居場所の場
[2019年12月28日(Sat)]
「 居場所 」とは、そう
「 そのひとを待っていてくれるところ 」。
そして “ 場 ” が どこであっても
待つ、ということは
祈る、ということでもあり、
それが 居場所の真理、と思えて。
誰かの無事を祈ったり、
無事を信じて待つ、ということに
居場所の原点があるのでは、と考えていた時に
このような記事が 目に留まりました。
「 ドクター、街に出る コーヒー屋台で健康相談
食機能、楽しく鍛える 」
( 2019年11月7日付け:朝日新聞 )
東京都内の団地で、笑顔で屋台を引き
住民に 50円でコーヒーを振る舞う
2人の男性。
2人は、白衣ではなく
普段着で 住民と交流する医師です。
「 街(まち)ドク 」や
「 コミュニティードクター 」と 称され、
地域でひとのつながりをつくり
心身の健康を保つ 取り組みとして
注目されています。
地域で 健康相談をやっても
健康状態に問題がある
本当に 来てほしいひとが来ないことに悩み、
“ 屋台 ” を 思いついた、とありました。
2カ月に1回ほどの頻度で、
決まったエリアを中心に
看護師や建築家らと一緒に 屋台を引き、
コーヒー以外にも
古本やレコードを 楽しんでもらうこともあり、
カジュアルに 話ができるように
医師という身分は 明かさないで活動されています。
そして、おふたりの話として、
「 医師や看護師らが “ まちづくり ” に参加し
住民にとって 身近な存在になれば、
地域全体が 幸せになるという考えです 」、
「 屋台は さまざまなつながりを生む装置としての
効果は 高いです 」 と ありました。
うーん、と うなるほどの素晴らしさ。
こういう視点での “ まちづくり ” が
これからは 求められる、と思いました。
そして、おふたりは
兵庫県で同じような屋台を展開する医師らと
今年8月、全国の医療やアートの関係者らとともに
「 ケアとまちづくり未来会議 」を開催し、
異業種のつなぎ役 としても
活動されています。
このような動きが広がる背景には、
高齢化が進み
慢性疾患と付き合うケースが増え
薬を処方して治療する
“ 医療モデル ” から、
地域でのつながりなど
患者の生活環境にも目を配る
“ 生活モデル ” に
医療が シフトしつつある現状があります。
医師が まちに出て
地域住民の生活にふれることで、
そこから
患者のケアに役立つ
地域の社会資源などを
見つけることできる、と。
「 医療 」を「 生活 」から変える
医師たちの取り組みが “ まちづくり ” へ。
生活にふれることが
健康につながり、
あのひとや このひとのことを
思い、祈る。
“ まちづくり ” の核に
このような思いが含まれることで
だれもが
暮らしやすさを感じる
環境につながるのではないでしょうか。
“ 屋台 ” 。
いいですね、屋台。
皆さんのまちにも
このような “ 屋台 ” があれば、と 想像してみてください。
地域ごとに必要とされる
異なるかたちの “ 屋台 ” が 生まれそうですね。
高齢のひとに限らず、
障がいのあるひととその家族、
小さい子を育てる親、
日々の仕事に忙殺されそうなひとなど
さまざまなひとが集う “ 屋台 ” 。
わたしの住むまちには どんな “ 屋台 ” ができるかな。
近くにある
かかりつけのクリニックのドクターは
話にノッテくれそうだし、
それと、ママ友に看護師が3人いるし、
あ、栄養士もいる、それに
コーヒーに詳しいご近所さんと
園芸に詳しい隣町のひとと…。
うーん、じゃあ、来年は
わたしが “ 屋台 ” を 引こうかしら。
*屋台の営業形態について
屋台は露店営業となりますが、
臨時営業許可と露店営業許可の2種類があります。
いずれも、地域の保健所が窓口になります。
露店営業許可は、
出店頻度が高く 利益を追求するもので
手続きに関して
必要な資格の取得があったり
露店営業許可が存在しない土地があるため
限られた場所でしか開けませんが、
臨時営業許可は、
利益を求めず 地域発展など
年に限られた回数のみの出店に必要となる許可証で
比較的 簡単に取得できます。