大丈夫です、の先に
[2018年07月28日(Sat)]
今年は
梅雨明けが
全国的に 早かったり、
そこからの猛暑が 半端なかったり、と
異常とも言える夏になっています。
今月23日には、気象庁が
来月上旬にかけて気温の高い状態が続き、
猛暑日が続く旨の発表とともに
「 命に危険があるような暑さで 災害と認識している」
という発言も ありました。
わたしの住むまちも
35度以上の猛暑日が10日以上も続いており、
最低気温も25度以上の熱帯夜が
毎日 という状況です。
このような日が続くなかで、
障がいのあるひとが通う
福祉事業所でも
暑さ対策、熱中症対策について
さまざまな知識を共有されていると思います。
その中のひとつとして
日中、屋内で着席しての仕事でも、
「 お茶や水を摂りましょう 」という
言葉掛けは 欠かせません。
でも、障がいのあるひとによっては
その 言葉掛けだけで
終わってはいけない場合もあります。
ある福祉事業所の
利用者さんのご家族の話で、
帰宅後、連絡帳に「 こまめに
水分補給をするように 声掛けをしています」
と あったので「 よかった 」と思ったのも束の間、
持参した水筒を持つと
「 重いなぁ、えっ、たくさんお茶が残っている 」と
びっくりされたそうです。
声掛け、は あっても
飲んだ、確認は されていなかったのでしょう。
障がいのあるひとによっては
「 はい 」「 大丈夫です 」などの返事をしても
その「 大丈夫 」と言った事柄を
把握していない場合も あります。
と いうより、
「 はい 」「 大丈夫です 」と言った事柄を
うまく行動に
移せていないことも多いのです。
知的に障がいのあるひとは、とくに
自分の今の健康状態 や
そこからどう状態が変わっていくか や、
熱中症予防のために
水分補給をすることについても
“ 必要以上に” 水分を摂らないといけない などを
言葉掛けだけで
理解したと受け取ることは、
間違っているといっても
過言ではありません。
「 はい 」「 大丈夫です 」と言っても、
上記のような場合は
利用者さんが
ちゃんと水筒のお茶を
飲んでいるかを 目視する など、
確かめることが必要です。
「 言葉掛けをしたから大丈夫 」ではなく、
「 飲んでいない可能性もある 」ということを
念頭に置いてほしいのです。
体力を温存すること、
身体を休めるように支援すること、
そして、
福祉事業所と自宅を
徒歩で通っている利用者さんには
車での送迎が可能なら
家族へ提案する など、
普段とはちがう状況の中から
「 必要な支援 」を
注意深く見つけて 提案することが
あってもよい と思います。
これまでにない夏 には、
これまでにない必要な支援 が生まれます。
支援する側は
個人レベルではなく、
事業所全体で チームで 情報を共有する。
そして、
「 声掛け 」ではなく
「 言葉掛け 」をしたのち、
利用者さんがその事柄を把握し
実行へ移せているかまでを 見届ける。
「 大丈夫です 」の先を
確実に 見届けてこそ、
支援と言える と思います。
言うまでもないことですよ と
おっしゃるひともいらっしゃると思いますが、
「 命に危険があるような暑さで 災害と認識 」と
表現される今夏なので
ここに、記します。