映画『 きらめく拍手の音 』
[2017年04月26日(Wed)]
耳の聞こえない両親の日常を
娘の目線で ありのままを見つめた
映画『 きらめく拍手の音 』。
―― サッカー選手を目指した青年が、
ある日教会で出会った美人の娘にひとめぼれ。
青年と娘はやがて夫婦になり、
ふたりの子どもを授かりました。
つつましく暮らすどこにでもある家族ですが、
他とちょっと違うのは、
夫婦は耳が聞こえず、
その子どもたちは聞こえるということ。
泣き声が聞こえず、
言葉で伝えられない育児は大変な苦労でしたが、
夫婦は子どもたちを
明るく愛情いっぱいに育てました。
姉と弟のきょうだいは、
幼いころから手話通訳や両親への
理不尽な差別に悩んでいました。しかし、
早く大人になろうとした自立心溢れる姉と弟は
外の世界を知ることで、
音のない世界と音であふれる世界のはざまにいる
自分たちを徐々に受け入れていきます。
聞こえない人たちは、
ときに手をたたく代わりに
手のひらを高くあげてひらひらときらめかせます。
それは、もうひとつの世界へといざなう
音のない拍手なのです。 ――
( フライヤーより )
2015年に 韓国国内で公開され、
「 山形国際ドキュメンタリー映画祭2015 」の
「 アジア千波万波 」部門で 特別賞を受賞。
今月16日に
東京・下高井戸シネマにて 先行上映後、
18日には、東京・ポレポレ中野にて
メディア向け上映会がありました。
イギル・ボラ監督の
劇場デビュー作でもあるこの作品には、
20代の彼女が見つめる 柔らかい視線の中に
聴覚に障がいのある両親をもつ子の
葛藤を交えながら
聞こえないひとたちの日常を
これまでにない距離感で 描いています。
そして この映画で、わたしは初めて
「 コーダ=CODA 」という言葉を知りました。
「 Children of Deaf Adults 」。
コーダとは、この映画の姉弟のような
聴覚に障がいのある親をもつ
聞こえる子たちのこと。
障がいのあるひとの家族をめぐる
さまざまなことを
知ることにもつながる映画です。
6月10日(土)より
東京・ポレポレ中野にて
上映が 決定しています。
この後、順次 全国公開の予定だそうです。
「 聞こえるわたしが見つめる、
聞こえない両親の世界。
きらめく拍手の音が、
音のない豊かな世界へと 導いてゆく 」。
ぜひ、観たい、観てほしい映画です。
*映画『 きらめく拍手の音 』公式HP
http://kirameku-hakusyu.com/
監督・撮影・編集・制作:イギル・ボラ
出演:イ・サングク、キル・ギュンヒ、
イ・グァンヒ、イギル・ボラ
宣伝美術:成瀬慧
予告編制作:遠山慎二
日本語字幕制作:ホワイトライン、Palabra
韓国語協力:根本理恵
配給:ノンデライ
2014年 /韓国 /80分 /カラー /韓国語 /韓国手話