あたりまえの公共政策
[2021年06月16日(Wed)]
身体、知的、精神に障がいのあるひとが
各自治体発行の障がい者手帳によって、
JR、私鉄、高速道路、
飛行機、タクシー、高速バスなどの利用料金が
割引になることがあります。
しかし、それらを利用する場合は
その度に 障がい者手帳を見せなければならず、
場合によっては
手帳の中をあらためられることも
少なくありません。
その度に 時間を要することはもちろんのこと、
手帳の中のページを見られることで
障がいや病名などの個人情報を知られることに
抵抗を感じるひとも
少なくありませんでした。
そのような中で、
障がいのあるひとが
公共交通機関などの運賃の割引を
ICカードで受けられるようになるというニュースを
目にしました。
関東地方など69の
鉄道やバスの事業者でつくる協議会は、
Suica や PASMO を使う場合
障がい者手帳を見せなくても割引を受けられる
サービスを 発表、
開始は 来年度後半からで
関東地方では これが初めて、と ありました。
JR東日本と 小田急電鉄の社長が
国土交通省大臣に サービスの内容を説明した際、
「 健常者が受けられるサービスは
障害者も 同じように受けられるよう、
あたりまえの公共政策をやっていただきたい 」と
国土交通省大臣が話した、と ありました。
関西では、すでに 上記のような
交通系のICカードサービスはありますし、
2020東京オリンピックパラリンピックを
予定していたにもかかわらず
このような利便性が
関東で整えられていなかったことに驚きました。
ちなみに、関西では
岡山や静岡を含めた 63の鉄道・バス事業者で
構成されている スルッとKANSAI協議会 が
「 スルッとKANSAI・特別割引用ICカード 」を
発行しています。
身体障がい者手帳、療育手帳の
第1種を持っているひとが利用可で、
本人と介護者、大人用とこども用がありますが、
本人だけの単独利用ができないなどの
注意点も あります。
障がいのあるひとが
健常と呼ばれるひとと同じように
交通機関を利用できる社会とは
まだまだ言えない日本ですが、
困っている現況を
利用しづらい状況を
声に出し続けないことには 変わらない。
きっと、この
「 Suica や PASMO で障害者割引
関東など 来年度後半開始 」に至るには、
多くのひとの声があったその上に
実現へ尽力したひとびとが
あってのこと と思います。
先の ニュースにあった
「 健常者が受けられるサービスは
障害者も同じように受けられるよう、
当たり前の公共政策をやる 」ことが本意ならば、
障がいのあるひとが必要としている
さまざまなことが、
スピード感をもって変わっている と
思えてなりません。
* スルッとKANSAI・特別割引用ICカード
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