福祉避難所 6
[2016年05月14日(Sat)]
熊本地震が起きて、1か月が経ちました。
不便な避難所での生活を余儀なくされているひと、
さまざまな事情から
家族が離ればなれになったひと など、
地震前の日常に戻れないひとが
まだ たくさんいらっしゃると思います。
障がいのあるひとや 高齢のひと、妊産婦など
生活を送るうえで 配慮の必要なひとたちが
日々暮らす、生きるなかで、
不自由なことは ちゃんと
取り払われているだろうか と
思いは巡ります。
今までにも
福祉避難所のことは 書いてきましたが、
熊本地震における 福祉避難所は
その必要とされる役割を
果たしていない現状が今 明らかになっています。
熊本市内において
176か所の
福祉避難所を 指定していましたが、
5月2日までに開設できたのは
62か所だけでした。
開設できなかった理由を 市は
施設が損壊して 使用できなかったり、
職員が被災して 出勤できなかったりしたため
と 述べています。
福祉避難所を いくら指定しても、
いざ 必要となったら
こんな具合になるのか、と。
「災害時に福祉避難所だけに頼るのは 限界がある」
と、気付く結果となりました。
そのような中で、
県内の 熊本学園大学が
校内の一部施設を
身体に障がいのあるひとの避難所として提供したり、
県内の 障がい者関係団体が集まり
被災した障がいのあるひとたちを支援する
「 被災地障害者センターくまもと 」を 発足したりと
福祉避難所に代わる支援も 生まれています。
福祉避難所については
「 支援の必要なひとや その支援者、住民などに
普段から、広く周知しておかなければならない 」と
今年4月にまとめた
内閣府のガイドラインにも 明記されていますが、
机上の決め事に終わっているのではないかと
思わざるを得ない状況は、
全国で そう言えるのではないでしょうか。
阪神淡路大震災がきっかけで
その必要性から生まれた 福祉避難所ですが、
その後に起きた 数々の災害を越えて
今もなお、
「 必要なひとに 必要な支援が 受けられる場所 」
として、機能できていないようすが
多く見受けられます。
ほんとうに、災害時に
福祉避難所だけに頼るのは、限界があるのかもしれません。
そもそも
障がいのあるひとのためのスペースは、
なぜ 必要なのでしょうか。
もちろん、
医療的なケアや段差、騒音排除など
配慮や支援は 必要です。
しかし、よく考えてみると
小さい頃から
同じ小学校や中学校で
一緒に 学校生活を送っていれば、
「そのひと」のことがわかる・理解できるひとは
普段から 周りに居ることになります。
と なると、日頃から
障がいのあるひとを まちで見かけることが常で
「そのひと」に必要な配慮をわかっていたなら、
まちにある避難所で
避難生活を送れるのではないでしょうか。
「 分離教育をなくすことは
“ 減災 ” にも つながるのではないか 」。
ふと、そう思いました。