命の選択 15
[2018年02月23日(Fri)]
妊婦の血液から、
ダウン症など 特定の染色体異常を調べる
新型出生前検査。
2012年1月に
アメリカで始まった と書いたその日から、
新型出生前検査、診断の動向を
注視しています。
新型出生前検査の是非が問われ続けている中、
日本産科婦人科学会(日産婦)が
「 新型出生前検査を
一般診療として広く提供する方針を固めた 」
と 書かれた記事を、
1ヵ月前に 目にしました。
「 新型出生前検査 拡大
日産婦方針 施設の認定条件緩和 」
( 2018年1月29日付け:読売新聞 )
新型出生前検査は
2013年4月に始まり、
現在、日産婦の指針に基づいて認定された
全国89施設で 実施されています。
対象は、
高齢(35歳以上)の妊婦、
過去に染色体の病気のある胎児を妊娠、
超音波検査などで病気の疑いが判明、
などに 限られています。
遺伝カウンセリングの体制が
不十分なまま
妊婦を受け入れたり、
地域によって
認定施設が一つも無い県があったり、と
見える部分でも
問題が山積する中で
なぜ今、
このような決断をするのか
疑問視するひとも 多いと思います。
「 条件が厳しすぎるため 認定施設が足りず、
認定外の所に流れている現状がある。
希望する妊婦が きちんとした施設で受けられる
体制を 整えたい 」。
日産婦理事長の
このコメントにも 疑問を持ちました。
このような中で、京都市にある
京都ダウン症児を育てる親の会さんが、
“ 生まれようとしている命を選別しないで!”
を スローガンに、
シンポジウム集会を 開催されます。
新型出生前診断実施拡大阻止集会
〜 生まれようとしている命を選択しないで! 〜
日 時:2018年 3月10日(土)
14時 〜 16時30分
(13時30分 受付開始)
場 所:京都市障害者スポーツセンター
2階会議室1、2
京都市左京区高野玉岡町
( 京都市営地下鉄北大路駅下車後、
京都市バス赤のりば206・204・北8乗車、
高野橋東詰下車北へ徒歩約7分 )
参加費:500円(資料代)
パネラー:
矢吹文敏さん(JCIL日本自立生活センター)
加古雄一さん(自立生活センター
アークスペクトラム、神経筋疾患ネットワーク)
利光恵子さん(生殖医療と差別、優生手術に
対する謝罪を求める会)
佐々木和子さん(京都ダウン症児を育てる親の会)
コーディネーター:
藤原久美子さん(DPI女性障害者ネットワーク代表)
主 催:京都ダウン症児を育てる親の会
グループ生殖医療と差別
(旧優生思想を問うネットワーク)
協 力:JCIL日本自立生活センター
―― 私たちは、これまで継続して
「出生前診断」そのものを
「命の選別」であり、
「障害者差別」であると反対してきました。
また、「出生前診断」の背景にある
社会の有り方や、
常に出産する立場にある女性への圧力等、
問題を個人にすり替える学会に対して、
異議申し立てを行ってきました。
そして、妊娠、出産という
新しい命の誕生の全てを包み込める社会、
誰もが安心し、産み、育て、暮らせる社会の
構築が先ではないか、と訴えてきました。
にもかかわらず、
なし崩し的に拡大することを、
私たちは容認することはできません。 ――
( フライヤーより )
生まれる子の親となる
夫婦の意思を 尊重することは 大切です。
でも、もし
生まれてくる子に障がいがあると分かっても、
障がいのある子を
安心して産み育てられる社会が
目の前にあれば、
その命を断つという判断は しないでしょう。
障がいのあるひとの
就学、就労、そして
親亡き後の暮らしなどの議論を
置き去りにしたままの現社会を
変えるために必要な
話し合いの方が 先です。
怒りを怒りで 終わらせない。
このような議論が
日本全国各地へ
広がることを 願います。
*京都ダウン症を育てる親の会
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/angle-3/*公益社団法人 日本産科婦人科学会
http://www.jsog.or.jp/
