今日は、こちらの記事を読んでの
ひとりごとです。
「 障害ある子の「カルテ」義務化
小中高共通、学校が作成 」
( 2016年5月15日付け:朝日新聞 )
障がいのある子を
小学校から高校まで 一貫して支援し
進学や就労につなげるために、
進学先に引き継げる
「 個別カルテ(仮称)」をつくるように
文科省が 各学校に義務付ける方針を固めた
と ありました。
…えっ、今まで そういうものは なかったの?
調べてみると、現学習指導要領では
子どもの支援内容などについての
個別の「 教育支援計画 」や
教科ごとの指導状況などを記す
個別の「 指導計画 」を
つくるように 勧めてはいるのですが、
なんと 義務化はしていないのです。
文科省の2015年度調査によると、
「 教育支援計画 」は
公立小中学校の1割、公立高校の4割が
作成していない状況が明らかになっており、加えて
こうした「 計画書 」を
次の学校へ 引き継ぐかどうかは、
各校が 独自に判断しているのが常 だとか。
そして「 個別カルテ 」は、
支援計画と 指導計画をもとに、
小学校から高校まで
引き継ぐことを 前提とした書式となり、
2020年度 〜22年度に 順次始まる
小中高校の 新学習指導要領での
義務化を検討する とありました。
但し、これらの「 個別カルテ 」は
公立小中学校の 特別支援学級の子どもと
比較的軽い障がいや 発達障がいで
通常学級に在籍しながら一部の授業を別に受ける
通級指導の子どもを 中心に考えていると。
…うーん、ちょっと 待ってください。
どうして「 個別カルテ 」の対象を 区切るのですか。
「 個別カルテ 」は、
障がいのある子のみに 必要なものではないと思います。
教育を受ける子どもの一人ひとりに
必要なものであり、
有るべきものであり、
障がいのあるなしにかかわらず
すべての子どもに
同等の書式で
記入すべきものではないでしょうか。
これまで、そして今も、
学校生活で
配慮が必要な子をはじめ
障がいのある子は、
入学、進級、担任の変更などの時
その都度、親が 子どもについて
一から 話をしなければならない状況があります。
自分の子どもの様子を伝えるのは当たり前と
言うひともいるかもしれませんが、
毎年のように、この状況が発生し
その都度、一から子どものことを話す
親の心情を 想像してみてください。
心身ともに
負担という言葉で語リ尽くせないほどの負担が
ずっと圧し掛かっています。
「 あくまで、学校主体で、
障がいについて十分な知識のない
教員がつくるカルテが、
その子の成長に
本当に 必要なものとなるのだろうか。
反対に 弊害になりはしないか 」。
「 指導計画も、教育支援計画も
見たことがないという親がたくさんいるという現状を
なくすことは できるかも 」。
「 小さい頃の情報が残り、上書きされることで
要らない先入観が残り続ける 懸念がある 」。
「 個別カルテをつくっても、使わなければ意味がない。
つくる義務と共に、運用する義務を伴ったものにしないと。
でも、適切な 利用や管理が できるのかだろうか 」。
「 比較的軽い障がいの子が対象 って。
比較的軽いって、どのような基準で 誰が 決めるの?
対象者を決めること= 障がいのある子
と 決めることに 抵抗がある 」。
「 個別カルテ 」が できるからといって
手放しには 喜べませんが、
メリット、デメリットを精査し、
「 個別カルテ 」が
すべての子どもの成長に 役立つものになるのかどうかを
考える時間は 持つべきだと思います。
言うまでもなく、学校教育は
「 一人ひとりの子どもにとって、必要なもの 」
で あるべきです。
その子に沿った
その子に必要な教育を成すことを
学校教育と言うのなら、
このままでいい訳がありません。
もしかしたら、この
「 個別カルテ 」は
「 学校教育の真髄を問う 」ものになるかもしれません。