選挙に行くこと、投票するということ10
[2022年06月23日(Thu)]
2013年夏、拙ブログでは
参議院選の際に
障がいのあるひとの選挙投票に関し、
障がいのあるひとの国政選挙について を記しました。
あれから、
障がいのあるひとが投票するということについて
伝え続けてきました。
そして、今年4月より
成人年齢が18歳に引き上げられたことや
来月参議院選挙が行われることから、
18歳、19歳、若い世代の選挙投票について
スポットをあてたニュースを目にすることが増えています。
18歳、その多くは、高校3年生。
障がいのある18歳の多くが通う特別支援学校では、
選挙について、投票について学べる環境が
どのくらい整っているのか、
気になっていました。
そのような中で、
東京都内の特別支援学校で
投票の方法などを学ぶ授業が行われたという
ニュースを耳にしました。
東京都調布市にある
都立調布特別支援学校で、
隣接する狛江市が全国で初めて作った
知的に発達に障がいのあるひと向けの
『 わかりやすい主権者教育の手引き 』を参考に
特別授業を行った、とありました。
その授業とは、
自分で選ぶことの
楽しさと大切さを知ってもらおうと、
生徒たちに
来月の特別給食のメニューを決めるものでした。
メニューのうち、
デザートは スイカかメロン、
メインは 夏野菜カレーか夏野菜ミートスパゲティを
選ぶことになり、
投票にあたっては
選ぶのは デザートとメイン1つずつで、
何を選んだかは他のひとに見せない などと教わったあと、
生徒たちは投票用紙に記入し
実際の選挙で使われる投票箱に投票しました。
開票の結果、メロンと夏野菜カレーに決まり、
選ぶこと、投票することを体験しました。
授業の最後には
「大人になったら選挙というものがあります、
投票には今回のように
自信をもって1票を投じてください」と
教員の話しがあった、とありました。
「 選ぶ 」ことを学ぶことが
障がいのあるひとにとっては
まず 大きなハードルで、
それをクリアしたのちに
「 投票 」という行動があるのです。
この “ 授業 ” は、
障がいのある生徒がわかりやすく経験できる
取り組みだと思います。
中学、高校のうちに
このような “ 授業 ” が
繰りかえし行われることの意味を
特別支援学校・学級の教員は
真摯に受け止めてほしいし、
これを受け止めるということは
知的に発達に障がいのある生徒にとって
「 一番必要なことは何か 」を
考え直すことにも つながります。
机上の空論 ではなく、
一人ひとりの生徒の “ 必要なこと ” が
身に付く教育を
考え直すきっかけにも。
最後に、
『 わかりやすい主権者教育の手引き 』は、
学校や福祉事業所、障がいのあるひとの親などが協力して
東京都狛江市が
2020年2月につくったもので、
2021年1月末までに
全国の特別支援学校の教員に配布されているそうです。
皆さんの住む地域の特別支援学校で
このような “ 授業 ” が行われていますか。
少なくとも
私の住む地域では、
耳にしたことがありません。
※『 わかりやすい主権者教育の手引き 』は、
東京都狛江市HPから見ることができます。
https://www.city.komae.tokyo.jp/index.cfm/46,92842,c,html/92842/wakariyasuitebiki.pdf