから、これができるのです。
高齢のひとや
体力に自信のないひとは
事業所に毎日通うことが大事
という 思いもあります。
そのひとたちは
無理をして
働かなくてもいいですし、
そのひとに合った
福祉事業所を 選べばいい。
そのひとたちが
働きたい
働ける
環境のある事業所が
地域に存在することが 大切なことです。
さまさまなニーズに合った
福祉事業所を増やすこと、とは
障がいのあるひとにとっては
仕事が選べる環境ができ、
事業所にとっては
必要とする利用者さんが集まる、という
どちらにとっても
よい状況が 生まれること
ではないでしょうか。
B型事業所には
可能性が いっぱい 詰まっています。
これからは ますます
地域ごとに
何が求められているか
必要をされているか を
読み解けるか否かが
カギになります。
地域社会に住む
障がいのあるひとが
求めている
“ 福祉のカタチ ” を 知っていますか。