映画『 わたしの季節 』
[2022年02月08日(Tue)]
2018年2月に 拙ブログで紹介した
映画『夜明け前のこどもたち』 。
1968年に製作された
日本の 福祉ドキュメンタリーの
原点とも言われる映画で、
滋賀県にある びわこ学園を舞台に
そこでの療育活動を
約1年間 記録したものでした。
そして、1966年に設立された
第2びわこ学園が
2000年に新築・移転されることになった時、
学園のようすや思い出を残そうとつくられた
『 わたしの季節 』という
ドキュメンタリー映画が あることを知りました。
当時の入所者のうち 数名のひとを除いた
123名の入所者とその家族から
撮影許可の了承をとり、
3年間にわたって
そこで暮らす ありのままの姿が
16ミリカメラと同時録音で 記録。
ナレーションは一切なく
映像と録音だけという、
映画のもつ力強さを
臨場感を 発揮した
作品になっています。
途中、入所者たちの幼い頃の姿も挿入されて
そこから、一人ひとりが
それぞれの “ 季節 ” を 重ねてきたストーリーが
垣間見えることで、
入所者一人ひとりが
大切に時間を重ねてきている足跡があります。
この子らに世の光を、ではなく
「 この子らを世の光に 」という理念で
創設された「 びわこ学園 」。
重い障害のあるひとたちと
コミュニケーションをとって
生活全般の支援を
試行錯誤しながら行う。
一人ひとりと 向き合うことから
一人ひとりの意を 尊重できる “ 今 ” があります。
この映画をつくるにあたり、
家族のなかには
映してほしくないと思うひともいたと思いますが、
数名を除いた
123名とその家族たちが望んだということからも
入所者とその家族の
映画への期待、そして
この映画の意味を感じました。
ある 障がい福祉の社会福祉法人では、
新人研修時のプログラムに
この 映画『 わたしの季節 』と
映画『 夜明けのこどもたち 』の上映があるそうです。
それを古い、というのではなく、
知ることによって見えてくること
変わらないこと
変えなければならないこと などを
感じてほしい、そしてそこから
自分ができることを行動に移してほしい、と
願い続けるひとたちがいる。
今を知ることも 大切ですが、
これまでのことを知ることで
見えてくるコト、もの。
そこには、
障がいに関係なく
見えてくるコト、もの が あります。
そして、どのひとにも必要な
「 生きる 」という原点が そこに あります。