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キャリア認証制度
[2018年02月18日(Sun)]
先日、こちらの記事が目に留まりました。
「 障害者の農業スキル認証
京都府が全国初、定着促進へ 」
( 2018年2月6日付け:京都新聞 )
京都府が
障がいのあるひとの農業就労に関する
全国で初めての
「 キャリア認証制度 」を設ける
と ありました。
障がいのあるひとの
それぞれの能力に応じた
地位や 賃金の 確保を
農業に取り組む就労支援事業所に
働きかける とともに、
認証制度を 広く浸透させ、
一般企業への 就職促進につなげる
と ありました。
“ 農福連携 ” という言葉が
聞かれるようになったものの、
農業に取り組む
事業所さんありきで、
そこで働く
障がいのあるひとが
農作業の基礎知識を得られる仕組みは
全国で 無いに等しい状態です。
京都府では、
すでに農業を実践している
就労支援事業所さんと
種苗大手のタキイ種苗さんの協力を得て、
農業に関心のある
障がいのあるひとを指導する場を
設けます。
今年度は、
プレ認証 という形でスタートし、
2018年度から、基礎講座を開講し、
3ヵ月間に 10回(約40時間程度)の
講義と実習を 行う予定で、
農作業の基礎知識から マナー、
畑づくりから 種まき、間引き、追肥、収穫までの
一連の作業をはじめ、
収穫した野菜の 加工や販売も
カリキュラムに 入っているそうです。
2018年度以降には、
応用課程の開講も 検討されているそうで、
能力や経験に応じて 等級化し、
障がいのあるひとの
農業スキルの 見える化も図る、とか。
農作物をつくる
福祉事業所や就労支援事業所は 増えていますが、
障がいのあるひとは
職員さんと一緒に
場合によっては 手伝うような形で
携わることが多い 現状から、
ステップアップができるひとが増える
と 思います。
もしかして、
障がいのあるひとたちで起業したり、と
思わず 頭に浮かびました。
一人ひとりの
スキルをアップし、
自分のペースで 農業と 向き合う。
夢じゃない と思います。
*きょうと農福連携センター
http://www.kyo-noufuku.com/center.php京都府では、
就労支援事業所の2割近い 約60ヵ所が
農福連携を 進めているそうです。
その補助や助言をする機関として
2017年5月に 開設されました。
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くるくる!やっほぅ!!8回転
[2018年02月12日(Mon)]
2011年 から
毎年、この時期に開催されている
アトリエやっほぅ!!さんの
展覧会の案内です。
〜 くるくる!やっほぅ!! 8回転 〜
会 期:2018年 2月12日(月・祝)〜 18日(日)
12時 〜19時 【最終日は18時迄】
場 所:同時代ギャラリー
京都市中京区三条通り御幸町角1928ビル1階
http://www.dohjidai.com/ 主 催:京都市ふしみ学園
後 援:京都市社会福祉協議会、
伏見区社会福祉協議会、
京都新聞、産経新聞厚生文化事業団、
毎日新聞京都支局、
京都ほっとはあとセンター、
京都知的障害者福祉施設協議会
助 成:京都府 地域アート展開催事業
京都市登録有形文化財の
1928ビル(旧毎日新聞社ビル)にある
同時代ギャラリーにて、
今年も 開催されます。
“ くるくる!やっほぅ!! 8回転 ” って
おもしろいタイトルですね。
2011年から “8回 ” 目の
開催をかけて、
“ くるくる!” は
回る くるくる! よりも
お客さんが 来る来る! でしょうか。
絵画を中心に、陶芸、雑貨など
18人の作品が 展示されるそうです。
いつも、どの作品にも
温かさが感じられる
やっほぅ!! さんの 作品。
今回は、
どんな作品に 出会えるか、
わくわくしています。
お近くのひとは
ぜひ、立ち寄ってみてください。
*京都市ふしみ学園 アトリエやっほぅ!!
京都市伏見区紙子屋町544
http://www.atelieryoohoo2.sakura.ne.jp/
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映画『 夜明け前の子どもたち 』
[2018年02月07日(Wed)]
2月3日から、
東京・渋谷にある
“ シネマヴィーラ渋谷 ” にて、
福祉の現場に密着した
ドキュメンタリー映画を撮る
柳沢寿男監督の作品が 特集上映されています。
その中で 目が留まった
映画『 夜明け前の子どもたち 』。
日本の福祉ドキュメンタリーの
原点とも言われる映画です。
今から50年前の
1968年に製作された
この映画は、
滋賀県にある「 びわこ学園 」を舞台に
療育活動を 約1年間記録したものです。
企画・監修したのは、糸賀一雄さん。
「 この子らを世の光に 」の理念をかかげ、
一人ひとりの人間として、
障がいのある子どもたちを
見つめる視点が 貫かれています。
舞台となる「 びわこ学園 」は、
戦後 西日本で初めてできた
重い障がいのある子を支援する施設です。
当時は
障がいのある子への教育などは
無意味だと思われ、
就学免除という名目で
義務教育すら 受けられませんでした。
そのような中で、
療育活動を始めた びわこ学園さん。
今だったら
虐待に当たるような行為や、
今だと間違っていると言われる
支援などもありますが、
さまざまな立場のひとたちが
子どもたちの発達について
考え、話し合い、実践し、
試行錯誤を繰り返すことから、
障がいのある子たちが
生き生きとした姿を見せるようになります。
“ 医療と教育を合わせた 療育活動 ”が、
障がいのある子たちにとって
必要なことだ ということ、
合わせて、
障がいのある子たちの
権利とは何か
個人の尊重とは何か を
「 知ることができた 」映画です。
記録である とともに、
多くのひとの 記憶に残る
映画『 夜明け前の子どもたち 』が、
50年経った 今もなお
繰り返し 見続けられていることに
少し 複雑な思いもしますが、
今一度、この映画を観ることから
福祉の現状を
障がいのあるひとたちが生きる社会を
見つめなおすことにつながる と思います。
シネマヴィーラ渋谷での
映画『 夜明け前の子どもたち 』上映は
終わりましたが、
柳沢寿男監督の
福祉ドキュメンタリーや短編映画は
2月16日(金)迄 上映されています。
*社会福祉法人 びわこ学園
滋賀県野洲市北桜978-2
http://www.biwakogakuen.or.jp/→ 映画『 夜明け前の子どもたち 』は
DVD化されています。詳しくは、
びわこ学園さんのHPを ご覧ください。
*シネマヴィーラ渋谷
http://www.cinemavera.com/index.html
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見えることを伝える
[2018年02月02日(Fri)]
過日、目にした
ほぼ日刊イトイ新聞
「 今日のダーリン 」の
コラムを読んでの ひとりごとです。
―― じぶんにこどもができると、
いかに世の中のあちこちに
たくさんのこどもがいることか、
と感心することになる。
じぶんが犬と暮らすようになると、
世界には、
こんなに犬がいたのかと驚くことになる。
じぶんが、文章を書くようになると、
あちこちに文章というものが
あふれていることに気づく。
おもしろいのや、おもしろくないのや、
どうでもいいのや、くやしいのや、
かっこいいのが。
そういえば、ぼくが釣りをはじめたころには、
どこにもそこにも水たまりや川が流れていて、
すべての水に魚が泳いでいるように思えた。
(中略)
いつも「ゴミ」に埋もれて暮らしている人には、
ひょっとしたら
日本中の「ゴミ」が見えてるのかな。
そういうこともあるかもしれない。
暗い理屈をこねくりまわしながら、
不幸と争いの行方を観察している人には、
次々とそういうものが見えてくるのかもしれない。
ポジティブシンキングとか
ネガティブとか言わなくても、
見たいものを、人は見ているし、
見続けているものは、
探しやすくなるということだ。
好きなものを好きであること。
好きな人を好きであること、
好きな時を好きであること。
好きを愛おしんだり、
好きを大切にしていることが、
さらに好きなものと
出合える機会をつくってくれる。
こんなに簡単なことだったのか。
そういえばいまのぼくは、
老人が目に入ってしょうがない。 ――
ひとそれぞれに、
興味のある物事にちがいがあります。
それは 誰にもある、
あたりまえのことです。
自分の
暮らすまち
生きる社会の中で、
見たいものを
自分は見ているし
見続けている。
自分の周りに存在する
ひとやものは、
少なくとも、すぐに
目に入ることになりますね。
自分が
暮らすまち
生きる社会の身近なところで、
障がいのあるひとが
買い物をし
同じ学校へ通い
放課後も一緒に遊び
公共交通機関を不自由なく利用し
職場では
健常と呼ばれるひとと一緒に仕事をしている。
そんな光景が
日本のあちらこちらに存在すれば、
障がいのあるひとは
今よりも 自分らしく
地域で暮らすことができるのに、と
コラムを読んで 想像しました。
そして、こう 思いました。
「 見えることを 伝える 」。
今、不満に思っていることがあるのなら、
見えることを 伝え続けることから
変わっていくのではないか、と。
どんなに小さいことも、
小さいことだから 伝えないと、と
思えてなりません。
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kyokyo at 06:00 |
日々わたくし |
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